ベンゾトリアゾール
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ベンゾトリアゾール | |
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1H-Benzotriazole | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 95-14-7 |
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特性 | |
化学式 | C6H5N3 |
モル質量 | 119.13 g/mol[1] |
密度 | 1.36 g/mL [1] |
融点 |
99 °C[1] |
沸点 |
350 °C[1] |
酸解離定数 pKa | 8.2 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ベンゾトリアゾール (benzotriazole) は複素環式芳香族化合物の一種である。BTAと略される。
構造
[編集]1H-ベンゾトリアゾールと2H-ベンゾトリアゾールの2種の互変異性体がある。
合成
[編集]o-フェニレンジアミンと亜硝酸ナトリウム及び酢酸の反応により得られる(ジアゾ化) [2]。
用途
[編集]- 防錆剤 - 銅の表面にBTA第二銅[3]の皮膜を形成し、腐食や変色を防止する[4]。
- 現像抑制剤 - BTAと銀が化合物を形成することにより、印画紙から銀の喪失を抑える。(カブリ防止)[5]
- 銀の定量用試薬や自動車用不凍液等に使用される。また誘導体は紫外線吸収剤やドーパミン拮抗薬(アリザプリド)、ホルモン療法薬(ボロゾール、エストロゲンの生産量低下)として使用されている。
その他
[編集]53.4〜71.7℃の間の蒸気圧は0.000695~0.0048Torrであり[6] 、以下の式で求められる。TorrをPaに、℃をKに換算して計算する。
水への溶解度が低く(19g/L[1])、生分解性も悪い。
2015年12月7日に欧州化学機関が発表した第14次SVHC(Substances of very high concern、高懸念物質)候補リストにベンゾトリアゾール誘導体の紫外線吸収剤であるUV-327、UV-350が追加された[7]。
出典
[編集]- ^ a b c d e Record of CAS RN 95-14-7 労働安全衛生研究所(IFA)発行のGESTIS物質データベース, accessed on 24 mars 2010
- ^ Robert A. Smiley "Phenylene- and Toluenediamines" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2002, Wiley-VCH, Weinheim. doi:10.1002/14356007.a19_405
- ^ (C6H5N2)2Cu BTAのイミノ基が銅と置換
- ^ 堀正、ベンゾトリアゾールの性状と用途および使用方法 防蝕技術 18巻 (1969) 9号 p.393-398, doi:10.3323/jcorr1954.18.9_393
- ^ 徳永隆章、ベンゾトリアゾール銀化合物の試作と抗菌性評価 (PDF)
- ^ P. Jimenez, M. V. Roux, C. Turrion: Thermochemical properties of N-heterocyclic compounds II. Enthalpies of combustion, vapour pressures, enthalpies of sublimation, and enthalpies of formation of 1,2,4-triazole and benzotriazole; J. Chem. Thermodyn. 21 (1989), 759–764; doi:10.1016/0021-9614(89)90060-8
- ^ ECHA 2015年12月17日