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マウンテン (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『マウンテン』
レスリー・ウェストスタジオ・アルバム
リリース
録音 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク ゴーサム・レコーディング・スタジオ
ジャンル ハードロックブルースロック
時間
レーベル ウィンドフォール・レコード
プロデュース フェリックス・パパラルディ
レスリー・ウェスト アルバム 年表
マウンテン
(1969年)
華麗なるファツビー
(1975年)
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マウンテン』(Mountain)は、アメリカ合衆国ロックギタリストであるレスリー・ウェストが1969年に発表した初のソロ・アルバムである[注釈 1]

解説

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経緯

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ウェストはニューヨーク出身で、1960年代中期よりヴァグランツというバンドで活動していた。ヴァグランツは1967年にプロデューサーのフェリックス・パパラルディ[注釈 2]の推薦によってアトコ・レコードとの契約を結んで、パパラルディが提供した曲を彼のプロデュースでシングル発表した[1]。同年、オーティス・レディングの「リスペクト」のカヴァー[2]が東海岸のローカル・ヒットになった[3]

1969年、彼はクリームのアルバムをプロデュースして大きな業績を挙げたパパラルディ[注釈 3]をプロデューサーに迎えて、初のソロ・アルバムとなる本作を制作した。パパラルディは、本作を自ら設立したウィンドフォール・レコードの第一弾のアルバムとして発表した。

内容

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全11曲の収録曲の内訳は、8曲がウェストの単独作もしくはパパラルディ他との共作、2曲がパパラルディとゲイル・コリンズ[注釈 4]の共作、残る1曲はザ・バンドの「火の車」のカヴァー。

パパラルディはプロデュースと共作に加えて、ベースとキーボードを担当した。

本作からは「ミルクとハチミツの夢」[4]、「ロング・レッド」[5]、「サウスバウンド・トレイン」[6]がシングルカットされた。

収録曲

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LP
Side One
#タイトル作詞・作曲時間
1.「ブラッド・オブ・ザ・サン(Blood of the Sun)」レスリー・ウェスト、フェリックス・パパラルディ、ゲイル・コリンズ、ジョン・ヴェンチュラ、ノーマン・ランズバーグ
2.「ロング・レッド(Long Red)」ウェスト、パパラルディ、ジョン・ヴェンチュラ、ノーマン・ランズバーグ
3.「ベター・ウォッチ・アウト(Better Watch Out)」パパラルディ、コリンズ
4.「ブラインド・マン(Blind Man)」コリンズ、パパラルディ、ウェスト、ヴェンチュラ
5.「ベイビー・アイム・ダウン(Baby, I'm Down)」パパラルディ、コリンズ
合計時間:
Side Two
#タイトル作詞・作曲時間
1.「ミルクとハチミツの夢(Dreams of Milk and Honey)」ウェスト、パパラルディ、ヴェンチュラ、ランズバーグ
2.「ストーリーテラー・マン(Storyteller Man)」ウェスト、パパラルディ、ヴェンチュラ、ランズバーグ
3.「火の車(This Wheel's on Fire)」ボブ・ディラン、リック・ダンコ
4.「ルック・トゥ・ザ・ウィンド(Look to the Wind)」ウェスト、パパラルディ、ヴェンチュラ
5.「サウスバウンド・トレイン(Southbound Train)」ウェスト、ヴェンチュラ、ランズバーグ
6.「ビコーズ・ユー・アー・マイ・フレンド(Because You Are My Friend)」ウェスト
合計時間:
CD
#タイトル作詞・作曲時間
1.「ブラッド・オブ・ザ・サン(Blood of the Sun)」レスリー・ウェスト、フェリックス・パパラルディ、ゲイル・コリンズ、ジョン・ヴェンチュラ、ノーマン・ランズバーグ
2.「ロング・レッド(Long Red)」ウェスト、パパラルディ、ジョン・ヴェンチュラ、ノーマン・ランズバーグ
3.「ベター・ウォッチ・アウト(Better Watch Out)」パパラルディ、コリンズ
4.「ブラインド・マン(Blind Man)」コリンズ、パパラルディ、ウェスト、ヴェンチュラ
5.「ベイビー・アイム・ダウン(Baby, I'm Down)」パパラルディ、コリンズ
6.「ミルクとハチミツの夢(Dreams of Milk and Honey)」ウェスト、パパラルディ、ヴェンチュラ、ランズバーグ
7.「ストーリーテラー・マン(Storyteller Man)」ウェスト、パパラルディ、ヴェンチュラ、ランズバーグ
8.「火の車(This Wheel's on Fire)」ボブ・ディラン、リック・ダンコ
9.「ルック・トゥ・ザ・ウィンド(Look to the Wind)」ウェスト、パパラルディ、ヴェンチュラ
10.「サウスバウンド・トレイン(Southbound Train)」ウェスト、ヴェンチュラ、ランズバーグ
11.「ビコーズ・ユー・アー・マイ・フレンド(Because You Are My Friend)」ウェスト
合計時間:

