ベルギー人
Belgen, Belges, Belgier | ||||||||||
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総人口 | ||||||||||
11,198,638人 [1] (2014年調査) | ||||||||||
居住地域 | ||||||||||
ベルギー、アメリカ合衆国、カナダ、フランス、オランダ、コンゴ民主共和国、ドイツなど | ||||||||||
言語 | ||||||||||
オランダ語、フランス語、ドイツ語など | ||||||||||
宗教 | ||||||||||
主にキリスト教(カトリック教会) |
ベルギー人(オランダ語:Belgen 、フランス語:Belges、ドイツ語:Belgier、英語:Belgians)は、主に西ヨーロッパに位置するベルギー王国の国民を指す語である。
語源
[編集]「ベルギー人」という言葉は比較的新しい。
1830年革命の影響を受けて臨時政府の下で独立国家が成立し、国民会議が設立される動きに繋がった(ベルギー独立革命)[2][3]。「ベルギー」という国名は紀元前1世紀の古代ローマによる侵略前、ベルガエ(のちのガリア属州最北端のガリア・ベルギカ)に居住していたゲルマン人とケルト人の混血の部族の呼称より由来する[4][5]。
1789年に勃発したブラバント革命により、ベルギー合衆国が成立したが、この時点ではまだ形容詞に相当する「Belgian」という語は存在しておらず、フランス語の名詞「Belgique」または「Belgium」が使用されていた[6]。
文化
[編集]ベルギー料理は近隣の料理の影響を受けながら独自の料理を発展させてきた。時々、ベルギー料理はドイツ料理のように量が多いだけで無く、フランス料理のような質の高い料理を提供していると言われる[7][8]。また、年間に平均して84ℓも飲むビール好きの国民性で知られ、ベルギービールが世界で最高のビールだとする主張も存在する[9]。
ベルギーの漫画(バンド・デシネも参照)はベルギーが20世紀に世界的かつ永続的に影響を与えてきた数少ない芸術の一つであり、「ベルギー文化の不可欠な部分」として認知されている。世界屈指の漫画大国として知られ、『タンタンの冒険』、『スマーフ』など数多くの名作が生み出されてきた[10]。
言語
[編集]ベルギーでは1984年に出生地主義の原則が確立されており、単一民族国家では無い[11]。
ブリュッセルは地理的にも言語的にも飛び地となっている。1830年の独立時にはオランダ語の話者が過半数を占めていたが、その後にフランス人が多く移り住んだために現在ではフランス語の話者が圧倒的多数派の街となっている(ブリュッセルのフランス語化現象)[12]。
ベルギーの人口の約60%を占めるオランダ語話者のフラマン人は言語や習慣の違いで明確に区別できる集団を形成している[13]。一般的にはフラマン人は特に国レベルで自身をオランダ人であると称することは稀であるし、その逆も然りである[14]。
フランス語話者のワロン人は主にワロン地域に居住している。ワロン人はベルギー国内でも独特のコミュニティを形成している[15]。ワロン人の言語、宗教、伝統、民間伝承などはフランス人のそれの強い影響を受けている[15]。
77,000人と9市町村を抱えるドイツ語話者のドイツ語共同体も第3の合法的なコミュニティとして承認を受けている[16]。
宗教
[編集]ユーロバロメーターの2012年の調査によると、ベルギー人の約58%がカトリック教徒、それ以外のクリスチャンは7%、ムスリムは5%、無宗教が27%という結果であった[17]。ブリュッセルを中心に近年は急速な世俗化が進行している。ブリュッセルでは1967年に82%の子供が洗礼を受けていたが、2009年にはその割合は4分の1以下にまで低下している[18]。
1830年以降の著名なベルギー人
[編集]-
A・ヴァン・ダイク バロックの画家
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E・アザール サッカー選手
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J・フェルトンゲン サッカー選手
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J・エナン
グランドスラム7勝の女子プロテニス選手 -
K・デ・ブライネ サッカー選手
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K・クライシュテルス
グランドスラム4勝の女子プロテニス選手 -
P・パウル・ルーベンス バロックの画家
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T・アルデルヴェイレルト サッカー選手
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A・ノートン 小説家
脚注
[編集]- ^ “Belgium Political Educational Map from Academia Maps” (英語). Worldmapsonline.com. 2014年12月14日閲覧。
- ^ Karel Dobbelaere、Liliane Voyé. “From Pillar to Postmodernity: The Changing Situation of Religion in Belgium” (PDF) (英語). Oxford University Press. 2014年12月14日閲覧。
- ^ Brison D. Gooch(1963年) p.112
- ^ Constanze Maria Witt (1997年5月). “Ethnic and Cultural Identity” (英語). Virginia.edu. 2014年12月14日閲覧。
- ^ Matthew Bunson(2002) p.169
- ^ “un peu d'histoire: la révolution belgique” (フランス語). Canaris1790.be. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “Food and Drink in Belgium” (英語). Gapyear.com. 2014年12月14日閲覧。
- ^ Michael Jackson(1998)
- ^ Leuven and Westvleteren (2011年12月17日). “Brewed force” (英語). Economist.com. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “BENELUX travel guide Belgium Culture” (英語). Beneluxguide.com. 2014年12月14日閲覧。
- ^ Milica Petrovic (2012年11月15日). “Belgium: A Country of Permanent Immigration” (英語). 2014年12月14日閲覧。
- ^ David Levinson(1998年) p.14
- ^ Christoph Pan(2003年) p.20
- ^ S. Couwenberg(2006年) p.162
- ^ a b David Levinson(1998年) p.13
- ^ “The German-speaking Community” (英語). DGlive.be. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “Discrimination in the European Union in 2012” (PDF) (英語). Europa.eu. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “Met uitsterven bedreigd: de Brusselse kerkganger” (オランダ語). Brusselnieuws.be (2010年11月30日). 2014年12月14日閲覧。
参考文献
[編集]- Brison D. Gooch (1963年) (英語). Belgium and the February Revolution. Springer. ISBN 978-9401500135
- Matthew Bunson (2002年) (英語). Encyclopedia of the Roman Empire. Facts on File. ISBN 978-0816045624
- Michael Jackson (1998年) (英語). Michael Jackson's Great Beers of Belgium. Philadelphia : Running Press. ISBN 978-0762404032
- David Levinson (1998年) (英語). Ethnic Groups Worldwide: A Ready Reference Handbook. Greenwood. ISBN 978-1573560191
- Christoph Pan、Beate Sibylle Pfeil (2003年) (英語). National Minorities in Europe: Handbook, 第1巻. Braumüller. ISBN 978-3700314431
- S. Couwenberg (2006年) (オランダ語). Nederlandse En Vlaamse Identiteit. Civis Mundi. ISBN 978-9055736881
- David Levinson (1998年) (英語). Ethnic Groups Worldwide: A Ready Reference Handbook. Greenwood. ISBN 978-1573560191