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ボイルドエッグズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
有限会社ボイルドエッグズ
Boiled Eggs Ltd.
種類 有限会社
設立 1999年1月
業種 サービス業
法人番号 1012702009028 ウィキデータを編集
事業内容 日本人作家・著者のための著作権エージェント
代表者 代表取締役 村上達朗
外部リンク www.boiledeggs.com
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有限会社ボイルドエッグズは、作家のための著作権エージェント業務を行う日本の会社である。代表取締役は、村上達朗だったが、2024年の死去後、長女の森薫(同名の漫画家とは別人)がボイルドエッグズ代表取締役に就任した[1]


概要

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早川書房の編集者であった村上が、欧米の出版界では一般的である著作権エージェント会社として1998年12月に創業した。業務内容としては、作家・著者の代理人として各出版社への作家・作品の販売促進、原稿依頼・取材等の申込受付窓口、出版社との出版契約時の契約書締結業務、二次使用を含めたプロモーション展開などといった著作権管理、などがある。

最初にエージェント契約を行なったのは、三浦しをん。三浦は、早川書房での入社試験の際、担当面接者であった編集者・村上に、入社試験作文から執筆の才を見出され、村上が早川書房を退社後に作家に転進するよう勧められた。

ほかにエージェント契約をしている小説家としては、滝本竜彦などがいる。

ボイルドエッグズ新人賞

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ボイルドエッグズ新人賞は、ボイルドエッグズが主催し、産業編集センターが後援する公募の新人文学賞。400字詰め原稿用紙換算で150枚以上500枚以下の小説を募集している。ジャンルは問わない。受賞作は、産業編集センター出版部より単行本として出版される。募集・発表は不定期に、約6か月から9か月に一度のペースで行われている。

選考委員が全ての応募作に目を通すのが特徴である。第1回から第7回までは作家の滝本竜彦、千木良悠子、三浦しをん、およびボイルドエッグズ代表の村上達朗が選考していたが、第8回(2008年)以降は村上達朗が1人で選考にあたっている。

また、1作品につき7000円を振り込んでエントリーするのも他の文学賞と異なる点である。受賞作の発表は公式サイト上で行われ、選評も公式サイトに掲載される。受賞者には、賞状と副賞(記念品)が贈られ、規定の単行本の印税が支払われる。

第4回受賞の万城目学鴨川ホルモー』以降はしばらく受賞作が出なかった。「(『鴨川ホルモー』の出現によって)受賞のハードルが上がってしまった」と村上達朗は述べているが、エントリー数は増加している。その影響からか第12回では史上初の2作同時受賞となった。

ライトノベル的要素を持つ作品が受賞作に選出される傾向がある。

選考委員

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  • 第1-7回 滝本竜彦、千木良悠子、三浦しをん、村上達朗
  • 第8-回 村上達朗

受賞作リスト

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第1回から第7回までは「フィクション部門」と「ノンフィクション部門」があった。第8回以降は小説のみ募集している。ノンフィクション部門では受賞者は出なかった。

(ノンフィクション部門のエントリー数 第1回:1作品、第2回:4作品、第3回:なし、第4回:1作品、第5回:なし、第6回:2作品、第7回:2作品)

結果発表 応募数 受賞作 作者 刊行年月
第1回 2004年 24作品 本格推理委員会 日向まさみち 2004年7月
第2回 2004年 16作品 【奨励賞】『彼女には自身がない』 時里キサト 未刊行
第3回 2005年3月 29作品 『コスチューム!』 将吉 2005年7月
第4回 2005年11月 22作品 鴨川ホルモー 万城目学 2006年4月
第5回 2006年5月 25作品 受賞作なし
第6回 2006年12月 31作品 受賞作なし
第7回 2007年8月 46作品 受賞作なし
第8回 2008年5月 75作品 受賞作なし
第9回 2009年1月 87作品 『お稲荷さんが通る』 叶泉 2009年11月
第10回 2009年10月 78作品 『オカルトゼネコン富田林組』 蒲原二郎 2010年3月
第11回 2010年6月 48作品 受賞作なし
第12回 2011年2月 76作品 『白馬に乗られた王子様』 石岡琉衣 2011年7月
『をとめ模様、スパイ日和』 徳永圭 2011年7月
第13回 2011年10月 91作品 『サザエ計画』 園山創介 2012年3月
第14回 2012年6月 49作品 『じらしたお詫びはこのバスジャックで』 大橋慶三 2012年11月
第15回 2013年2月 80作品 『あしみじおじさん』 尾﨑英子 2013年10月
『バージン・ロードをまっしぐら』 鈴木多郎 未刊行
第16回 2014年1月 67作品 『気障でけっこうです』 小嶋陽太郎 2014年10月
第17回 2014年12月 52作品 受賞作なし
第18回 2015年9月 50作品 受賞作なし
第19回 2016年5月 30作品 受賞作なし
第20回 2017年2月 53作品 『クルンテープマハナコーン(ry』
(『別れ際にじゃあのなんて、悲しいこと言うなや』に改題)
黒瀬陽 2018年6月
第21回 2018年2月 44作品 探偵はぼっちじゃない 坪田侑也 2019年3月
第22回 2019年2月 40作品 『シャガクに訊け!』 大石大 2019年10月
第23回 2020年2月 29作品 受賞作なし
第24回 2021年5月 51作品 受賞作なし
第25回 2022年5月 79作品 『ドールハウスの惨劇』 遠坂八重 2023年1月
第26回 2023年5月 56作品 受賞作なし
第27回 2024年5月 65作品 受賞作なし

最終候補

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第8回の最終候補作『電子の蝶は乱れない』は、のちに鏡征爾『白の断章』(2009年、講談社BOX)として刊行されている。また、同じく第8回に『赤鼬奇譚』で最終候補となった赤星香一郎は、2009年にメフィスト賞を受賞してデビューしている。また、第7回に『ロストワルツ』で最終候補となった松尾佑一は、野性時代フロンティア文学賞を受賞して2010年にデビューしている。

脚注

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外部リンク

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