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高尾 (ブドウ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
高尾

高尾(たかお)は、巨峰実生から選抜育成させた、無核(種無し)ブドウの品種である。品種名は東京都の名山である高尾山にちなんで命名された。

開花期のジベレリン処理(以下GA)により7-8グラムの楕円形の果粒となり、GA無処理の場合は4-5グラムの円形の果粒となる。整形果房は400-500グラム程度。果粒は紫黒色で、糖度17-18%と甘く、酸味は少ない。熟期は、育成地が東京都多摩地方の場合で8月下旬から9月上旬である。

花振いしやすい巨峰の欠点を改良する目的で、1956年秋より東京都農業試験場(現・東京都農林総合研究センター)の芦川孝三郎によって、巨峰の自然結実果で得られた120粒の実生から育成がおこなわれた[1]。当初の研究目標は達せられなかったが、全系統にGAに対する反応を調べてみると系統名立川1号と立川3号において容易に無核化ができる事を見出した。

試験選抜された立川1号は、1971年に東京都を代表する名山である高尾山にちなんで「高尾」と命名された。1975年1月28日に品種登録(育成者権)出願がなされた。登録番号は第264号(農林種苗名称登録)である。

本種は異数体(4x-1)であることが確認されている[2]

関連項目

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脚注

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参考文献

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  • 芦川孝三郎「ブドウの新品種"高尾"について」『育種學雜誌』第22巻第1号、日本育種学会、1972年2月、46-51頁、doi:10.1270/jsbbs1951.22.46ISSN 05363683NAID 1100018154232020年7月13日閲覧。「巨峰の自然結実果で得られた種子約120粒のを捲き実生を育成した。」 
  • 芦川孝三郎「ブドウの新品種「立川1号」の解説 ジベレリン処理用無核種」『農業技術』第23巻第4号、農業技術協会、1968年4月、180-181頁、ISSN 03888479NAID 40018407128 
  • 芦川孝三郎「無核ブドウ立川1号(新品種解説)」『農業および園芸』第42巻第7号、1967年7月、1121-1122頁、ISSN 03695247NAID 40018397080 
  • 比良松道一,若菜章 (1995). “胚珠・胚培養による異数体ブドウの作出(予報)”. 九州大学農学部農場研究資料 17巻: 14-15頁. ISSN 0386-3522. https://hdl.handle.net/2324/12704.