ペテル・クリスティン・アスビョルンセン
ペテル・クリスティン・アスビョルンセン[注釈 1](ノルウェー語:Peter Christen Asbjørnsen、頭文字をとってP.C.アスビョルンセンと表記する場合も、1812年1月15日 - 1885年1月6日)は、ノルウェーの民話作家、自然科学者、民俗学者、動物学者である。代表作に友人のヨルゲン・モー(Jørgen Moe)と共著の『ノルウェー民話集』がある[1]。この『ノルウェー民話集』はアスビョルンセンとモーの共著によることから『アスビョルンセンとモー』というタイトルでも知られている。
アスビョルンセンはまた、「がらがらどん」という同じ名前をもつ3匹の山羊が餌を求めて冒険に出かける童話である『三びきのやぎのがらがらどん』の作者としても知られている。この作品は『ノルウェー民話集』に収録されている。
概要
[編集]1812年1月15日、ノルウェーのクリスチャニア(現:オスロ)に生まれる。モーとはアスビョルンセンが15歳の頃から知り合いであり[2]、1833年にオスロ大学に入学し、ノルウェーに伝わる伝説や民話を収集するためにノルウェー各地を回った。また、動物学者としてハダンゲルフィヨルド(Hardangerfjord)を調査した。
アスビョルンセンは学生時代より民話をいくつか記録しており、家庭教師の仕事をしながらも収集を続け、アスビョルンセンとモーに先立ってノルウェーの民話をまとめたアンドレアス・ファイエ(Andreas Faye)より「民話特命大使に任命する」という趣旨の言葉で締めくくられた礼状を受け取った。
当初、大学でアスビョルンセンは植物学を専攻していたが[3]、グリム兄弟による『グリム童話』を読んだことをきっかけに、モーと共同しての民話集の刊行に乗り出し[4]、1841年に『ノルウェー民話集』を刊行した。その後は全2巻からなる『ノルウェー妖精物語と伝説集』(1845年 - 1848年)も刊行し、これはノルウェー語の純化に役立った[注釈 2]。
2012年現在、ノルウェーの50クローネ紙幣に肖像画が描かれてある。
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アスビョルンセンが登場する作品
[編集]- 結賀さとるの漫画『九 neuntote』 - 吸血鬼の主人公ノウェム(ゲルトルート=リウドルフ)に幼い頃に救われ、放浪の旅から戻った矢先に再会する。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- ペーター・クリステン・アスビョルンセン&ヨーレン・モー『ノルウェーの民話』米原まり子訳、青土社、1999年、ISBN 978-4-7917-5721-3。
- アスビョルンセン『太陽の東 月の西』佐藤俊彦訳、岩波書店〈岩波少年文庫〉、2005年新版、ISBN 978-4-00-114126-9。
- 高津春繁、手塚富雄、西脇順三郎、久松潜一 著、相賀徹夫 編『万有百科大事典 1 文学』(初版)小学館〈日本大百科全書〉(原著1973年8月10日)、12頁。
- “アスビョルンセンとは”. コトバンク. 2012年12月24日閲覧。