ブレストラン
ブレストラン (breastaurant) は、女性のウェイトレスが露出度の高い服装をしているレストラン[1]。この用語は、1990年代初頭にレストランチェーンのフーターズがアメリカ合衆国で開店した後に遡る[2]。その後、この様式はレッドネック・ヘブン、ティルテッドキルト・パブ&イータリー、ツイン・ピークス、ボムシェルズ、ボーン・ダディズ、オホス・ロコス、ビキニーズ・スポーツバー&グリル、カーズ・ウィングハウス・バー&グリルを含む他のレストランでも採用されている[3][4]。
これらのレストランは、性的なダブル・ミーニングのブランド名を使用することが多く、装飾とメニューの両方で決まったテーマを持っている場合もある。レストランでは、酒やコケットリーな接客係などのサービスを顧客に提供する場合がある[5]。
歴史
[編集]フーターズは、1983年から運営されている最初のブレストランとして認知されている。他の企業は、すぐにこの様式を採用した[6]。飲食業の調査会社テクノミックによると、フーターズ後のアメリカの上位3つのブレストランチェーンの2011年の売上高はそれぞれ30%以上増加した[7]。
2012年10月、ビキニーズ・スポーツバー&グリルは、「ブレストラン」という用語を米国特許商標庁に商標登録した。ただし、2019年5月24日の時点で、「継続使用申請がされていない」ため失効した[8]。ビキニーズ・スポーツバー&グリルは2018年12月23日に最後の店舗を閉店した[9]。
日本においてフーターズを展開していたエッチジェーは、2019年3月に民事再生法適用を申請し、同年6月にファン・ダイニングに譲渡した[10]。2020年8月21日には日本1号店だった赤坂店を閉店し、銀座店が日本唯一の店舗となった[10]。
飲食店経営者兼ブロガーの麦とホップは、日本のニュースサイト「M&A Online」に寄せた2019年3月のコラムの中で、日本ではフーターズのような開放的なブレストランよりも、スナックやキャバクラ、メイドカフェなどといった閉鎖的な形態が好まれたのが、民事再生法を適用せざるを得なくなった一因だと推測している[11]。
男性版
[編集]同じように男性ウェイターの外観に焦点をあてたレストランには、2015年5月にテキサス州ダラスで開店して2016年8月に閉店した、薄着の男性をフィーチャーしたタリーワッカーズが含まれる[12][13]。日本には、マッチョカフェ[14][15]やマッチョ・ミート・ショップ[16]など、筋肉質の男性が食べ物や飲み物を提供する施設がある。
批判
[編集]ブレストランは女性を性的対象化していると批判を受けている[17]。
出典
[編集]- ^ “「ブレストラン」がテキサス州の町を購入、「ビキニーズ」と改名”. AFPBB News (クリエイティヴ・リンク). (2012年7月23日) 2022年5月2日閲覧。
- ^ Mikin, Mark (2011年6月27日). “Hostess of the Week, 'Breastaurant' Edition”. 2012年6月28日閲覧。
- ^ The Week's Editorial Staff (2012年6月26日). “The 'breastaurant' boom: Why Hooters knockoffs are thriving”. 2012年6月28日閲覧。
- ^ “Breastaurant Boom: Hooters-style eateries experience a mini-boom”. Fox News (March 25, 2015). 2022年5月1日閲覧。
- ^ Doctorow, Cory (2011年6月8日). “"Breastaurants" are Hooters 2.0”. 2012年6月28日閲覧。
- ^ “'Breastaurants' with 'view' booming in struggling US dining industry”. The Indian Express (June 27, 2012). June 27, 2019閲覧。
- ^ Yglesias, Matthew (June 25, 2012). “The "Breastaurant" Business Is Booming (Sort of)”. Slate March 6, 2022閲覧。
- ^ “Breastaurant Trademark Information”. Trademarkia. June 27, 2019閲覧。
- ^ Dinges, Gary (December 13, 2018). “'Breastaurant' chain Bikini's shuttering last remaining location, rolling out new concept”. Austin American-Statesman. June 27, 2019閲覧。
- ^ a b “「HOOTERS」日本初上陸、赤坂店が閉店”. ITmedia ビジネスオンライン (2020年8月15日). 2022年5月1日閲覧。
- ^ “「HOOTERS(フーターズ)」が倒産、客数は想定の半分?(2ページ目)”. M&A Online (ストライク). (2019年3月29日) 2022年5月2日閲覧。
- ^ “Tallywackers, Dallas' male Hooters, has closed | GuideLive” (英語). GuideLive. (2016年8月10日) 2017年5月13日閲覧。
- ^ Peter Holley (2 June 2015). “There's finally a Hooters-style restaurant featuring men. It's called Tallywackers.”. Washington Post. 2022年5月1日閲覧。
- ^ イベニア (2015年4月11日). “「いらっしゃいマッチョ!」 『マッチョカフェ』で"肉の壁"に酔いしれてきた【写真満載】”. ヤバチケ. ぴあ. 2022年5月1日閲覧。
- ^ Brian Ashcraft. “Japan's Macho Cafe Is Like Hooters in Reverse”. Kotaku. Gawker Media. 2022年5月1日閲覧。
- ^ Brian Ashcraft. “Japan's Macho Restaurant Serves Up Real Beefcakes”. Kotaku. Gawker Media. 2022年5月1日閲覧。
- ^ Nast, Condé (2018年6月19日). “Is There a Place for Hooters in 2018?” (英語). GQ. 2022年5月2日閲覧。