マムフォード・アンド・サンズ
Mumford & Sons | |
---|---|
2012年 | |
基本情報 | |
出身地 | イングランド・ロンドン |
ジャンル |
インディーフォーク フォークロック ブルーグラス |
活動期間 | 2007年-現在 |
レーベル |
アイランド グラスノート・レコード |
公式サイト | mumfordandsons.com |
メンバー |
マーカス・マムフォード ベン・ラヴェット テッド・ドウェイン |
旧メンバー | カントリー・ウィンストン・マーシャル |
マムフォード・アンド・サンズ (Mumford & Sons) は、イギリス・ロンドン出身のフォークロックバンドである。2007年結成。
デビューアルバムである『サイ・ノー・モア』は全世界で800万枚以上という驚異的な売り上げを記録し[1]、グラミー賞やNMEアワードの最優秀新人賞にノミネートされるなどしている。
メンバー
[編集]- マーカス・マムフォード(Marcus Mumford) - ボーカル、ギター、ドラムス、マンドリン。2012年に女優のキャリー・マリガンと結婚している[2]。
- ベン・ラヴェット(Ben Lovett) - ボーカル、キーボード、アコーディオン、ドラムス。通っていたパブリックスクールであるキングズ・カレッジでマムフォードと出会った。
- テッド・ドウェイン(Ted Dwane) - ボーカル、コントラバス、ベース、ドラムス、ギター。パブリックスクールであるミルフィールド・スクールを卒業。
元メンバー
[編集]- カントリー・ウィンストン・マーシャル(Country Winston Marshall) - ボーカル、バンジョー、ドブロ。セント・ポールズ・スクール (ロンドン)卒。父はヘッジファンドの億万長者であり、副首相であるニック・クレッグのアドバイザーも務めるポール・マーシャルである。2016年に女優のディアナ・アグロンと結婚している。2021年6月24日に正式脱退。
来歴
[編集]結成初期
[編集]2007年12月、マーカス・マムフォードを中心に、彼を含めたカントリー・ウィンストン・マーシャル、ベン・ラヴェット、テッド・ドウェインの四人で結成される。翌年2月にUKツアー、6月にグラストンベリー・フェスティバルなど着々と経験を積んでいき、年末にはチェスクラブ・レコードからEP『Love Your Ground』をリリース。収録曲『リトル・ライオン・マン 』はファーストアルバム、『サイ・ノー・モア』にも収録されることとなる。
サイ・ノー・モア
[編集]2009年、プロデューサーにアーケード・ファイア、コールドプレイなどを手がけたマーカス・ドラヴスを起用し、アルバム『サイ・ノー・モア』の制作に取り掛かり始める。8月にはアイランド・レコードと契約した。 そして10月2日、ファーストアルバム、『サイ・ノー・モア』を本国イギリスでリリース。アメリカでは翌年2月にリリースされた。同アルバムは全英、全米アルバムチャート共に最高2位を記録し、どちらにも合計130週以上に渡りチャートにランクインするというロングセラーアルバムとなる。[3][4]この『サイ・ノー・モア』の成功によりバンドは多数の賞を受賞、ノミネートされることとなり、第53回グラミー賞で2部門、翌第54回グラミー賞では4部門にノミネートされた。更に2011年のブリット・アワードでは年間最優秀アルバム賞を受賞。最終的に『サイ・ノー・モア』の売り上げは全世界で800万枚以上に上り、米英両国は勿論、世界的な人気を不動のものとした。
バベル
[編集]2011年3月、ベン・ラヴェットが今年の後半にセカンドアルバムをレコーディングするつもりだと明かす。[5] 同月には2010年に続きグラストンベリー・フェスティバルに出演。 2012年には、6月22日に公開されたピクサーのアニメーション映画、『メリダとおそろしの森』に楽曲、『ラーン・ミー・ライト』を提供。 そして7月、正式にセカンドアルバムの詳細が明らかにされ、8月には同アルバムから『アイ・ウィル・ウェイト』がリードシングルとしてリリースされた。 9月21日、ドイツ、オーストラリアを始めとする8カ国でセカンドアルバム、『バベル』をリリース。同月24日にはイギリス、翌25日にはアメリカでもリリースされた。 全英ではリリース初週で約15万9000枚を売り上げ、ラナ・デル・レイの『ボーン・トゥ・ダイ』(約11万7000枚)が持っていた2012年の発売週セールス記録を塗り替えて初登場1位を記録。[6]全米では約60万枚を売り上げ、ジャスティン・ビーバーの『ビリーヴ』(約37万4000枚)が持っていた2012年の発売週セールス記録を塗り替えて同じく初登場1位を記録した。[7]更に全米シングルチャートには『アイ・ウィル・ウェイト』、『バベル』、『ラヴァーズ・アイズ』、『ウィスパーズ・イン・ザ・ダーク』、『ホランド・ロード』、『ゴースツ・ザット・ウィ・ニュー』の6曲がランクインし、ザ・ビートルズが1964年9月に達成した記録に48年ぶりに並んだ。[8]2013年、第55回グラミー賞で、最優秀アルバム賞を受賞した。
ワイルダー・マインド~ヨハネスブルグ
[編集]2015年にサードアルバム『ワイルダー・マインド』をリリース。バンジョーなどのカントリー関連楽器を用いずに、ドラムセットを導入したオルタナティブ・ロックに接近する音像が話題となった。
2016年にミニアルバム『ヨハネスブルグ』をリリース。南アフリカ共和国ヨハネスブルグでレコーディングが行われ、アフリカの民族音楽を導入した新曲を収録。アフリカ出身、またはルーツをもつミュージシャンらとコラボレーションを行った。同年末には、同地で行われたライブを収録した映像作品『ダスト・アンド・サンダー:ライブ・フロム・サウスアフリカ』を発表。
デルタ~マーカスのソロ活動
[編集]2018年にフォースアルバム『デルタ』をリリース。より音楽ジャンルの幅が広がったアレンジを展開し、前作では使用を控えられたバンジョーなどの民族楽器も再度使用された。
