マルバコンロンソウ
マルバコンロンソウ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Cardamine tanakae Franch. et Sav. ex Maxim. (1873)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
マルバコンロンソウ(丸葉崑崙草)[3](円葉崑崙草)[4] |
マルバコンロンソウ(丸葉崑崙草、円葉崑崙草、学名: Cardamine tanakae)は、アブラナ科タネツケバナ属の越年草[3][4][5]または短命な多年草[5]。別名、マルバノコンロンソウ[1]。
特徴
[編集]根茎はない。茎は直立し、白色の長毛が多く、上部は分枝して高さ5-20cmになる。根出葉は少なくて小さい。茎につく葉は数個が互生し、葉柄があり、葉柄の基部が小さい耳状に広がって茎を抱く。茎葉は中部のものが最大となり、長さ2-12cmになる。葉身は奇数羽状複葉になり、小葉は1-7個あって短い小葉柄があり、基部は心形、縁は鈍鋸歯となる。側小葉は卵形で小さく、頂小葉は円形から円腎形、ときに卵形になり、長さ0.7-3cmとなり、大きい。葉の両面ともに毛が生える[3][4][5]。
花期は4-6月。茎先に短い総状花序をつけ、密に毛が生え、白色の十字形の4弁花を数個つける。萼片は楕円状へら形で長さ2mm、外片に白色の毛が密生する。花弁は倒卵形で、長さ5-7mm。雄蕊は6個のうち4個が長い。雌蕊は1個。果実は長角果で斜上してつき、広線形で細毛が密に生え、長さ1.6-2.5cm、径1-1.2mmになる。果柄は長さ5-10mmになる。長角果が熟すると果皮が2片に裂開し、種子を弾き飛ばす。種子は長さ約1.2mmになる[3][4][5]。
分布と生育環境
[編集]日本では、本州、四国、九州に分布し、山地の木陰などに生育する[3][4][5]。国外では済州島など韓国にも分布する[5]。
名前の由来
[編集]和名マルバコンロンソウは、「丸葉崑崙草」[3]、「円葉崑崙草」の意[4]。
種小名(種形容語)tanakae は、博物学者で、明治期の殖産に功績のあった田中芳男への献名[6]。
種の保全状況評価
[編集]国(環境省)のレッドデータブック、レッドリストでの選定はない。都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[7]。岩手県-Bランク、千葉県-重要保護生物(B)、鹿児島県-絶滅危惧II類。
利用
[編集]タネツケバナ属の種はすべて食べることができる。植物生態学者で『食べられる野生植物大事典』の著者である橋本郁三は、「ゆでて食べてもいいが,天ぷらの一品に加えたい」としている[8]。
分類
[編集]同属のオオマルバコンロンソウ C. arakiana が本種に似る。同種は肥厚する根茎をもつ多年草で、背は10-40cmと高く、根出葉の頂小葉の径は1.5-5cmと大きくなる。葉柄の基部は耳状にならない。また、長角果は無毛である。国(環境省)の絶滅危惧IB類(EN)に選定されており、分布域が限られており本州西部にまれに見られる。一方、本種は越年草または短命な多年草で、全体に毛が多く、高さ5-20cm、根出葉は小さいが茎葉の頂小葉の長さは0.7-3cmとなる。葉柄の基部は耳状になって茎を抱く。長角果に密に毛が生える。本州、四国、九州に分布する[4][5][9]。
ギャラリー
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植物体全体に白色の毛が多い。
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白色の十字形の4弁花を数個つける。萼片、花柄、花柱にも毛が生える。
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長角果は斜上してつき、広線形で細毛が密に生える。
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側小葉は卵形で小さく、頂小葉は円形から円腎形になり、大きい。短い小葉柄があり、基部は心形、縁は鈍鋸歯となる。
脚注
[編集]- ^ a b マルバコンロンソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ Cardamine tanakae, Synonyms, The World Flora Online
- ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.357
- ^ a b c d e f g 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.822
- ^ a b c d e f g 米倉浩司 (2017)「アブラナ科タネツケバナ属」『改訂新版 日本の野生植物 4』pp.55, 57-58
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1516
- ^ マルバコンロンソウ、日本のレッドデータ検索システム、2023年3月4日閲覧
- ^ 『食べられる野生植物大事典(草本・木本・シダ)』pp.180-182
- ^ 狩山俊悟 (2017)『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』p.338
参考文献
[編集]- 橋本郁三著『食べられる野生植物大事典(草本・木本・シダ)』、2007年、柏書房
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 矢原徹一他監修『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』、2015年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 4』、2017年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- The World Flora Online
- 日本のレッドデータ検索システム