マニッシュ・ボーイ
「マニッシュ・ボーイ」 | ||||||||
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マディ・ウォーターズ の シングル | ||||||||
B面 |
Young Fashioned Ways(1955年盤) (I'm Your) Hoochie Coochie Man(1988年盤) | |||||||
リリース | ||||||||
録音 | 1955年5月24日 イリノイ州シカゴ(1955年盤)[1] | |||||||
ジャンル | ブルース | |||||||
レーベル |
チェス・レコード(1955年盤) エピック・レコード(1988年盤) | |||||||
作詞・作曲 | マッキンリー・モーガンフィールド、エラス・マクダニエル、メル・ロンドン | |||||||
プロデュース |
レナード・チェス、フィル・チェス(1955年盤) ジョニー・ウィンター(1988年盤) | |||||||
マディ・ウォーターズ シングル 年表 | ||||||||
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「マニッシュ・ボーイ」(Mannish Boy)は、アメリカ合衆国のブルース・ミュージシャン、マディ・ウォーターズが1955年に発表した楽曲。オリジナル・シングルに記載されたスペルは「Manish Boy」で、マディ・ウォーターズ・アンド・ヒズ・ギター名義で発表され[1]、ビルボードのR&Bシングル・チャートで5位を記録[2]。ウォーターズはその後も度々この曲を再演しており、ジョニー・ウィンターのプロデュースによる再録音は、ウォーターズの没後の1988年にヨーロッパでシングル・ヒットした。ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では230位にランク・イン[3]。
マディ・ウォーターズの録音
[編集]この曲は、ボ・ディドリーがウォーターズの曲「フーチー・クーチー・マン」(作詞・作曲はウィリー・ディクスン)のリフを拝借した曲「アイム・ア・マン」を作ったことに対する返答として[4]、ウォーターズが「アイム・ア・マン」を改作したものである。ウォーターズのオリジナル・ヴァージョンは、後にコンピレーション・アルバム『リアル・フォーク・ブルース』に収録された。
ウォーターズは1968年のアルバム『エレクトリック・マッド』に「マニッシュ・ボーイ」の新しいヴァージョンを収録しており、ジョニー・ウィンターがプロデュースしたアルバム『ハード・アゲイン』(1977年)でも再演している。ライヴでも頻繁に歌われた曲で、1976年11月25日にはザ・バンドの解散コンサートでこの曲をザ・バンドと共演しており、その時の映像は映画『ラスト・ワルツ』(1978年公開)で披露された[5]。また、1977年3月のライヴ音源は1979年発表のライヴ・アルバム『マディ"ミシシッピ"ウォーターズ・ライヴ』に収録された。
ウォーターズの没後の1988年、ジョニー・ウィンターがプロデュースしたヴァージョンがリーバイス501のコマーシャルソングに使用され、それに伴い「フーチー・クーチー・マン」をB面に収録したシングルがエピック・レコードからリリースされた[6]。このシングルはオランダで6位[7]、ベルギーのフランデレン地域で19位[8]、全英シングルチャートで51位に達するリバイバル・ヒットとなった[9]。
カヴァー
[編集]ローリング・ストーンズの演奏
[編集]ローリング・ストーンズは「マニッシュ・ボーイ」をライヴで取り上げており、1977年3月4日にトロントのクラブ「エル・モカンボ」で行われた演奏はライヴ・アルバム『ラヴ・ユー・ライヴ』(1977年)に収録された[10]。また、このライヴ音源は後に『サッキング・イン・ザ・70s』(1981年)や『レアリティーズ 1971-2003』(2005年)といったコンピレーション・アルバムにも収録されている。
1981年11月22日には、ローリング・ストーンズのメンバーのうちミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロン・ウッドの3人がシカゴでマディ・ウォーターズのライヴに参加しており[11]、この曲も演奏された。その模様は映像作品『ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ 1981』(2012年発表)に収録された。
その他
[編集]- ジミ・ヘンドリックス - 1969年4月22日に録音を残し[12]、1970年1月にオーバー・ダビングを行った[13]。ヘンドリックスの生前には発表されず、コンピレーション・アルバム『ブルーズ』(1994年)に収録された。
- ポール・バターフィールド - アルバム『The Legendary Paul Butterfield Rise Again』(1986年)に収録。
- ヒンドゥー・ラヴ・ゴッズ - アルバム『ヒンドゥー・ラヴ・ゴッズ』(1990年)に収録。
- RIP SLYME - アルバム『TOKYO CLASSIC』(2002年)に、RYO-Zのソロ曲として「Case2.MANNISH BOY(続 zeekのテーマ)」というタイトルのカヴァーを収録。
- チャックD、コモン、カイル・ジェイソン - 2003年のドキュメンタリー番組『Godfathers and Sons』のサウンドトラック・アルバムに収録[14]。
- エリオット・マーフィー・ウィズ・オリヴィエ・デュランド - アルバム『Murphy Gets Muddy』(2005年)に収録。
- バディ・ガイ - ライヴで演奏。2010年のライヴ音源はライヴ・アルバム『ライヴ・アット・レジェンズ』(2012年)に収録された。
脚注
[編集]- ^ a b Muddy Waters And His Guitar* - Manish Boy (Vinyl) at Discogs
- ^ “Muddy Waters - Awards”. AllMusic. 2016年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月4日閲覧。
- ^ 500 Greatest songs of All Time: Muddy Waters, 'Mannish Boy' | Rolling Stone
- ^ Mannish Boy - Muddy Waters | Song Info | AllMusic - Review by Bill Janovitz
- ^ The Last Waltz (1978) - Soundtracks - IMDb.com
- ^ Mannish Boy (Vinyl) at Discogs
- ^ dutchcharts.nl - Muddy Waters - Mannish Boy
- ^ ultratop.be - Muddy Waters - Mannish Boy
- ^ MUDDY WATERS | Artist | Official Charts
- ^ 『ローリング・ストーンズ大百科』(著:越谷政義/CBSソニー出版/1986年/ISBN 4-7897-0261-8)p.137
- ^ マディ・ウォーターズ (Muddy Waters) & ストーンズ、夢の共演がオフィシャル・リリース - CDJournal.comニュース
- ^ Jimi Hendrix - Blues (CD) at Discogs
- ^ 『全曲解説シリーズ ジミ・ヘンドリックス』(著:ピーター・ドゲット/訳:島田聖子/シンコーミュージック・エンタテイメント/2006年/ISBN 4-401-63039-4)p.238
- ^ Jurek, Thom. “Martin Scorsese Presents the Blues: Godfathers and Sons - Original Soundtrack”. AllMusic. 2019年4月19日閲覧。