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フードゥー・マン・ブルース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『フードゥー・マン・ブルース』
ジュニア・ウェルズスタジオ・アルバム
リリース
録音 1965年9月22日 - 23日[1][2]
ジャンル ブルースシカゴ・ブルース
時間
レーベル デルマーク・レコード
プロデュース ボブ・ケスター
専門評論家によるレビュー
ジュニア・ウェルズ アルバム 年表
フードゥー・マン・ブルース
(1965年)
イッツ・マイ・ライフ・ベイビー!
(1966年)
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フードゥー・マン・ブルース』(Hoodoo Man Blues)は、アメリカ合衆国ブルース・ミュージシャン、ジュニア・ウェルズ1965年に発表した初のスタジオ・アルバム

背景

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ウェルズは1953年よりシカゴのマイナー・レーベルで録音活動を始め、1960年にはProfileというレーベルから発表したシングル「Little by Little」がR&Bチャート入りしたが、本作を発表するまでは、全米規模の知名度を得られていなかった[3]。本作にはバディ・ガイがギターで全面参加しているが、デルマーク・レコード創設者であるプロデューサーのボブ・ケスターは、当時ガイがチェス・レコードと専属契約していたと誤解し、初回盤LPのクレジットでは「Friendly Chap」という変名で記載した[1][2]。なお、1970年代の再発LPではガイの名前が明記されている[1]。本作のレコーディング中、ガイのアンプが一時的に不調となったため、タイトル曲の録音では、ギターのシールドをハモンドオルガンレスリー・スピーカーにつないで演奏した[2]

収録曲「Ships on the Ocean」は、クレジットではウェルズのオリジナル曲となっているが、実際にはマディ・ウォーターズの曲「Just to Be with You」の翻案で、タイトル曲はサニー・ボーイ・ウィリアムソンI英語版の曲「Hoodoo Hoodoo」の翻案である[4]インストゥルメンタルの「Chitlin Con Carne」は、ジャズ・ギタリストのケニー・バレルのカヴァーで[4]、バレルのオリジナル・ヴァージョンは、アルバム『ミッドナイト・ブルー』(1963年)で発表された[5]

評価・影響

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本作はリリース当時、『ビルボード』の各種チャート入りを逃す結果となったが、長年かけて10万枚以上を売り上げ[6]、デルマーク・レコードのアルバムとしては最大のヒットとなった[1]。2008年にはグラミーの殿堂入りを果たした[7]。Bill Dahlはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「プロデューサーのボブ・ケスターは、ステージにおけるウェルズの気迫を、鮮烈に捉えてみせた」「エレクトリック・シカゴ・ブルースの愛好家にとっては必聴である」と評している[1]

ヒップホップ・グループのアレステッド・ディベロップメントは、1992年の楽曲「Mama's Always on Stage」で、本作収録曲「We're Ready」のサンプリングを使用した[4]

収録曲

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特記なき楽曲はジュニア・ウェルズ作。

  1. "Snatch It Back and Hold It" - 2:53
  2. "Ships on the Ocean" - 4:08
  3. "Good Morning Schoolgirl" (John Lee Willaimson) - 3:53
  4. "Hound Dog" (Big Mama Thornton) - 2:10
  5. "In the Wee Hours" (Junior Wells, Buddy Guy) - 3:45
  6. "Hey Lawdy Mama" (Traditional) - 3:14
  7. "Hoodoo Man Blues" - 2:06
  8. "Early in the Morning" (Traditional) - 4:47
  9. "We're Ready" (J. Wells, B. Guy) - 3:40
  10. "You Don't Love Me, Baby" (Willie Cobbs) - 2:24
  11. "Chitlin Con Carne" (Kenny Burrell) - 2:13
  12. "Yonder Wall" (Traditional) - 4:07

2014年デラックス・エディション盤(Delmark 612)ボーナス・トラック

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  1. "Studio Chatter 1" - 0:11
  2. "I Ain't Stranded" (B. Guy) - 3:06
  3. "Studio Chatter 2" - 0:05
  4. "In the Wee Wee Hours, Alternate" - 4:30
  5. "Studio Chatter 3" - 0:09
  6. "Hoodoo Man Blues, Alternate" - 2:49
  7. "Studio Chatter 4" - 0:06
  8. "Chitlins Con Carne, Alternate" (K. Burrell) - 3:11
  9. "Studio Chatter 5" - 0:35
  10. "Yonder Wall, Alternate Take 7" (Traditional) - 2:07
  11. "Studio Chatter 6" - 1:00
  12. "Yonder Wall, Alternate Take 11" (Traditional) - 2:33
  13. "Studio Chatter 7" - 0:32
  14. "Yonder Wall, Alternate Take 13" (Traditional) - 2:11

参加ミュージシャン

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脚注

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  1. ^ a b c d e f Dahl, Bill. “Hoodoo Man Blues - Buddy Guy, Junior Wells, Junior Wells' Chicago Blues Band - Album”. AllMusic. 2024年12月15日閲覧。
  2. ^ a b c Bailey, Owen (2020年8月19日). “The Genius Of… Hoodoo Man Blues by Junior Wells' Chicago Blues Band”. Guitar.com. NME Networks. 2024年12月15日閲覧。
  3. ^ Hart, Bill. “Hoodoo Man Blues” (pdf). Library of Congress. 2024年12月15日閲覧。
  4. ^ a b c 1997年再発CD (PCD-5277)ライナーノーツ(小川豊光、1997年9月)
  5. ^ Yanow, Scott. “Midnight Blue - Kenny Burrell - Album”. AllMusic. 2024年12月15日閲覧。
  6. ^ O'Neal, Jim (2016年11月10日). “Hoodoo Man Blues - Junior Wells (Delmark, 1966)”. The Blues Foundation. 2024年12月15日閲覧。
  7. ^ GRAMMY Hall Of Fame - Hall of Fame Artists”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2024年12月15日閲覧。

外部リンク

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