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プロピベリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プロピベリン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
薬物動態データ
半減期20.1 h
識別
CAS番号
54556-98-8 チェック (HCl)
60569-19-9 チェック
ATCコード G04BD06 (WHO)
PubChem CID: 4942
ChemSpider 4773 ×
UNII DC4GZD10H3 チェック (HCl)
化学的データ
化学式C23H29NO3
分子量367.49 g·mol−1
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プロピベリン[1](Propiverine)は、過活動膀胱症候群の症状である尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁の治療に用いられる抗コリン薬である[2]

2021年11月には女性向けの尿意切迫感改善薬として一般向けにスイッチOTC化され、薬剤師が常駐する薬局での購入が可能となった(ただし、要指導医薬品に区分されているため、購入時に対面での指導が必要)[3]

効能・効果

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  • 医療用
    • 下記疾患または状態における頻尿尿失禁 神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)
    • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁
  • 一般用
    • 尿意切迫感(急に尿がしたいとの我慢しがたい訴え)、尿意切迫感を伴う頻尿(尿の回数が多い)・尿もれ

禁忌

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プロピベリンは下記の患者には禁忌である[4]

  • 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者
  • 胃アトニー又は腸アトニーのある患者
  • 尿閉を有する患者
  • 閉塞隅角緑内障の患者
  • 重症筋無力症の患者
  • 重篤な心疾患の患者

また、一般用では医療用で記載されている該当患者に加え、

も禁忌(服用しないこと)の項目に記されている[5]

副作用

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重大な副作用として[4]

  • 急性緑内障発作:眼圧亢進、嘔気・頭痛を伴う眼痛、視力低下等
  • 尿閉(0.62%)
  • 麻痺性イレウス:著しい便秘、腹部膨満等
  • 幻覚・譫妄(0.25%)
  • 腎機能障害:BUN、血中クレアチニンの上昇
  • 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等
  • 血小板減少(0.12%)
  • 皮膚粘膜眼症候群:発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等
  • QT延長(0.25%)、心室性頻拍:QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等
  • 肝機能障害(1.0%)、黄疸:AST、ALT、γ-GTPの上昇等

が挙げられている。

その他、12.8%の患者に口渇を生じる[4]

これら副作用については、一般用の添付文書にも具体的な症状と共に記載されている[5]

参考資料

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  1. ^ KEGG DRUG: プロピベリン塩酸塩”. www.kegg.jp. 2021年9月4日閲覧。
  2. ^ BNF 61. London: British Medical Journal Group and Pharmaceutical Press. (March 2011). p. 511. ISBN 978-0-85369-962-0 
  3. ^ 尿意切迫感を改善する日本初のOTC医薬品バップフォーレディを発売開始』(プレスリリース)大鵬薬品工業株式会社、2021年11月24日https://www.taiho.co.jp/release/2021/20211124.html2021年12月3日閲覧 
  4. ^ a b c バップフォー錠10/バップフォー錠20/バップフォー細粒2% 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2021年9月4日閲覧。
  5. ^ a b バップフォーレディ 添付文書” (PDF). 大鵬薬品工業株式会社. 2021年12月3日閲覧。