ブルー&ロンサム
『ブルー&ロンサム』 | ||||
---|---|---|---|---|
ローリング・ストーンズ の カバー・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
2015年12月 ブリティッシュ・グローヴ・スタジオ(ロンドン) | |||
ジャンル | ブルース・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ポリドール・レコード | |||
プロデュース |
ドン・ウォズ グリマー・ツインズ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ゴールドディスク | ||||
| ||||
ローリング・ストーンズ アルバム 年表 | ||||
|
『ブルー&ロンサム』(Blue & Lonesome)は、2016年に発表されたローリング・ストーンズのスタジオ・アルバム。プロデュースはドン・ウォズおよびグリマー・ツインズ。全英1位[1]、全米4位[2]を記録。
解説
[編集]前作『ア・ビガー・バン』(2005年)から11年ぶりとなる新作アルバムは、キャリア54年目にしてグループ初のカバーアルバムとなった。収録曲は彼らのルーツである古典的なブルースで占められている。録音は2015年12月にわずか3日間という短期間で実施された[3]。外部ミュージシャンの参加も少なく、レギュラー・メンバーであるダリル・ジョーンズやチャック・リーヴェルの他に3名のゲストしか参加していない。ゲストの一人であるエリック・クラプトンがストーンズのスタジオ作品に参加するのは1970年以来46年ぶり。ミック・ジャガーがハーモニカ以外の楽器を全く演奏していないのは1986年の『ダーティ・ワーク』以来、またキース・リチャーズがリード・ボーカルをとった曲が1曲もないのは1974年の『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』以来のことである。本作はオーバー・ダビングもほとんど行われておらず、正に原点回帰となった作品である[3]。本作はデジパック仕様の通常版に加え、72ページに及ぶアルバムメイキングを解説したブックレットとポストカードが付いたデラックス・エディションも発売された。LP盤は2枚組で発売されている。ストーンズのスタジオ・アルバムで、グループのロゴである舌のマークが表ジャケットの意匠に使用されたのはこれが初めてである(コンピレーション・アルバムなどには何度も使用されている)。
本作は当初からカバー・アルバムとして制作されていたわけではなく、偶然な流れでこのようになったという。メンバーによれば、当初は新曲を録音していたが、飽きてきたので気分転換にブルースを演奏してみたところ、全員が夢中になったという[4]。偶然隣のスタジオに滞在していたクラプトンは、挨拶のため訪れたストーンズのスタジオでセッションに参加することが決まった[5]。尚、中断されたままの曲の制作について、プロデューサーのドン・ウォズは「これで終わりなんてことは全くない」と語り、オリジナルアルバムも完成させることを示唆した[6]。
評価
[編集]イギリスでは初登場で1位となり[1]、プラチナ・ディスクも獲得した[7]。グループのアルバムが英国で1位となるのは2010年の『メイン・ストリートのならず者』デラックス・エディション以来6年ぶり、新作アルバムでは1994年の『ヴードゥー・ラウンジ』以来22年ぶり。その他、スイス、ドイツ、オーストリア、オランダ、ベルギー、スウェーデン、ノルウェー、オーストラリアにおいても、それぞれ1位を獲得している[8]。日本でも3位に付け、これでストーンズは日本において1970年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代と5つの世代でトップ10入りする記録を達成した(洋楽部門では5組目)[9]。アメリカでは4位が最高位である。
各プレスからの評価も、デイリー・テレグラフでは5/5[10]、オールミュージックおよびローリング・ストーンで4.5/5[11]、ニュー・ミュージカル・エクスプレスでは4/5[12]と、おおむね高評価を受けた。Metacriticによるスコアは100点満点中82点[13]。
収録曲
[編集]- ジャスト・ユア・フール - Just Your Fool (Buddy Johnson) 2:16
- コミット・ア・クライム - Commit a Crime (Howlin' Wolf) 3:38
- ブルー・アンド・ロンサム - Blue and Lonesome (Little Walter) 3:07
- オール・オブ・ユア・ラヴ - All of Your Love (Magic Sam) 4:46
- アイ・ガッタ・ゴー - I Gotta Go (Little Walter) 3:26
- エヴリバディ・ノウズ・アバウト・マイ・グッド・シング - Everybody Knows About My Good Thing (Miles Grayson, Lermon Horton) 4:30
- ライド・エム・オン・ダウン - Ride 'Em on Down (Eddie Taylor) 2:48
- ヘイト・トゥ・シー・ユー・ゴー - Hate to See You Go (Little Walter) 3:20
- フー・ドゥー・ブルース - Hoo Doo Blues (Otis Hicks, Jerry West) 2:36
- リトル・レイン - Little Rain (Ewart G.Abner Jr., Jimmy Reed) 3:32
- ジャスト・ライク・アイ・トリート・ユー - Just Like I Treat You (Willie Dixon) 3:24
- アイ・キャント・クイット・ユー・ベイビー - I Can't Quit You Baby (Willie Dixon) 5:13
パーソナル
[編集]※CD記載のクレジットに準拠
ローリング・ストーンズ
ゲスト・ミュージシャン
- ダリル・ジョーンズ - ベース
- チャック・リーヴェル - キーボード
- マット・クリッフォード - キーボード
- エリック・クラプトン - エレキギター(#6、#12)
- ジム・ケルトナー - パーカッション(#9)
スタッフ
- ドン・ウォズ、グリマー・ツインズ - プロデューサー
- クリッシュ・シャーマ - エンジニア、ミキサー
- アンディ・クック、ジェイソン・エリオット、デリック・ストックウェル - アシスタント・エンジニア
- スティーブン・マーカソン - マスタリング
- ドン・マッコーリー - ドラム・テクニシャン
- ピエール・ド・ボーポール - クルー・チーフ
- リチャード・ヘイヴァーズ - ライナー・ノーツ
脚注
[編集]- ^ a b The Rolling Stones | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ The Rolling Stones - Chart history | Billboard
- ^ a b “11年振りニュー・アルバム『ブルー&ロンサム』12月2日発売決定! - UNIVERSAL MUSIC JAPAN”. 2017年8月22日閲覧。
- ^ “ローリング・ストーンズ、11年ぶりアルバム秘話明かす”. 2017年8月22日閲覧。
- ^ “ローリング・ストーンズとクラプトン、“たまたま”居合わせコラボ。”. 2017年8月22日閲覧。
- ^ “ローリング・ストーンズ『Blue and Lonesome』 プロデューサーが語る「壁にぶち当たった」制作経緯 - ロックの歴史を追いかける”. 2017年8月22日閲覧。
- ^ Certified Awards
- ^ australian-charts.com - The Rolling Stones - Blue & Lonesome
- ^ “【オリコン】ローリング・ストーンズ、22年半ぶりTOP3”. 2017年8月22日閲覧。
- ^ “Blue & Lonesome is the album any Rolling Stones fan would have wished for – review” (英語). 2017年8月22日閲覧。
- ^ “Review: The Rolling Stones, 'Blue and Lonesome' - Rolling Stone” (英語). 2017年8月22日閲覧。
- ^ “Rolling Stones - 'Blue & Lonesome' Review - NME” (英語). 2017年8月22日閲覧。
- ^ Critic Reviews for Blue and Lonesome - Metacritic
外部リンク
[編集]