参加ミュージシャン

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マウンテンの結成

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本作の発表後、ウェストとパパラルディは、本作の制作に参加したN.D.スマート(ドラムス)、元ジ・デヴィルズ・アンヴィル[8][注釈 5]ウイングス[注釈 6]スティーヴ・ナイト[9](キーボード)とマウンテンを結成。彼等は7月にフィルモア・ウェストでデビューし、8月にはウッドストック・フェスティバルに出演[10]。その後、スマートに替えてエナジーのドラマーであるカナダ人のコーキー・レイングを迎えて[11]、1970年にウィンドフォール・レコードからデビュー・アルバム『勝利への登攀』を発表した。

マウンテンのコンサートでは、本作の「ブラッド・オブ・ザ・サン」[注釈 7]、「ロング・レッド」[注釈 8]、「ミルクとハチミツの夢」[注釈 9]、「サウスバウンド・トレイン」も演奏された[注釈 10]

脚注

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注釈

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  1. ^ 本作を、発表後にウェストと本作のプロデューサーのフェリックス・パパラルディが結成したマウンテンのデビュー・アルバムと捉える向きもあるが、本作の公式の名義はあくまでレスリー・ウェストである。
  2. ^ ニューヨークの出身。ミシガン大学に進学してクラシック音楽を学び、卒業後にニューヨークに戻ってアレンジャーや音楽プロデューサーとして仕事を行った。1966年、RCAレコードと契約を結んだヤングブラッズのアルバムをプロデュースした。
  3. ^ 1967年5月、アトランティック・レコードトム・ダウドによってクリームのプロデューサーに抜擢された。
  4. ^ コリンズはパパラルディがプロデュースした『カラフル・クリーム』(1967年)の収録曲「ストレンジ・ブルー」「苦しみの世界」の共作者で、1969年に彼と結婚した。
  5. ^ パパラルディは1967年に彼等のアルバム制作に協力した。
  6. ^ ポール・マッカートニーが1970年代に結成したウイングスとは無関係である。
  7. ^ 1973年8月30日の大阪厚生年金会館での演奏が『異邦の薫り』(1974年)に収録された。
  8. ^ 1969年8月16日のウッドストック・フェスティバルでの演奏が『マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦』(1972年)に収録された。
  9. ^ 1971年6月21日のニューヨークのフィルモア・イーストでの演奏が『悪の華』(1971年)に収録された。
  10. ^ この4曲はウッドストック・フェスティバルで演奏され、Woodstock – Back to the Garden: The Definitive 50th Anniversary Archive"(2019年)、「ロング・レッド」と「サウスバウンド・トレイン」が"Woodstock – Back to the Garden: 50th Anniversary Experience"(2019年)に収録された。なお「ロング・レッド」はアルバム"Woodstock Two"(1971年)にも収録されたが、英語版Woodstock Twoは、同アルバムに収録されている演奏はウッドストック・フェスティバルで録音されたものでない、としている。「サウスバウンド・トレイン」の演奏場面は、映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970年)の40周年記念版のDVDとブルーレイディスク(2009年)に収録された。

出典

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  1. ^ Discogs”. 2024年8月18日閲覧。
  2. ^ Discogs”. 2024年8月18日閲覧。
  3. ^ Unterberger, Richie. “The Vagrants - Biography & History”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。
  4. ^ Discogs”. 2024年8月24日閲覧。
  5. ^ Discogs”. 2024年8月24日閲覧。
  6. ^ Discogs”. 2024年8月24日閲覧。
  7. ^ Discogs”. 2024年8月24日閲覧。
  8. ^ Discogs”. 2024年4月27日閲覧。
  9. ^ Laing & Takala (2019), pp. 110–111.
  10. ^ Huey, Steve. “Mountain - Biography & History”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。
  11. ^ Laing & Takala (2019), pp. 88–89.

引用文献

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  • Laing, Corky; Takala, Tuija (2019). Letters To Sarah. Helsinki: Polite Bystander Productions. ISBN 978-952-94-1530-4