マスターピース (ドレイトン)
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「マスターピース」(英語: Masterpiece)は、おもにキングズ・シンガーズのレパートリーとして知られる、ポール・ドレイトンが作詞作曲した合唱曲。 1981年にキングズ・シンガーズが開催したコンペティション「The King's Singers Composers Competition」に、ドレイトンが応募して提出した作品であり[1]、多くのクラシックの楽曲を下敷きにしたパスティーシュが盛り込まれているが、作詞作曲ともドレイトンがクレジットされている[2]。
ドレイトンは、その後もキングズ・シンガーズに楽曲を提供しているが、キングズ・シンガーズのファンの間では、もっぱら人気曲である「マスターピース」の作曲家としてその名が知られている[3]。
キングズ・シンガーズはアカペラで演奏するが、市販されている楽譜にはピアノ伴奏譜も含まれている[2]。全体を演奏すると、9分[4]、10分[5]、ないし、11分ほどの長さになる[1]。
この曲は、キングズ・シンガーズの2005年のDVD『From Byrd to the Beatles』の中で取り上げられた[5]。
楽章と言及される作曲家など
[編集]この作品は、7つの楽章とコーダから構成され、各楽章には、「形式名などのキーワード(作曲者名)」というパターンで楽章名が付けられている[2]。
- 第1楽章 フーガ(J・S・バッハ)- Fugue (J.S.Bach)
- 楽章名にあるヨハン・ゼバスティアン・バッハ以外に以下の作曲家が言及される。
- 第2楽章 イントロダクションとジグ(ヘンデル)- Introduction and gigue (Handel)
- 第3楽章 カヴァティーナ(モーツァルト)- Cavatina (Mozart)
- 第4楽章 ラルゴ・ルグブリオーソ[6](ベートーヴェン)- Largo Lugubrioso (Beethoven)
- 第5楽章 無言歌(メンデルスゾーン)- Lied ohne worte (Mendelssohn)
- 第6楽章 ワルツ(J・シュトラウス)- Waltz (J.Strauss)
- 楽章名にあるヨハン・シュトラウスに加えて、その弟であるヨーゼフ・シュトラウス、エドゥアルト・シュトラウスの名前も言及される。また、冗談としてリーバイ・ストラウスも言及される。
- 作品名としてオペレッタ『こうもり』、『ジプシー男爵』、ワルツ『皇帝円舞曲』、『美しく青きドナウ』、『朝の新聞』、『ウィーン気質』、ポルカ・シュネル『雷鳴と稲妻』、ポルカ『トリッチ・トラッチ・ポルカ』が言及される。
- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名も登場する。指揮者としては、ヴィリー・ボスコフスキーとヘルベルト・フォン・カラヤンが対比的に言及される。
- 第7楽章 ダンス・アンティーク(ドビュッシー)- Danse antique (Debussy)
- コーダ - Coda
- 以下の作曲家が言及される。
- セザール・フランク
- フランツ・リスト
- グスターヴ・ホルスト
- ジャック・ブース
- ウィリアム・ボイス
- アドルフ・ブラン
- アーノルド・バックス
- マックス・ブルッフ
- チャールズ・アイヴズ
- リヒャルト・ワーグナー
- バルトーク・ベーラ
- ベンジャミン・ブリテン
- アントン・ブルックナー
- ジョルジュ・ビゼー
- フランツ・シューベルト
- フレデリック・ショパン
- ロベルト・シューマン
- アントニオ・ヴィヴァルディ
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
- グスタフ・マーラー
- ジュゼッペ・ヴェルディ
- フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
- フランシス・プーランク
- ジュール・マスネ
- ベートーヴェン
- エクトル・ベルリオーズ
- アレクサンドル・ボロディン
- ジュリアス・ベネディクト
- フェリックス・メンデルスゾーン
- オリヴィエ・メシアン
- ジャコモ・マイアベーア
- ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
- カロル・シマノフスキ
- ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニ
- ジローラモ・フレスコバルディ
- ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ
- ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ
- ニコロ・パガニーニ
- ピエトロ・フランチェスコ・カヴァッリ
- ムツィオ・クレメンティ
- アルカンジェロ・コレッリ
- ジャン・シベリウス
- アレッサンドロ・スカルラッティ
- ヴィンチェンツォ・ベリーニ
- ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ
- ジョヴァンニ・パチーニ
- モデスト・ムソルグスキー
- ジャン=カルロ・メノッティ
- ジョアキーノ・ロッシーニ
- オットリーノ・レスピーギ
- ジャコモ・プッチーニ
- ウィリアム・バード
- ジョン・ケージ
- カールハインツ・シュトックハウゼン
- ジョージ・ガーシュウィン
- 以下の作曲家が言及される。
脚注
[編集]- ^ a b “The King's Singers” (PDF). Ann Arbor District Library. 2017年5月9日閲覧。
- ^ a b c “The King's Singers Masterpiece”. パナムジカ. 2017年5月9日閲覧。
- ^ “Royal Rhymes & Rounds”. The King's Singers. 2017年5月9日閲覧。
- ^ “Masterpiece”. The King's Singers. 2017年5月9日閲覧。
- ^ a b Sauro, Tony (2009年3月22日). “Stockton Youth and Master chorales tackling some classic subject material”. Recordnet.com. 2017年5月10日閲覧。
- ^ Largo Lugubrioso は、「ゆるやかに」を意味する速度記号「ラルゴ」に「悲しげに」を意味するイタリア語を追加した表現。