マスク・アニメーション
『マスク・アニメーション』(原題:The Mask: The Animated Series)は、1995年8月12日から1997年8月30日までにアメリカ合衆国のCBSにて放送されたテレビアニメシリーズ。合計3シーズン全54話。1994年に公開された映画『マスク』が成功したことを受け、本作に当たるアニメ版が制作された。
日本では1996年10月4日にワーナー・ホーム・ビデオよりOVA全5巻(VHS)として映像ソフト化[1]。全10話であり、各巻2話収録。その後、1999年から2000年にかけてカートゥーン ネットワークでも放送[2][3]。映像ソフト化されなかったシーズン1の残り5話分を含めたシーズン1(全15話)のみ放送された。
概要
[編集]このTVアニメは映画・『マスク』が元になっているが、映画のヒロインであるティナ(キャメロン・ディアス)は登場しない。そのかわり、ヒロインはペギー・ベラントになっている。
登場人物
[編集]メインキャラクター
[編集]- スタンリー・イプキス(Stanley Ipkiss) / マスク(The Mask)
- 声 - ロブ・ポールセン / 山寺宏一
- 主人公。北欧神話の災いの神・ロキのパワーを宿したマスクを所持し、ピンチになるとそれをかぶって変幻自在で陽気な不死身の怪人・マスクに変身する。だがイプキス自身はマスクのパワーを厄介に思っており、幾度か手放そうとしている。マスクのときはよく他人にパンツ攻撃を仕掛ける。
- マイロ(Milo)
- 声 - フランク・ウェルカー
- スタンリーの飼い犬で、マスクをかぶったことがある。
- ミッチ・ケラウェイ(Lt. Mitch Kellaway)
- 声 - ニール・ロス / 小室正幸
- スタンリーがマスクだということを証明しようとする刑事。マスクのパンツ攻撃の被害者の一人。
- ドイル捜査官(Detective Doyle)
- 声 - ジム・カミングス / 坂口哲夫
- ケラウェイの助手。よくドーナツを食べている。
- ペギー・ベラント(Peggy Brandt)
- 声 - ハイヂ・シャノン / 水谷優子
- スタンリーの知人であるレポーター。マスクの正体を知る数少ない人物で、自身も一度マスクをつけたことがある。
- チャーリー・シューマーカー(Charlie Schumacher)
- 声 - マーク・L・テイラー / 関俊彦
- スタンリーの知人で、銀行支店長。頭取に出世しようと考えており、スタンリーに対して威張っていることが多い。彼もまたマスクの正体を知っている。
敵キャラクター
[編集]- トーキン・ヘッド博士(Dr. Pretorius)
- 声 - ティム・カリー / 肝付兼太
- 能力:頭部を胴体と分離させ、首筋から出る節足を使って頭部だけで歩行する。首筋から出てくる変声マイクを使って他者になり済まし、電話などを行う。サーベルが武器。
- サイボーグ化することで頭と体を分離させたマッドサイエンティスト。究極の軍隊を作るためにマスクを研究対象としてつけ狙う。
- モンスケ(Walter)
- 吹き替え - 戸部公爾[1]
- トーキン・ヘッドの部下であるフランケンシュタインの怪物のような人造人間。肉弾戦ではマスクに勝るが、大抵は彼にやり込められる。
- アメリア・クロノス博士(Dr. Amelia Chronos)
- 声 - ヴィクトリア・キャロル
- 能力:時間を操る
- ゴルゴンゾーラ・ザ・チーズウィッチ(Gorgonzola the Cheese Witch)
- 声 - クリー・サマー
- 能力:チーズ・アイ(Cheese-Eye)(目から光線を出して、光線に当たった物をチーズにする)、ショット・チェダー(Shot-Cheddar)(剃刀の形をしたチェダーチーズの矢)。
- 容姿:白髪に黄色い肌。
- 魔女。チーズに由来するさまざまな魔術を使う。
- ダークスター・トリオ(The Dark Star Trio)
- ドイルの好きな漫画本「The Galactic Avenger」の第1巻から飛び出した悪役3人組。
- ドラゴン・レディ(The Dragon Lady)
- 声 - キャス・スーシー
- 能力:空を飛び火を噴く竜に変身する。
- ウォー・マシーン(War Machine)
- 声 - ジム・カミングス
- ロボット。
- リップ・タイド(Rip Tide)
- 声 - フランク・ウェルカー
- 能力:体を液体化する。
- ピーターマン(Skillit)
- 声 - ジェイソン・マーズデン / 北島淳司
- シャドウランドからマスクを連れ戻しに来た愉快犯。
- 他人の影を吸い取ることで若さを保ち、マスクとともに4000年も生きてきた。吸い取られた側は、影とともに若さを失う。
- 最終的にはマスクに影を無理やり吐き出された揚句、彼の妨害によりシャドウランドに帰れなくなってしまった。
- チェット・ブーザック(Chet Bozzack)
- 声 - ダン・カステラネタ
- スタンリーの高校時代のいじめっ子で、モンスケがマスクを2つに割いてしまった際にその片割れを手に入れてかぶり、中途半端な怪人に変身した。
- テリブル2(The Terrible Two)
- 漫画オタクのティーンエイジャーの少年2人組。放射能を浴びた状態で触れた物の特性を得た。
- ドン・ジュロビット(Don Julovit)
- 声 - カム・クラーク