2021年3月、メンバーのマーシャルが保守系ジャーナリストの書籍をSNS上で称賛したことで非難が殺到し、一時的にバンドから離脱[9]。2021年6月24日に「自由な発言」と「バンドへの影響を極力避けたい」という理由から正式にバンドから脱退すると発表した[10]。
2022年9月、フロントマンのマーカスが初のソロアルバム『セルフタイトルド』をリリース。元々はバンドのために制作した楽曲だったが、非常にパーソナルな内容であったためソロとしてリリースすることをバンドメンバーから勧められたという。本作でマーカスは、6歳の時に性的虐待を受けた過去を告白し話題となった(マーカスの両親は福音主義キリスト教の指導者だが、加害者は両親でも教会関係者でもない人物だったとしている)[11]。
歌詞
[編集]マムフォード&サンズの歌詞の世界の多くは、文学の世界に強く影響を受けている。デビューアルバムのタイトル「サイ・ノー・モア」、また同名の収録曲の歌詞は、シェイクスピアの戯曲「空騒ぎ(Much Ado About Nothing)」から引用されている[12]。また、その中に収録されている「Roll Away Your Stone」の歌詞には同じくシェイクスピアの戯曲である「マクベス」からの引用がある[13]。同アルバム収録曲「The Cave」に関しては、プラトンの国家 (対話篇)の「洞窟の比喩(Allegory of the Cave)」からの引用であり、ホメロスのオデュッセイアからの引用も含んでいる。(詳しく言えば、ギルバート・ケイス・チェスタートンの『アッシジの聖フランチェスコ』からの引用である。聖フランチェスコが神の観点からどのように世界を見るかを説明する方法として、チェスタートンはプラトンの「洞穴の比喩」を使用している)。「Timshel」 と「Dust Bowl Dance」の2つの楽曲に関しては、ジョン・スタインベックの「二十日鼠と人間」、「エデンの東」および「怒りの葡萄」からの引用を見つけることが出来る[14]。
エピソード
[編集]シンガーソングライターのジェイク・バグは、マムフォード&サンズのメンバーがパブリックスクール出身のアッパーミドル階級であることから「バンジョーを持った金持ち野郎にしか見えない」とコメントした。 一方ノエル・ギャラガーは、「マムフォード&サンズは好きだ。あんな曲を書いてみたい。」と賛辞を送っている。
ディスコグラフィ
[編集]アルバム
[編集]年 | タイトル | アルバム詳細 | チャート最高位 | 認定 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
UK [15] |
AUS [16] |
AUT [17] |
BEL [18] |
CAN [19] |
GER [20] |
IRL [21] |
NLD [22] |
NZ [23] |
SWE [24] |
SWI [25] |
US [26] | ||||
2009 | Sigh No More |
|
2 | 1 | 26 | 3 | 2 | 29 | 1 | 3 | 1 | 28 | 21 | 2 | |
2012 | Babel |
|
1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 4 | 2 | 1 | |
2015 | Wilder Mind |
|
1 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 4 | 2 | 2 | 1 |
脚注
[編集]- ^ “マムフォード&サンズ、待望の2ndアルバム『Babel』の発売が決定!” (2012年7月17日). 2012年9月29日閲覧。
- ^ Lavinthal, Andrea (21 April 2012). “Exclusive: Carey Mulligan Marries Marcus Mumford!”. Us Weekly (Wenner Media LLC) 21 April 2012閲覧。
- ^ “MUMFORD & SONS(Officialcharts.com)”. 2012年10月9日閲覧。
- ^ “Sigh No More - Mumford & Sons(Billboard.com)”. 2012年10月9日閲覧。
- ^ “Mumford and Sons Plan to Record New Album Later this Year” (2011年3月14日). 2013年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月9日閲覧。
- ^ “マムフォード&サンズ、PSYが首位獲得~最新全英チャート” (2012年10月2日). 2012年10月5日閲覧。
- ^ “マムフォード&サンズ、全米アルバム・チャートでビーバーの記録を超える” (2012年10月4日). 2012年10月5日閲覧。
- ^ “ザ・ビートルズの記録に48年ぶりにマムフォード・アンド・サンズが並ぶ” (2012年10月7日). 2012年10月8日閲覧。
- ^ Kreps, Daniel (10 March 2021). “Mumford and Sons' Winston Marshall 'Taking Time Away From Band' After Praising Conservative Provocateur”. Rolling Stone 10 March 2021閲覧。
- ^ Marshall, Winston (24 June 2021). “Why I’m Leaving Mumford & Sons” (英語). Medium. 2021年6月24日閲覧。
- ^ “性的虐待された“壮絶な過去”を告白した男性セレブ【ピーチズのOM(F)G!】”. 2022年12月7日閲覧。
- ^ "The bookshop band Mumford & Sons". London Evening Standard. Retrieved 9 February 2011.
