カリニャン
カリニャン(Carignan)は、赤ワイン用のぶどうの品種である(黒ぶどう)[1]。
特徴
[編集]スペイン北東部のアラゴン州サラゴサ県カリニェナを原産地とする[2]。12世紀頃にフランスやイタリアなどに持ち込まれ、現在は南北アメリカ、アフリカ大陸の地中海沿岸と南アフリカ、オーストラリアなど、世界の広い地域で栽培されている。
カリニャンはフランスでの呼称であり、別称としてイタリアではカリニャーノ、スペインではカリニェナ、マスエロ(スペイン・ラ・リオハ州)、ボバレ・グランデ、カリニェナ、サムソー/サムソ(スペイン・カタルーニャ州)が存在する[1][2][3]。
スペインやフランスの通称「南仏」と呼ばれる、ラングドック=ルシヨン、プロヴァンス、ローヌ地方南部等で多く栽培されている。生育が遅い一方で比較的に若い段階から飲用可能である[2]。ぶどうのなかでは最も収穫期が遅いいわゆる「晩生(おくて)種」のため、冬の到来が遅い暖かい地方に適しているが、気候の合うところでは、収穫量も多く[注釈 1]、栽培しやすい。
ワインはなめし革の香り、スパイシーな香り、鉄やインクの香りといわれるフレーバーを持っているが、香りはそれほど強くはない。酸味や渋みが強い、いわゆる刺激性の強い風味のワインになるため、AOCで認められているところでも、使用量を制限しているところが多い。シラー種など、酸味の少ない品種にブレンドされることが多い。
ラングドック=ルシヨン地方では、グルナッシュに次いで多く栽培されている。この品種名を表示したワインは、フランスでもその他の国でもほとんどないが、ヴァン・ド・ペイ・ドックのなかに、この品種の古木から収穫されたぶどうによる、比較的優れたワインがある。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “年を取ると丸くなる? 暴れん坊なブドウ品種、カリニャン”. エノテカ (2020年4月2日). 2024年12月5日閲覧。
- ^ a b c “カリニャン種について その2”. フィラディスワインクラブ (2020年4月8日). 2024年12月5日閲覧。
- ^ 佐々木健太 (2019年3月6日). “【ソムリエ監修】カリニャンはどんな品種? 品種概要から味の特徴、おすすめ10銘柄をご紹介”. しあわせワイン倶楽部. 2024年12月5日閲覧。
- ^ 古澤慶太 (2020年6月2日). “カリニャンの特徴とは?ブドウ品種の中では収穫時期が最も遅い?”. ワインショップソムリエ. 2024年12月5日閲覧。
- ^ “カリニャン種について”. フィラディスワインクラブ (2020年3月27日). 2024年12月5日閲覧。