- ロニー・ザ・シャーク(Lonnie The Shark)
- 声 - グレン・シャディックス
- 鋭い歯とサメのような髪型が名前の由来。
- ピート(Pete)
- 声 - チャーリー・アドラー
- ロニーの相棒。
- スティンガー(Stinger)
- 声 - スチュアート・パンキン
- ハチ人間になってしまった養蜂家。
- テンペスト(The Tempest)
- 声 - バッド・コート
- 能力:天気を操る。
- 本名:フレンチ・ドリッズル(French Drizzle)
- 天気予報士を首になった後、雷に当たったことで、天気を操る能力を得た。Action Manにも同名のキャラクターがいる。
- ふうせん爆弾マン(ふうせんばくだんマン)(Kablamus)
- 声 - ジム・カミングス
- 能力:自分の体を膨らませ、周囲に爆発を発生させる。
- 本名:ジョー・ブロウ(Joe Blow)
- 割れない風船を作ろうとしたところ、風船が膨らみすぎて、誤って自分の会社の化学薬品槽に落ちてしまった男。事故により、自分の体を膨らませる能力を得た。
- チャンネルサーファー(Channel Surfer)
- 声 - ゲイリー・オーウェンズ
- 能力:サーフボードを使ってテレビのチャンネルからチャンネルへ移動する。テレビの中にあるものを操り、電気系統をいじる。
- 自身の好きなテレビ番組「Pointy Peaks」(ツイン・ピークスのパロディ)のキャラクターにあやかって「Raymond Neilsen」と名乗ったことがある。
- サイバーマイト(Cybermite)
- 声 - ジム・カミングス
- デヴィッダ・スティールマイン(Davida Steelmine)
- 声 - クリー・サマー
- 本名:ヴィッキー・プラット(Vicky Pratt)
- 幻術師。スタンリーの高校時代の片思いの相手。
- ウィラミナ・ブバスク(Willamina Bubask)
- 声 - エイプリル・ウィンチェル
- 犬泥棒。
- チャップ・チュッキー(Cheap Chucky)
- ウィラミナの共犯者。
- ボーレガード・クラソン(Colonel Beauregard Klaxon)
- 声 - ジム・カミングス
- 実業家。
- ビリー・ボブ(Billy Bob)
- ボーレガードの部下。
- フード(The Hood)
- 声 - ジェス・ハーネル
- 本名:ローレンス・ロレンツォ(Lawrence Lorenzo)
- 宝石泥棒といった様々な犯罪を行い、指名手配犯となっている犯罪者。 部下とともに市長を誘拐した。
- スライ・イーステネッガー(Sly Eastenegger)
- 新作を制作するためにエッジシティにやってきたアクションスター。
- アンドリュー・ベドウェッター(Sir Andrew Bedwetter)
- 声 - ジェフ・ベネット
- スーパーモンキーの舞台化をしようとした際、マスクと対立したブロードウェイの舞台監督。
- ガバンメントガイ(Government Guy)
- 声 - フランク・ウェルカー
- 未来のエッジシティを支配する暴君。23世紀版のマスクを着けている。
- サタン(Satan)
- 声 - ジョナサン・ハリス
- 悪魔。吸血鬼のような牙と悪魔のような影を持つ人間ブブ(Bub)として現れた。
その他
[編集]- モーティマー・タイルトン市長(Mayor Mortimer Tilton)
- 声 - ケビン・マイケル・リチャードソン / 田の中勇
- エッジシティ市長。
- フォースウェイト坊や(Baby Forthwright)
- 声 - フランク・ウェルカー / 雨蘭咲木子
- スタンリーの友人の赤ん坊。 『マスクにはこりごり(前編)』、『Baby's Wild Ride』、『Mutiny of the Bounty Hunters』でマスクをつける。
- フランシス・フォースエイト(Francis Forthwright)
- 声 - マリー・マクドナルド・レウィス / 滝沢久美子
- フォースエイト坊やの母親。
- アーサー・ニューマン博士(Dr. Arthur Neumann)
- 声 - ベン・スタイン
- スタンリーかかりつけの精神科医。皮肉屋。
- 当初はマスクのことを信用しておらず、マスクのことを、スタンリーのイマジナリーフレンドだと勘違いしていたが、 『ドクター・マスク』でマスクを捨てたいと思っていたスタンリーからマスクを手に入れた際、ためしに装着してみたところ、気の狂ったような怪人になってしまった。怪人になったときは、黄色いコートに青いズボン、マスクのときと同じ色をした大きな蝶ネクタイ、足にはスニーカー、といういでたちをしていた。
- エヴェリン(Evelyn)
- 恥ずかしがり屋でおとなしい女性。スタンリーと一回きりのデートにつきあった。エスメラルダ(Esmeralda)という恥ずかしがり屋の犬を飼っている。『Bride of Pretorius』でマスクをつけた。
- スタンリーの隣人の一人。
- ピーンマン夫人(Mrs. Peenman)
- 声 - トレス・マクニール / 滝沢久美子
- スタンリーのアパートの大家。
- エース・ベンチュラ(Ace Ventura)
- ペット探偵エース・ベンチュラの主人公。なお、いずれのキャラクターも、実写版をジム・キャリーが演じたという点で共通している。
地名