- ^ “MACBETH, Act 1 Scene 4”. Shakespeare-navigators.com. 2012年9月24日閲覧。
- ^ Mumford & Sons set up 'Richard & Judy'-style book club NME Retrieved 23 December 2010
- ^ “Mumford & Sons” (select "Albums" tab). Official Charts Company. 5 August 2010閲覧。
- ^ “Discography Mumford & Sons”. australian-charts.com. Hung Medien. 5 August 2010閲覧。
- "The Wolf": Ryan, Gavin (18 April 2015). “ARIA Singles: Wiz Khalifa and Charlie Puth Remain On Top”. Noise11. 18 April 2015閲覧。
- "Ditmas": Ryan, Gavin (19 September 2015). “ARIA Singles: Justin Bieber 'What Do You Mean' Keeps Top Spot”. Noise11. 19 September 2015閲覧。
- ^ “Discografie Mumford & Sons” (German). austriancharts.at. Hung Medien. February 16, 2014閲覧。
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- ^ “Discography Mumford & Sons”. charts.org.nz. Hung Medien. 5 August 2010閲覧。
- ^ “Discography Mumford & Sons”. 'swedishcharts.com'. Hung Medien. March 3, 2015閲覧。
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- ^ “Mumford & Sons – Chart History: Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. 5 August 2010閲覧。
- ^ “Chart Moves: Grateful Dead's Highest Charting Album Since 1987, Mumford & Sons' 'Sigh' Hits 3 Million & Josh Groban's TV-Fueled Return”. Billboard (1972年8月27日). 2014年5月15日閲覧。
- ^ a b c “Certified Awards Search” (To access, enter the search parameter "Mumford & Sons"). British Phonographic Industry. 16 March 2011閲覧。
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- ^ a b c “Gold & Platin” (German). IFPI. February 16, 2014閲覧。
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: Cite webテンプレートでは|access-date=
引数が必須です。 (説明) - ^ a b "Canadian certifications – Mumford & Sons". Music Canada. 2011年10月14日閲覧。
- ^ a b “Gold-/Platin-Datenbank: Mumford & Sons” (German). Bundesverband Musikindustrie. 2013年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月16日閲覧。
- ^ “NZ Top 40 Albums Chart – 20 August 2012”. Recorded Music NZ. 2 October 2012閲覧。
- ^ a b c d “American certifications – Mumford”. Recording Industry Association of America. 7 January 2012閲覧。
- ^ Caulfield, Keith (6 May 2015). “Mumford & Sons Set for Second No. 1 Album on Billboard 200 Chart”. Billboard. Prometheus Global Media. 7 May 2015閲覧。
- ^ http://www.aria.com.au/pages/httpwww.aria.com.aupagesaria-charts-accreditations-albums-2013.htm
- ^ "Ultratop − Goud en Platina – 2012". Ultratop & Hung Medien / hitparade.ch.
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引数が必須です。 (説明) - ^ “2012 Multi-platinums”. irishcharts.ie. 28 September 2013閲覧。
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- ^ “Certifikat Mumford & Sons” (Swedish). Swedish Recording Industry Association. March 3, 2015閲覧。
- ^ “The Official Swiss Charts and Music Community: Mumford & Sons”. 'swisscharts.com'. Hung Medien. March 3, 2015閲覧。
- ^ “‘Pitch Perfect 2’ Soundtrack Debuts at No. 1 on Billboard 200 Albums Chart - Billboard”. Billboard. 2015年8月4日閲覧。
- ^ Ryan, Gavin (25 July 2015). “ARIA Albums: Tame Impala Currents Debuts At No. 1”. Noise11. 25 July 2015閲覧。
- ^ “New Zealand album certifications”. Recorded Music NZ. 13 November 2015閲覧。[リンク切れ]