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ポルトガル鉄道3500形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポルトガル鉄道3500形電車
フェルタグス3500形電車
3500形(ポルトガル鉄道)(2018年撮影)
基本情報
運用者 ポルトガル鉄道フェルタグス
製造所 GECアルストムCAF
製造年 1998年 - 2000年
製造数 30編成(4両編成30本)
主要諸元
編成 4両編成
軸配置 Bo'Bo' + 2'2' + 2'2' + Bo'Bo'
軌間 1,668 mm
電気方式 交流 25,000 kV 50 Hz
架空電車線方式
最高速度 140 km/h
起動加速度 0.9 m/s2
減速度(常用) 0.9 m/s2
車両定員 先頭車
着席88人
立席85人(乗客密度3人/m2時)
最大立席163人
中間車
着席150人
立席120人(乗客密度3人/m2時)
最大立席227人
編成重量 225.2 t
編成長 106,600 mm
全長 先頭車 26,900 mm
中間車 26,400 mm
全幅 2,926 mm
全高 4,300 mm
床面高さ 1,010 mm(乗降扉付近)
355 mm(1階)
1,310 mm(中2階)
2,313 mm(2階)
車輪径 920 mm(動力台車)
850 mm(付随台車)
固定軸距 2,450 mm(動力台車)
2,400 mm(中間台車)
台車中心間距離 20,000 mm
主電動機 Alstom - Efacec 4 FXA 2858 B(3,357 rpm、50 Hz)
かご形三相誘導電動機
主電動機出力 511 kW(定格出力)
編成出力 3,475 kW
制御装置 電気指令式ブレーキ空気ブレーキ
制動装置 デッドマン装置
備考 主要数値は[1][2][3]に基づく。
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3500形ポルトガル語: Série 3500)は、ポルトガルの鉄道路線で使用されている電車。ポルトガル初となる2階建て車両で、ポルトガル鉄道フェルタグスが所有している[1][2][3]

概要

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1990年代以降、ポルトガルの首都・リスボンではリスボン鉄道駅事務所(Gabinete do Nó Ferroviário de Lisboa)が主導する大規模な郊外鉄道ネットワークの整備事業が実施されていた。その一環として、高い需要に対応する新型電車が製造される事となり、1998年ポルトガル鉄道GECアルストムCAFに2階建て電車を30編成発注し、1999年から2000年にかけて営業運転に投入した。これが3500形である[3][4][5]

3500形は先頭の電動制御車と中間の付随車からなる4両編成で編成を組んでおり、最高速度は140 km/hである。車内には合計476人分の座席と4人分の折り畳み座席が設置され、従来の1階建て車両による4両編成よりも40 %以上多い乗客を収容する事が出来る他、中2階部分には車椅子用スペースが備わっている。座席はクロスシートが採用されており、2 + 2人掛けの布張りの座席が背中合わせに配置されている。これらの座席は車両基地での修繕時に簡単に分解できる構造となっている。また、車内には冷暖房双方に対応した空調装置が完備されており、故障時でも作動できるよう冗長性が確保されている。両開きの乗降扉は中2階部分に存在する[1][2][3]

主電動機を始めとした走行用の電気機器は先頭車に設置されており、主電動機はアルストムとポルトガルの企業であるEfacecポルトガル語版が共同で製造したかご形三相誘導電動機が用いられている[1][2]

発注された全30編成(4両編成30本)のうち、12編成はポルトガル鉄道が所有し、リスボンの近郊列車で運行している一方、18編成についてはリスボン近郊で旅客列車を運営する民間事業者のフェルタグス(Fertagus)が所有している。そのうちフェルタグスが所有する車両については、2019年以降「公共交通機関運賃削減支援プログラム(Programa de apoio à redução tarifária nos transportes públicos、PART)」への参加による利用客増加を見込み、座席数の削減や掴み棒の増設による立席定員の増加が図られている[3][6][7][8]

ギャラリー

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d Série: 3519-3530 e 3569-3580”. Comboios de Portugal. 2024年11月2日閲覧。
  2. ^ a b c d Série 3500”. Caminhos de Ferro Portugueses. EP (2000年9月29日). 2002年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e VICENTE, Carlos Hormigo. Associação Portuguesa para o Desenvolvimento do Transporte Ferroviário. ed. FERXXI (Lisboa) 14: 14, 15. 
  4. ^ José Ordóñez (July-August 1994). “Siemens y Alcatel-Alsthom explotarán una línea de cercanías en Lisboa”. Via Libre (Madrid) 31 (367): 19-20. ISSN 1134-1416. 
  5. ^ Eruste, Manuel Galán (1998). Ed. España Desconocida, S. l.. ed. “Noticias”. Maquetren (Madrid) 6 (64): 71. ISSN 1132-2063. 
  6. ^ O estranho caso da remodelação da “meia vida” dos comboios da Fertagus”. ESQUERDA (2016年8月12日). 2024年11月2日閲覧。
  7. ^ Comunicados e Campanhas”. Fertagus. 2024年11月2日閲覧。
  8. ^ José Carlos Oliveira. “Em 20 anos de operação, os comboios da Fertagus percorreram o equivalente a 60 viagens em torno da terra? E que durante estes anos transportaram mais de 416 milhões de passageiros?”. Fertagus. 2024年11月2日閲覧。