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異邦の薫り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『異邦の薫り』
マウンテンライブ・アルバム
リリース
録音 1973年8月30日
日本の旗 大阪厚生年金会館
ジャンル ハードロックブルースロック
時間
レーベル ウィンドフォール・レコード
プロデュース フェリックス・パパラルディ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 142位(アメリカ[1]
  • マウンテン アルバム 年表
    ベスト・オブ・マウンテン
    (1973年)
    異邦の薫り
    (1974年)
    雪崩
    (1974年)
    テンプレートを表示

    異邦の薫り』(原題:Twin Peaks)は、アメリカ合衆国ハードロックバンドマウンテン1974年に発表したライブ・アルバム1973年8月30日に大阪厚生年金会館で開かれた大阪公演の録音を収録した2枚組LPで、2作目のライブ・アルバムに相当する[注釈 1]

    解説

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    経緯

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    1972年2年、マウンテンはフェリックス・パパラルディ(ベース、ボーカル)の健康状態が悪化したことを理由に解散し[注釈 2][2]、メンバーのレスリー・ウェスト(ギター、ボーカル)とコーキー・レイング(ドラムス)は、ジャック・ブルースと「ウェスト、ブルース&レイング」(WBL)を結成した。

    WBLはスタジオ・アルバムを2作発表した後、1973年春に活動停止状態に陥った[3]ので、同年8月に予定されていた日本公演はパパラルディとウェストが再結成したマウンテンの公演に変更された[4]。両名に加えて新メンバーのボブ・マンアラン・シュワルツバーグが参加した[4][5]

    内容

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    収録曲9曲の内訳は、『勝利への登攀』(1970年)から4曲、『ナンタケット・スレイライド』(1971年)から1曲、『悪の華』(1971年)から1曲、ウェストのソロ・アルバム『マウンテン』(1969年)から1曲、ウェストの即興演奏が1曲、チャック・ベリーの「ベートーベンをぶっ飛ばせ」である。

    32分に及ぶ「ナンタケット・スレイライド」[注釈 3]は、LPでは2面に分割されてそれぞれ"Part 1"と”Conclusion”と名付けられたが、再発CDでは1曲として収録された[6]

    これまでのアルバムと同様、ゲイル・コリンズがジャケットのデザインを担当した。

    2008年発売の日本盤リマスターCDは紙ジャケットで発売され、オリジナル・ヴァージョンの録音を手がけたレコーディング・エンジニア、鈴木智雄の監修によりDSDマスタリングされた[6]

    反響・評価

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    アメリカのBillboard 200では142位に終わり、マウンテンのアルバムとしては初めて全米トップ100入りを逃す結果となった[1]。ジェイムズ・クリスペルはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「本作の内容は、マウンテンの最良の特性と最悪の特性を示す結果となり、最良なのは『想像されたウエスタンのテーマ』『ミシシッピー・クイーン』『ネヴァー・イン・マイ・ライフ』『ベートーヴェンをぶっ飛ばせ』といった代表曲、最悪なのは『ナンタケット・スレイライド』である」と評している[7]

    収録曲

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    LP

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    日本初回盤LP(BLPJ-3-WF)[8]の曲順に準拠。1974年のアメリカ盤LP(PG 32818)では「ナンタケット・スレイライド」がサイド2とサイド3に収録され、日本盤のサイド2に当たる内容はサイド4に収録された[9]

    サイド1
    1. "Never in My Life" (Leslie West, Felix Pappalardi, Gail Collins, Corky Laing) – 4:15
    2. "Theme for an Imaginary Western" (Jack Bruce, Pete Brown) – 4:59
    3. "Blood of the Sun" (L. West, F. Pappalardi, G. Collins) – 3:05
    4. "Guitar Solo" (L. West) – 5:43
    サイド2
    1. "Crossroader" (F. Pappalardi, G. Collins) – 5:58
    2. "Mississippi Queen" (L. West, F. Pappalardi, C. Laing, David Rea) – 4:15
    3. "Silver Paper" (L. West, F. Pappalardi, G. Collins, George Gardos) – 6:15
    4. "Roll Over Beethoven" (Chuck Berry) – 2:25
    サイド3
    1. "Nantucket Sleigh Ride (Part 1)" (F. Pappalardi, G. Collins) – 16:19
    サイド4
    1. "Nantucket Sleigh Ride (Conclusion)" (F. Pappalardi, G. Collins) – 16:14

    CD

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    日本盤再発CD (SICP 4542)の曲順に準拠。「ナンタケット・スレイライド」が5曲目に収録されたヴァージョンも存在する[10]

    1. ネヴァー・イン・マイ・ライフ "Never in My Life" – 4:21
    2. 想像されたウエスタンのテーマ "Theme for an Imaginary Western" – 5:05
    3. ブラッド・オブ・ザ・サン "Blood of the Sun" – 3:16
    4. ギター・ソロ "Guitar Solo" – 5:44
    5. クロスローダー "Crossroader" – 5:59
    6. ミシシッピー・クイーン "Mississippi Queen" – 4:27
    7. 銀色の紙 "Silver Paper" – 6:15
    8. ベートーベンをぶっ飛ばせ "Roll Over Beethoven" – 2:28
    9. ナンタケット・スレイライド "Nantucket Sleighride" – 32:29

    参加ミュージシャン

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    脚注

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    注釈

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    1. ^ 1972年の解散直後に発表された『マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦』に続く。但し解散前に発表された3作目のアルバム『悪の華』(1971年)は片面がスタジオ録音、片面がライヴ録音で構成されていた。
    2. ^ 本人は慢性の聴覚異常などを理由に挙げたが、薬物中毒状態にも陥っていた。
    3. ^ アルバム『ナンタケット・スレイライド』に収録されたスタジオ録音版(1971年)とアルバム『マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦』(1972年)に収録されたライヴ録音版の原題は"Nantucket Sleighride"だったが、本作では"Nantucket Sleigh Ride"になった。

    出典

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    1. ^ a b Mountain - Awards”. AllMusic. 2016年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月7日閲覧。
    2. ^ Laing & Takala (2019), p. 141.
    3. ^ Laing & Takala (2019), pp. 156–159.
    4. ^ a b 2015年再発CD (SICP 4542)ライナーノーツ(細川真平、2015年7月)
    5. ^ Eder, Bruce. “Mountain - Biography & History”. AllMusic. 2017年5月7日閲覧。
    6. ^ a b マウンテン紙ジャケ化、「ナンタケ」ライヴも再現”. BARKS. Japan Music Network (2008年4月13日). 2017年5月7日閲覧。
    7. ^ Chrispell, James. “Twin Peaks - Mountain”. AllMusic. 2017年5月7日閲覧。
    8. ^ Ddiscogs”. 2024年9月16日閲覧。
    9. ^ Mountain - Twin Peaks (Vinyl, LP, Album) at Discogs - アメリカ盤LPの情報。
    10. ^ Mountain - Twin Peaks (CD, Album) at Discogs - 1993年ヨーロッパ盤CDの情報。

    引用文献

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    • Laing, Corky; Takala, Tuija (2019). Letters To Sarah. Helsinki: Polite Bystander Productions. ISBN 978-952-94-1530-4 

    外部リンク

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