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ブドウスカシバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブドウスカシバ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
上目 : Panorpida
: チョウ目 Lepidoptera
亜目 : Glossata
下目 : Heteroneura
上科 : スカシバガ上科 Sesioidea
: スカシバガ科 Sesiidae
亜科 : スカシバガ亜科 Sesiinae
: Nokona
: ブドウスカシバ
N. regalis
学名
Nokona regalis
(Butler, 1878)
和名
ブドウスカシバ

ブドウスカシバ(葡萄透翅、Nokona regalis)は、鱗翅目スカシバガ科。翅の開は30-35ミリ、体は黒と橙黄色帯がある。体型はハチに似ているため、ハチと間違われやすい。

生態

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年1回発生する。は6月頃に葉柄の基部に産まれ、2週間程で孵化する。幼虫は葉柄や新梢に侵入し、2~3回脱皮を繰り返しながら新梢やの基部へと移動する。この移動は8月下旬あたりに行われる。

基部へ移動して脱皮し、老齢幼虫になったのち、秋頃より越冬の準備に入る。幼虫は越冬場所の基部に紡錘形のこぶを作り、その中で翌年の初夏まで越冬する。越冬形態は幼虫・である。初夏の5~6月頃、成虫羽化する。

体型や体色がハチに似ており、ベイツ型擬態の一例だと考えられている。捕らえられると体を曲げてハチが針を刺すような動作をするが、実際には毒針を持っていない[1]

人間との関わり

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ブドウ園では、本種はブドウの主要害虫のため、見つけ次第捕殺される。ブドウ以外に、ノブドウエビヅルヤマブドウにも寄生するため、これらが付近にある場合、被害は深刻化する(これらのほうが寄生されやすい)。 幼虫は毒針を持っており触れるとかぶれることがある。

釣りでは、幼虫は『ブドウ虫(生餌)』として珍重されている。渓流釣りにおいて良い餌であり、イワナヤマメアマゴニジマスウグイを釣る際によく用いられる。

被害の様子

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幼虫の被害にあった新梢は紫赤褐色に変色し、先端部は萎えて枯れる。しかし、先端部以外は枯れず、副梢が盛んに出現する。たいてい被害部分からは虫糞が見られるが、部分や季節によっては、紡錘形のこぶが見られる。

果実には、斑点が現れ、観賞価値を著しく低下させる。

脚注

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  1. ^ 安富和男 (1995). へんな虫はすごい虫. 講談社ブルーバックス. p. 112. ISBN 4-06-257073-4