コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ブルネイ駐留イギリス軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルネイ駐留イギリス軍
所属政体 イギリスの旗 イギリス
所属組織  イギリス陸軍
イギリス空軍
所在地 ブルネイセリア
通称号/略称 BFB
テンプレートを表示

ブルネイ駐留イギリス軍(ブルネイちゅうりゅうイギリスぐん、英語: British Forces Brunei、略称:BFB)は、ブルネイに駐留するイギリス軍。ブルネイは、1997年の中華人民共和国への香港返還後、極東におけるイギリス軍の拠点の一つとなっている。

歴史

[編集]

1962年12月8日、イギリス保護領英語版であったブルネイにおいて、スルタン制マラヤ連邦への参加に反対するブルネイ人民党英語版による反乱英語版が発生、鎮圧のためシンガポールからイギリス陸軍部隊が派遣され、移駐した[1]

1971年11月23日にブルネイとイギリスが調印した協定の中で、ブルネイの外交と防衛をイギリスが担うことが明記され[2]グルカ兵を中心としたイギリス軍部隊がブルネイに配備された。

1984年にイギリスから独立後も協定は5年ごとに更新され、イギリス軍は引き続き駐留しており、ブルネイは駐留に係る経費を負担している[3][4]

編制

[編集]

ブルネイ駐留イギリス軍は、ブルネイ西部のセリアにあるメディシナ宿営地とテューカー宿営地および中部のプカン・ツトンにあるシッタンキャンプに駐留しており、ロイヤル・グルカ・ライフルズ英語版の2個大隊のうち1個大隊が3年のローテーションで配備されている[5][6]。この大隊は極東地域におけるイギリス陸軍の即応予備部隊として運用され、極東地域以外への海外展開も可能となっており、1999年の東ティモール紛争における東ティモール国際軍[7]アフガニスタン紛争中のヘリック作戦英語版などに参加している[8]

また、ジャングル戦に特化したイギリス陸軍の主要演習場の一つである、ジャングル戦闘訓練学校も所在しており、ジャングル戦における基礎的な野戦技術から高等技術の習得まで提供している[9]

航空部隊として、ベル212AH1を運用する、陸軍航空隊第667飛行隊英語版が配備されていたが[10]、2022年にピューマHC Mk.2を運用する、イギリス空軍第1563飛行班英語版と交代し[11]、2023年5月18日に第1563飛行班が解隊して第230飛行隊英語版が新たに配備されている[12]

  • ブルネイ駐留軍司令部(セリア:テューカー宿営地)
    • ロイヤル・グルカ・ライフルズ第1大隊(セリア:テューカー宿営地)[13]
    • イギリス空軍第230飛行隊(セリア:メディシナ宿営地) - ピューマHC Mk.2[12]
    • ジャングル戦闘訓練学校(セリア:メディシナ宿営地)[9]

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ Pocock, p. 131–132.
  2. ^ Ministry of Education, Brunei (2008). “The Nation Building Years 150–1984”. History for Brunei Darussalam. EBP Pan Pacific. p. 101. ISBN 978-9991725451 
  3. ^ Bowie, Nile (2018年3月18日). “China throws sinking Brunei a lifeline” (英語). Asia Times Online. https://asiatimes.com/article/china-throws-sinking-brunei-lifeline/. "The sultan, the world's second-longest reigning monarch, also directly finances Britain's military presence and entrusts a Gurkha unit retired from the British army with his personal security." 
  4. ^ “Brunei a throwback to an age of absolute monarchy” (英語). The Telegraph. (2013年10月27日). https://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/brunei/10407476/Brunei-a-throwback-to-an-age-of-absolute-monarchy.html 2023年11月19日閲覧。 
  5. ^ His Majesty the Sultan of Brunei says farewell to 2 RGR” (英語). The Gurkha Brigade Association (2022年6月14日). 2023年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月20日閲覧。
  6. ^ The Royal Gurkha Rifles” (英語). gurkhabde.com. Gurkha Brigade Association (22 February 2020). 2023年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月20日閲覧。
  7. ^ “Gurkhas Join Australians on E. Timor Force” (英語). Los Angeles Times. (1999年9月17日). https://www.latimes.com/archives/la-xpm-1999-sep-17-mn-11261-story.html 2023年11月19日閲覧。 
  8. ^ Operation Herrick: Campaign study” (英語). Ministry of Defence. 2023年11月19日閲覧。
  9. ^ a b Deployments Brunei” (英語). British Army. 2023年11月19日閲覧。
  10. ^ New designation for Army Air Corps jungle support unit” (英語). Key.Aero. Key Publishing (2021年9月9日). 2021年9月9日閲覧。
  11. ^ RAF Benson” (英語). Facebook (2022年10月12日). 2022年10月16日閲覧。; Perry, Dominic (2022年1月25日). “RAF Pumas to replace Bell helicopters in Brunei and Cyprus” (英語). Flight Global. 2022年10月16日閲覧。
  12. ^ a b Last week, on the 18th May, 230 Squadron officially re-mustered in Brunei marking its return to South East Asia.” (英語). RAF Benson (Facebook) (2023年5月24日). 2023年6月3日閲覧。
  13. ^ THE ROYAL GURKHA RIFLES” (英語). British Army. 2023年11月19日閲覧。

参考文献

[編集]
  • Pocock, Tom (1973). Fighting General – The Public and Private Campaigns of General Sir Walter Walker (First ed.). London: Collins. ISBN 978-0-00-211295-6 

外部リンク

[編集]