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ベンジル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベンジル
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識別情報
CAS登録番号 134-81-6 チェック
PubChem 8651
ChemSpider 8329 チェック
UNII S85X61172J チェック
EC番号 205-157-0
ChEBI
ChEMBL CHEMBL189886 チェック
RTECS番号 DD1925000
バイルシュタイン 608047
特性
化学式 C14H10O2
モル質量 210.23 g mol−1
外観 黄色の結晶性粉末
密度 1.23 g/cm3, 固体(1.255 g/cm3, x-ray)
融点

94.0 ~ 96.0 °C

沸点

346.0 ~ 348.0 °C

への溶解度 溶けない
溶解度 エタノール、ジエチルエーテル、ベンゼンに溶ける
磁化率 -118.6·10−6 cm3/mol
構造
結晶構造 P31,221[1]
双極子モーメント 3.8 D[2]
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H315, H319, H335
Pフレーズ P261, P264, P271, P280, P302+352, P304+340, P305+351+338, P312, P321, P332+313, P337+313, P362, P403+233, P405
主な危険性 刺激性
NFPA 704
1
2
0
半数致死量 LD50 >3 g/kg (マウス, 経口)[3]
関連する物質
関連するジケトン ジアセチル
関連物質 ベンゾフェノン
グリオキサール
ビベンジル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ベンジル (benzil) とは、有機化合物の一種で、構造式が C6H5-C(=O)-C(=O)-C6H5 と表される芳香族のジケトンのこと。

ベンジルを研究室で合成するときは、ベンズアルデヒドベンゾイン縮合によりベンゾインとしてから、硝酸あるいは硫酸銅(II) などで酸化して得る[4]

PhC(=O)CH(OH)Ph + 2 Cu2+ → PhC(=O)C(=O)Ph + 2 H+ + 2 Cu+

ベンジルに強塩基を作用させると、フェニル基の転位が起こりベンジル酸の塩が得られる(ベンジル酸転位)。

ベンジル酸転位
ベンジル酸転位

参考文献

[編集]
  1. ^ Acta Crystallogr. B43 398 (1987)
  2. ^ Spectrochim. Acta A60 (8-9) 1805 (2004)
  3. ^ Benzil” (英語). 2014年10月15日閲覧。
  4. ^ Clarke, H. T.; Dreger. E. E. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p. 87 (1941). [1]