マンデル酸
マンデル酸[1] | |
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Hydroxy(phenyl)acetic acid | |
別称 2-Hydroxy-2-phenylacetic acid Mandelic acid Phenylglycolic acid α-Hydroxyphenylacetic acid | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 90-64-2 , 611-71-2 (R) , 17199-29-0 (S) |
PubChem | 1292 |
ChemSpider | 1253 |
UNII | NH496X0UJX , PPL7YW1M9W (R) , L0UMW58G3T (S) |
EC番号 | 202-007-6 |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL1609 |
RTECS番号 | OO6300000 |
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特性 | |
化学式 | C8H8O3 |
モル質量 | 152.15 g mol−1 |
外観 | 白色の結晶性粉末 |
密度 | 1.30 g/cm3 |
融点 |
119°C (光学的に純粋:132 - 135 °C) |
沸点 |
321.8°C |
水への溶解度 | 15.87 g/100 mL |
溶解度 | ジエチルエーテル、エタノール、イソプロパノールに溶ける。 |
酸解離定数 pKa | 3.41[2] |
屈折率 (nD) | 1.5204 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
0.1761 kJ/g |
危険性 | |
引火点 | 162.6 °C (324.7 °F; 435.8 K) |
関連する物質 | |
関連物質 | マンデロニトリル フェニル酢酸 バニリルマンデル酸 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
マンデル酸(マンデルさん、mandelic acid)とは芳香族αヒドロキシ酸の一種であり、分子式は C8H8O3 である。形状は白色結晶で、水及び大半の一般的な有機溶媒に溶解する。
発見および命名
[編集]マンデル酸は苦扁桃の抽出物を希塩酸で加熱したものから発見された。命名は、ドイツ語でアーモンドを意味する"Mandel"に由来しているといわれる。
化学
[編集]異性体にはクレソチン酸 (2-hydroxy-3-methylbenzoic acid)や and o-アニス酸 (2-methoxybenzoic acid) などがある。マンデル酸誘導体はアドレナリンやノルアドレナリンがモノアミンオキシダーゼやカテコール-O-メチルトランスフェラーゼによる代謝生成物が挙げられる。マンデル酸誘導体はいくつかのスキンケア日用品に含まれており、他の生体物質分子を産生する際の中間体であり、分析試薬や染料工業の前駆体として利用される。
不斉炭素を分子内に持つため、マンデル酸には2つの光学異性体が存在する。天然アミグダリンにも含まれ、これを加水分解すると得られるl-マンデル酸(融点133.8°C、板状結晶、比旋光度 −159.73(エタノール))はR型の絶対配置を持つ[3]。マンデル酸のラセミ体混合物(dl-マンデル酸)はバラマンデル酸(paramandelic acid)と呼ばれる。
製法としては、ベンズアルデヒドとシアン化水素酸とを塩酸下で反応させたり、フェニルクロロ酢酸をアルカリと反応させたり、ベンゾイルホルムアルデヒドをアルカリ条件下で反応させたり、ω-ジブロモアセトフェノンに希アルカリを作用させると得られる。
脚注
[編集]- ^ Merck Index, 11th Edition, 5599.
- ^ Bjerrum, J., et al. Stability Constants, Chemical Society, London, 1958.
- ^ 村井真二、「マンデル酸」、『世界大百科事典』、平凡社
参考文献
[編集]- Merck Index, 11th Edition, 5599.
- the Encyclopædia Britannica Eleventh Edition (英語。現在はパブリックドメイン化)