[編集]- エッジシティ(Edge City)
- スタンリー/マスクたちの住む町。
- ココ・ボンゴ(Coco Bongo)
- スタンリー行きつけの酒場。
サブタイトル
[編集]シーズン1
[編集]シーズン2
[編集]アメリカ合衆国での放送順 | 原題 | 邦題 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | A Comedy of Eras | ||
2 | Goin' for the Green | ||
3 | Flight as a Feather | 一部地域にて放送されず。#放送中止エピソードを参照。 | |
4 | The Good, the Bad and the Fish Guy | ||
5 | Malled | ||
6 | Channel Surfin | ||
7 | Mask au Gratin | ||
8 | Jurassic Mask | ||
9 | You Oughta Be in Pictures | ||
10 | For All Mask-Kind | ||
11 | Up the Creek | ||
12 | Boogie with the Man | ||
13 | What Goes Around Comes Around | ||
14 | All Hail the Mask | ||
15 | Power of Suggestion | ||
16 | Mr. Mask Goes to Washington | ||
17 | Rain of Terror | ||
18 | The Mother of All Hoods | ||
19 | To Bee or Not to Bee | ||
20 | Love Potion No. 8 ? | ||
21 | Cool Hand Mask | ||
22 | Broadway Malady | ||
23 | Enquiring Masks Want to Know | ||
24 | Future Mask | ||
25 | Sealed Fate | ||
26 | (The Angels Wanna Wear My) Green Mask | ||
27 | Mutiny of the Bounty Hunters | ||
28 | Convention of Evil | ||
29 | The Green Marine | ||
30 | Counterfeit Mask |
シーズン3
[編集]アメリカ合衆国での放送順 | 原題 | 邦題 | 備考 |
---|---|---|---|
31 | Magic | ||
32 | Little Big Mask | ||
33 | Fantashtick Voyage | ||
34 | They Came from Within | ||
35 | To Have and Have Snot | ||
36 | Mystery Cruise | ||
37 | The Goofalotatots | ||
38 | When Pigs Ruled the Earth | ||
39 | The Aceman Cometh | ペット探偵エース・ベンチュラとのクロスオーバー。 | |
40 | Have Mask Will Travel | ペット探偵エース・ベンチュラとのクロスオーバーで、シリーズフィナーレ。 |
スタッフ
[編集]- 製作:ターナー
- 監督:デイブ・イムホフ
- プロデューサー:ゲイリー・ハートル
- 音楽:クリストファー・ニール・ネルソン
- 音響監督:ジニー・マクスワイン
日本語版スタッフ
[編集]- 製作:ワーナー・ホーム・ビデオ、ACクリエイト株式会社
- プロデューサー:東慎一(ワーナー・ホーム・ビデオ)
- 翻訳:石原千麻
- 演出:中野洋志
- 調整:蝦名恭範
備考
[編集]放送中止エピソード
[編集]"Flight As A Feather"という回はマスクが幸運を呼ぶ帽子の羽を無くし、エッジシティ中を探しまわるという内容だが、FOXファミリー・チャンネル(現・フリーフォーム)では、放送されなかった。というのは、この回における以下の場面が子供向けではないということから放送できなかったのである。なお、アメリカ国外のシンジゲート放送では放送された。
「モーティマー・タイルトン市長が報道陣を前にしたセレモニーで新しい法案?」にサインしているところにクッキー・バブームという女性がセレモニーに乱入してトレンチコートを脱ぎ捨て、裸体にダイナマイトを巻きつけた姿を見せつけた。この騒動は、市長と一時期付き合っていた彼女が彼に捨てられた恨みから、彼の目の前で自殺しようという考えから来ていた。偶然その場に居合わせたマスクはバーテンダーに変身して、ケラウェイや市長たちの前でクッキーの胸と腰に巻きつけてあったダイナマイトを引っ張って外した。その際、彼女は勢いのあまりしばらく回転していたが、回転がやんだ際、マスクを追って来たケラウェイとドイルに裸体を見られた。(この際クッキーは後ろを向いていた)2人の捜査官は頭がのぼせ、最終的に気絶してしまった。
脚注
[編集]- ^ a b “戸部公爾パーソナルデータ”. アーツビジョン. 2011年3月21日閲覧。
- ^ CNジャパンアーカイブ1999年
- ^ CNジャパンアーカイブ2000年