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ブリアンヌ・タイゼン=イートン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブリアンヌ・タイゼン=イートン
Brianne Theisen-Eaton
Portal:陸上競技
2014年撮影
選手情報
カナダの旗 カナダ
国籍 カナダの旗 カナダ
競技 陸上競技
種目 七種競技五種競技
生年月日 (1988-12-18) 1988年12月18日(35歳)
生誕地 カナダの旗 カナダサスカチュワン州フンボルト英語版[1]
居住地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン
身長 1.75 m (5 ft 9 in)
体重 64 kg (141 lb)
自己ベスト 七種競技:6808点(カナダ記録2015年)[2]
五種競技:4881点(北中米記録、2016年)[2]
獲得メダル
オリンピック
2016 リオデジャネイロ 七種競技
世界選手権
2013 モスクワ 七種競技
2015 北京 七種競技
世界室内選手権
2016 ポートランド 五種競技
2014 ソポト 五種競技
パンアメリカン競技大会
2015 トロント 400m×4 リレー
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ブリアンヌ・タイゼン=イートン(Brianne Theisen-Eaton、1988年12月18日 - )は、カナダ陸上競技選手。七種競技および五種競技を専門とする。

サスカチュワン州フンボルト英語版出身[3]ロンドンオリンピックカナダ代表選手で、五種競技のカナダ記録4768点を保持する。2013年世界選手権[3]2014年世界室内選手権銀メダルを獲得した。世界選手権七種競技で初めて表彰台に上った選手である[3]

夫は十種競技の世界記録保持者のアシュトン・イートンで、同じオレゴン大学に在学中に知り合い、2013年7月に結婚した[4]

2006年、カナダジュニア選手権で優勝し、翌2007年にはパンアメリカンジュニア選手権英語版金メダルを獲得した。オレゴン大学入学後は数々の学内記録を樹立し、NCAA大会では2009年と2010年の2年連続で勝利した。NCAAの室内選手権でも2度優勝し、2011年には五種競技の学生新記録を打ち立てた。

経歴

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高校まで

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サスカチュワン州フンボルトで育ち、フンボルト高校(Humboldt Collegiate Institute)で学んだ。高校では陸上競技以外にもバレーボールミドルブロッカー)やサッカーフォワード)をプレーしていた[5]。ブリアンヌは混成競技を専門とすることを決め、カナダ代表として2005年世界ユース陸上競技選手権大会に出場し、17位で競技を終えた[6]2006年にはカナダジュニア選手権七種競技で優勝、中国北京で開かれた2006年世界ジュニア陸上競技選手権大会に出場した[2]。高校3年生で迎えた2007年パンアメリカンジュニア陸上競技選手権大会英語版で金メダルを獲得する[7]

大学時代

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2007年後半からスポーツ奨学金を受給し、オレゴン大学に進学して経営学を専攻し始めた。初年にパシフィック10カンファレンスで準優勝し、NCAA選手権英語版で4位に入賞した。翌2008年NCAA室内選手権英語版五種競技で3位入賞で幕を開けた。屋外では七種競技の世界レベルの選手として頭角を現した。パシフィック10カンファレンスで優勝、NCAAでも6086点の自己新記録で優勝、更に七種競技のカナダタイトルを取った[5]。この活躍によりカナダチームに注目され、2009年世界陸上競技選手権大会代表の座を得て、初めてのシニアの国際大会へ出場した。七種競技では唯一のカナダ代表選手で15位に入った[8]

ブリアンヌは翌年更に強い選手となり、2010年のNCAA室内選手権で4396点を獲得して五種競技で初優勝、パシフィック10カンファレンスでも七種競技で勝利を収めた[5]。NCAA選手権では6094点に自己ベストを更新して再び優勝した[9]。これらの活躍により、ブリアンヌは2010年の世界20傑にランクインした[10]。同年のNCAA選手権では4×400mリレーのオレゴン大学代表チームとしても出場し、同チームの優勝に貢献した[5]。またテキサスリレーズ英語版ではオレゴン大学が混成競技(七種・十種)で男女とも優勝したが、女子七種はブリアンヌが、男子十種はアシュトン・イートンが勝利した[11]。後にアシュトンとブリアンヌは婚約し、2013年7月に結婚した[12][13]

2011年、NCAA室内選手権で2度目の優勝を果たし、4540点をマークしてジャッキー・ジョンソン英語版が保持していた学生記録を更新した[14]。しかしその後怪我をしてしまったため10か月間大会へ出場することができなかった。2012年1月のテキサスA&Mチャレンジで試合に復帰、五種競技で4555点をマークして優勝した。これは学生記録かつジル・ロス=グリフィン英語版が保持していたカナダ記録を更新し、競技中に砲丸投(12m87)と走高跳(1m88)の自己ベストを記録した[15]。2か月後には4536点をマークしてNCAA室内選手権で3度目の優勝を果たし、競技中に60mH(8秒25)の自己ベストを記録した[16]。NCAA選手権七種競技でも6440点をマークして3度目の優勝を飾り、競技中、100mH、砲丸投、走幅跳やり投の4種目で自己ベストを出した[17]

プロとして

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ロンドンオリンピック七種競技の800mで競技するブリアンヌ(右から2人目)

