コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

マーシー・マーシー・マーシー (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『マーシー・マーシー・マーシー』
キャノンボール・アダレイライブ・アルバム
リリース
録音 1966年10月20日 カリフォルニア州ハリウッド キャピトル・スタジオ英語版 A[1]
ジャンル ジャズソウル・ジャズ
時間
レーベル キャピトル・レコード
プロデュース デヴィッド・アクセルロッド
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 13位(アメリカ[2]
  • キャノンボール・アダレイ アルバム 年表
    キャノンボール・イン・ジャパン
    (1966年)
    マーシー・マーシー・マーシー
    (1967年)
    74マイルズ・アウェイ
    (1967年)
    テンプレートを表示

    マーシー・マーシー・マーシー』(原題:Mercy, Mercy, Mercy! Live at "The Club")は、アメリカ合衆国ジャズサクソフォーン奏者、キャノンボール・アダレイ1966年に録音・1967年に発表したライブ・アルバム。ただし、録音はキャピトル・スタジオ英語版内で行われた。

    背景

    [編集]

    オリジナルLPのライナーノーツでは、シカゴの「クラブ・デ・リサ」録音のライブ・アルバムと記載されていたが、1995年の再発CDを監修したマイケル・カスクーナによれば、プロデューサーのデヴィッド・アクセルロッドから、実はキャピトル・スタジオの中でも大規模の「スタジオA」で観客を招待し録音された事実を明かされたという[1]。アダレイは本作に先立つ1966年3月、実際に「クラブ・デ・リサ」でライブ録音を行ったが、当時この音源はお蔵入りとなり、2005年にアルバム『Money in the Pocket』として発表された[3]。なお、当時アダレイのグループのピアニストだったジョー・ザヴィヌルによれば、収録曲「マーシー・マーシー・マーシー」の演奏で通常のピアノでなくウーリッツァー社のエレクトリックピアノを使おうと考え、この楽器を置いているスタジオを探したところ、キャピトル・スタジオに行き着いたという[3]

    反響

    [編集]

    本作からの先行シングル「マーシー・マーシー・マーシー」はBillboard Hot 100で11位、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで2位を記録した[2]。そして、本作はアメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200で13位に達し、『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートとR&Bアルバム・チャートでは、いずれも1位を獲得した[2]

    評価

    [編集]

    第10回グラミー賞英語版では、本作が最優秀インストゥルメンタル・ジャズ・パフォーマンス(小編成グループ)賞を受賞し、収録曲「マーシー・マーシー・マーシー」が最優秀インストゥルメンタル・テーマ賞にノミネートされた[4]。本作は2021年度のグラミーの殿堂入りを果たした[5]

    スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「アダレイはこの時点で、土臭いソウル・ジャズと、現代的かつ絶妙に進化したポスト・バップを、独自の形で融合させており、ジャズ的なハーモニーやリズムをブルースやゴスペルの感触で満たした、稀有な例である」と評している[6]

    収録曲

    [編集]
    1. イントロダクション〜ファン - "Introduction/Fun" (Nat Adderley) - 8:28
    2. ゲームズ - "Games" (N. Adderley) - 7:26
    3. マーシー・マーシー・マーシー - "Mercy, Mercy, Mercy" (Joe Zawinul) - 4:59
    4. スティックス - "Sticks" (Cannonball Adderley) - 3:55
    5. ヒッポデルフィア - "Hippodelphia" (J. Zawinul) - 5:50
    6. サック・オー・ウー - "Sack O' Woe" (C. Adderley) - 10:31

    参加ミュージシャン

    [編集]

    脚注

    [編集]
    1. ^ a b Cuscuna, Michael. “Cannonball Adderley - Money in the Pocket”. 2022年3月2日閲覧。
    2. ^ a b c Cannonball Adderley - Awards”. AllMusic. 2015年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月2日閲覧。
    3. ^ a b Waring, Charles (2021年9月15日). “'Mercy, Mercy, Mercy!' How Cannonball Adderley Brought Jazz To Its Knees”. uDiscoverMusic. 2022年3月2日閲覧。
    4. ^ Cannonball Adderley - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2022年3月2日閲覧。
    5. ^ Dye, Robert (2020年12月21日). “Grammy Hall Of Fame Announces Its 2021 List Of Timeless Recordings”. American Songwriter. 2022年3月2日閲覧。
    6. ^ Huey, Steve. “Mercy, Mercy, Mercy!: Live at "The Club" - Cannonball Adderley”. AllMusic. 2022年3月2日閲覧。

    外部リンク

    [編集]