マンリョウ
マンリョウ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ardisia crenata Sims (1817)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
マンリョウ、ナガバマンリョウ、オオマンリョウ、オオミマンリョウ、オオバマンリョウ、トガリマンリョウ、ハナタチバナ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
coral bush | ||||||||||||||||||||||||||||||
品種[6] | ||||||||||||||||||||||||||||||
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マンリョウ(万両[7]、学名: Ardisia crenata)は、サクラソウ科[注 1]ヤブコウジ属の常緑小低木。林内に生育し、冬に熟す果実が美しいので栽培され、特に名前がめでたいのでセンリョウ科のセンリョウ(千両)などとともに正月の縁起物とされる。
名称
[編集]和名の「マンリョウ」は、植物学者の辻井達一の説によれば、姿が似て同様に初冬に赤い実をつけるサクラソウ科のセンリョウ(千両)よりも、やや大きいことからの命名かと思われる、としている[8]。YListによると、ナガバマンリョウ、オオマンリョウ、オオミマンリョウ、オオバマンリョウ、トガリマンリョウ、ハナタチバナの別名もある[1]。なお、マンリョウの別名に「センリョウ」があり、センリョウの別名に「マンリョウ」があるため紛らわしい元となっている[7]。
分布
[編集]日本・中国・台湾など東アジアからインドの温暖な場所に広く分布する[8]。日本では、本州(関東地方以西)・四国・九州・沖縄に分布する[9]。分布域はセンリョウとほぼ同じである[8]。暖地の林に自生するほか、庭木などとしても植えられている[9]。なお、アメリカ合衆国フロリダ州では外来有害植物[10]として問題になっている。
形態・生態
[編集]常緑の小低木[9]。高さは2メートル (m) 足らずで、センリョウよりも大きく、枝も少ない[8]。同属のヤブコウジと似ているが、ヤブコウジは高さ10センチメートル (cm) ほどなので区別ができる。根元から新しい幹を出して株立ちとなる。
葉は互生し、葉身は長楕円形で革質、葉縁が波打ち波状の鋸歯がある[9][8]。葉の波状に膨れた部分には、共生細菌が詰まった部屋が内部に形成されている。また、葉は光に透かすと黒点が見える。
花期は夏(7月ごろ)[9]。花は白色で[9]、小枝の先に散形花序をなす。
果実は液果で、10月ごろに赤く熟し、翌年2月ごろまで枝に見られる。赤い実と緑色の葉のコントラストが美しい[9]。栽培品種には白や黄色の果実もある。
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株立ちした本種
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果実が熟しても赤くならない品種
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果実は葉の下に幹を囲むように付く
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実を拡大
人間との関わり
[編集]センリョウ(千両)とともにマンリョウ(万両)という景気のよい名前が喜ばれて、庭木や鉢植え、縁起を担いで正月の花材(切り花)に利用される[7][9]。関西ではセンリョウやアリドウシと一緒に植えて縁起を担ぐ[9]。庭園(関東以南の地域に限る)では、いわゆる下木、根締めに用いられる[11]。いわゆる古典園芸植物のひとつで、江戸時代には葉が縮れたりした変異個体が選抜されて、多様な品種群が栽培された。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ardisia crenata Sims マンリョウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月5日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Bladhia crenata (Sims) H.Hara マンリョウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月5日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Bladhia crenata (Sims) H.Hara var. lanceolata (Masam.) H.Hara マンリョウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月5日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ardisia crenata Sims var. lanceolata (Masam.) マンリョウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月5日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ardisia crenata Sims f. taquetii (H.Lév.) Ohwi マンリョウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月5日閲覧。
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants簡易検索結果表示”. 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList). 千葉大学. 2013年9月16日閲覧。
- ^ a b c 辻井達一 2006, p. 39.
- ^ a b c d e 辻井達一 2006, p. 40.
- ^ a b c d e f g h i 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 149.
- ^ 波田善夫. “マンリョウ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学生物地球学部. 2013年9月16日閲覧。
- ^ 辻井達一 2006, p. 42.
参考文献
[編集]- 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、39 - 42頁。ISBN 4-12-101834-6。
- 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、149頁。ISBN 4-522-21557-6。
- 茂木透 写真『樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物』高橋秀男・勝山輝男 監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2001年、176頁。ISBN 4-635-07005-0。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- "Ardisia crenata Sims" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2013年9月16日閲覧。
- "Ardisia crenata Sims". Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2013年9月16日閲覧。
- "Ardisia crenata". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Ardisia crenata" - Encyclopedia of Life