ブリアンヌはカナダ選手権で2位に入り、ロンドンオリンピックでは11位で競技を終えた[18]。2013年のハイポミーティングでは6376点でタチアナ・チェルノワを圧倒して優勝、この大会では男子十種競技でダミアン・ワーナー英語版が勝利し、男女ともカナダ勢が混成競技で優勝するという稀な結果を残した[19]2013年世界選手権七種競技ではチェルノワとジェシカ・エニス=ヒルという2人の強力な選手が怪我で欠場するという状況であった。ブリアンヌは6530点の自己新記録をマークしたにもかかわらず銀メダルとなり、56点差でハンナ・メルニチェンコが優勝した[20]。世界選手権はハイポミーティング以来の男女そろってメダル獲得となったが、イートン夫妻による混成競技の金メダル独占は惜しくもならなかった[20]。メダル獲得後のインタビューで、ブリアンヌは「私は110%の力を出して銀メダルを獲得し満足している。アシュトンと私は2人でこの表彰台に立つことを話してきた。ここ数年、アシュトンが勝つのを見てきた間、私は実際こんな気持ちになるだろうなとばかり想像してきた。」と語った[20]。このシーズンはフランスで開かれたデカスター英語版で3位入賞という成績で締めくくった[21]

ポーランドで開かれた2014年世界室内選手権五種競技に出場、4768点をマークして、自身の持つカナダ記録を更新した[22]

主な成績

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大会 会場 結果 補足
2005 世界ユース選手権 モロッコの旗 モロッコ マラケシュ 17位 七種競技
2006 世界ジュニア選手権 中華人民共和国の旗 中国 北京 17位 七種競技
2009 世界選手権 ドイツの旗 ドイツ ベルリン 15位 七種競技
2012 オリンピック イギリスの旗 イギリス ロンドン 11位 七種競技
2013 世界選手権 ロシアの旗 ロシア モスクワ 2位 七種競技
2014 世界室内選手権 ポーランドの旗 ポーランド ソポト 2位 五種競技
2015 世界選手権 中華人民共和国の旗 中国 北京 2位 七種競技
2016 オリンピック ブラジルの旗 ブラジル リオデジャネイロ 3位 七種競技

学生タイトル

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  • NCAA室内選手権 - 五種競技(2010年、2011年、2012年)
  • NCAA選手権 - 七種競技(2009年、2010年、2012年)、4×400 mR(2010年)

脚注

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  1. ^ Athletics Canada profile”. Athletics Canada. 2012年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月2日閲覧。
  2. ^ a b c Theisen, Brianne”. IAAF. 2015年1月21日閲覧。
  3. ^ a b c “Brianne Theisen-Eaton makes Canadian heptathlon history”. CBC Sports (CBC). (2013年8月14日). オリジナルの2014年3月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140317014212/http://www.cbc.ca/sports/trackandfield/brianne-theisen-eaton-makes-canadian-heptathlon-history-1.1317382 2014年3月21日閲覧。 
  4. ^ “Star athletes Brianne Theisen and Ashton Eaton are track's super couple”. CBC Sports (CBC). (2013年7月12日). オリジナルの2013年9月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130914222603/http://www.cbc.ca/news/canada/saskatchewan/star-athletes-brianne-theisen-and-ashton-eaton-are-track-s-super-couple-1.1368503 2014年3月21日閲覧。 
  5. ^ a b c d Brianne Theisen”. Oregon Ducks. 2013年6月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月21日閲覧。
  6. ^ World Youth Championships 2005”. World Junior Athletics History (WJAH). 2013年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月21日閲覧。
  7. ^ Pan American Junior Championships 2007”. WJAH. 2013年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月21日閲覧。
  8. ^ 2009 World Championships Heptathlon Results”. IAAF. 2014年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月21日閲覧。
  9. ^ Dunaway, James (2010年6月13日). “Impressive doubles highlight NCAA championships”. IAAF. 2012年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  10. ^ Rorick, Jim (2011年1月6日). “2010 World Comprehensive List - Women”. Track and Field News. 2011年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  11. ^ Dunaway, James (2010年4月4日). “Okagbare impresses with Long Jump/100m double at Texas Relays”. IAAF. 2011年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  12. ^ Gene Cherry (2012年6月28日). “American Ashton Eaton ready to chase decathlon record”. Thomson Reuters. NBC. 2012年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  13. ^ Asthon Eatons Girlfriend: Pics of Decathletes Olympic Fiance Brianne Theisen”. 2012年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  14. ^ Dunaway, James (2011年3月12日). “Theisen sets collegiate Pentathlon record - NCAA Indoors, Day 1”. IAAF. 2011年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  15. ^ Oh Canada! Theisen Breaks 30 Year-Old Pentathlon Mark”. Go Ducks (2012年1月27日). 2011年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  16. ^ Dunaway, James (2012年3月12日). “Florida and Oregon on top - NCAA Indoors”. IAAF. 2012年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  17. ^ Dunaway, James (2012年6月10日). “Excellent sprinting at NCAA champs in Des Moines”. IAAF. 2012年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  18. ^ Brianne Theisen”. London2012. 2013年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  19. ^ Sampaolo, Diego (2013年5月26日). “Canada's Warner and Theisen triumph in Gotzis - IAAF Combined Events Challenge”. IAAF. 2013年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。
  20. ^ a b c “Canadian Brianne Theisen-Eaton wins heptathlon silver”. CBC Sports (CBC). (2013年8月13日). オリジナルの2013年10月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131010121106/http://www.cbc.ca/sports/trackandfield/canadian-brianne-theisen-eaton-wins-heptathlon-silver-1.1317384 
  21. ^ van Kuijen, Hans (2013年9月15日). “Warner and Melnychenko win in Talence – IAAF Combined Events Challenge”. IAAF. 2013年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月23日閲覧。
  22. ^ Brianne Theisen-Eaton wins silver in pentathlon at world indoor track championships”. Toronto Star (2014年3月7日). 2014年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月23日閲覧。

外部リンク

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