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マーブルマッドネス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーブルマッドネス

アーケード版マーブルマッドネス
(撮影:ナツゲーミカド
ジャンル アクションゲーム
対応機種 アーケード
開発元 アタリゲームズ
発売元 アタリゲームズ
デザイナー マーク・サーニー
プログラマー ボブ・フラナガン
音楽 ハル・カノン
ブラッド・フラー
人数 1 - 2人(対戦プレイ)
メディア 業務用基板(441.0キロバイト
稼働時期
  • アメリカ合衆国 1984年12月 (1984-12)
デバイス トラックボール
システム基板 Atari System1
CPU MC68010 (@ 7.159 MHz)
MOS 6502 (@ 1.790 MHz)
サウンド YM2151 (@ 3.580 MHz)
POKEY (@ 1.790 MHz)
TMS5220 (@ 650.826 kHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
336×240ピクセル
59.92Hz
パレット1024色
テンプレートを表示

マーブルマッドネス』 (MARBLE MADNESS) は、1984年アタリゲームズが稼働したアーケードゲーム

概要

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開発者はマーク・サーニー

ゲーム史的にはマシン語アセンブラではなくC言語で開発された史上初のゲームであり[要出典]、BGMをモノラルではなくステレオで演奏した史上初のゲーム[要出典]である。AtariとしてはAtari初のアーケード基板であるAtari System 1基板で作られた初のゲームであり、FM音源を採用した初のゲームであった(FM音源を採用したゲームとしては、本作と同年同月に日本でタイトーの『サイクルマー坊』が稼働しており、どちらが世界初かは解っていない)。FM音源の採用はゲーム業界でも最初期の部類に入り、採用されたFM音源チップはYM2151である。

当時のアタリはアタリショックの影響で、当初はカスタマイズ基板で稼働されることが前提で制作されていた本作も、コストダウンのために各ゲームで共通のゲーム基板を採用せざるを得なくなるなど厳しい財政事情であったが、一方でCPUにMC68010、開発にC言語、音源にFM音源のYM2151、3Dのレイトレーシングでレンダリングされたステージ(当時アタリが導入したばかりのスパコンVAX-11が用いられた)など、当時の最新の技術が導入されている。Atari System 1基板で最初のゲームとして制作された本作は、結果として4000台が出荷される大ヒットとなり、アーケード基板としても『インディ・ジョーンズ』(1985年)、『ロードブラスターズ』(1987年)などで採用されるなどの成功を収めた[1]

続編として「Marble Madness II : Marble Man」のリリースが予定されていたが、『ストリートファイターII』(1991年)の登場と重なり評価を得られなかったため断念。プロトタイプ版が幾らかのコレクターの手に渡っている。

ゲーム内容

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システム

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視点はクオータービュー(鳥瞰)。画面上にあるボール(マーブル=ビー玉)をトラックボールで転がし、制限時間内にゴールにたどり着けたらステージクリア。全6ステージで、すべてクリアしてもプレイ時間が5分を超えることは稀である。

コースの途中には様々な仕掛けや罠が待ち受けている。罠にはまって消されたり(食べられたり、溶かされたりなど)、コースから外れたり、あまりに高い所から落ちてボールが割れると、(一部の例外を除いては)ある程度戻されて、ボールが復活する。何度ミスしても復活するが、その都度タイムロスしてしまう。制限時間が0になるとゲームオーバー。2人同時プレイも可能。2人プレイの方が難易度が高く、そのためにそれぞれのプレイヤーが1回コンティニュープレイ出来るようになっており、更に相手プレイヤーより先にゴールするとボーナスタイムが与えられる。1人プレイでは、プレイヤーは両方のトラックボールを同時に動かすことでより素早い動きが可能になる。

その他

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  • 1面でスタート地点から動かずにいると、床がせり上がって押し出してくれる。
  • 4面で2人同時プレイの場合、投石器に片方のマーブルが乗っている時にもう片方がそれに接触しているようにすると、投石器で飛ばされた方のマーブルはメチャクチャな方向に飛んでいってミスになる。
  • 国内ではナムコが販売代理店として基板のみ輸入し筐体はナムコが国内製造していた。外観はほぼ同様だが、スタートボタンがオリジナルと異なり四角形のものを採用していたため、激しいプレイの際に手をぶつけて怪我をしやすく場所を移設するなどの改造を行っている店舗もみられた。

他機種版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 Marble Madness アメリカ合衆国 1986年
ヨーロッパ 1986年
Atari ST
PC Booter
コモドール64
Apple II
Amstrad CPC
Amiga
アタリ エレクトロニック・アーツ フロッピーディスク -
2 Marble Madness アメリカ合衆国 1987年
ヨーロッパ 1987年
PC/AT互換機
ZX Spectrum
アタリ エレクトロニック・アーツ フロッピーディスク -
3 Marble Madness アメリカ合衆国 1989031989年3月
ヨーロッパ 1989年
NES レア Milton Bradley Company ロムカセット アメリカ合衆国 NES-MV
4 マーブルマッドネス 日本 199103151991年3月15日
X68000 ホームデータ ホームデータ 5インチ2HDフロッピーディスク -
5 マーブルマッドネス 日本 199103301991年3月30日
PC-9801 ホームデータ ホームデータ フロッピーディスク -
6 Marble Madness アメリカ合衆国 1991051991年5月
ヨーロッパ 199205211992年5月21日
ゲームボーイ Mindscape Mindscape ロムカセット アメリカ合衆国 DMG-MB-USA
ヨーロッパ DMG-MB-NOE
7 マーブルマッドネス 日本 1991061991年6月
FM TOWNS ホームデータ ホームデータ CD-ROM HD-91406
8 Marble Madness アメリカ合衆国 1991年
ヨーロッパ 1992011992年1月
メガドライブ エレクトロニック・アーツ エレクトロニック・アーツ 4メガビットロムカセット アメリカ合衆国 708901
ヨーロッパ E004SMXI
後に同機種にて発売された日本版とは大幅に異なる
9 Marble Madness ヨーロッパ 1992061992年6月
セガ・マスターシステム エレクトロニック・アーツ ヴァージン・ゲームス 2メガビットロムカセット 27024-50
10 マーブルマッドネス 日本 199308131993年8月13日
メガドライブ テンゲン テンゲン 4メガビットロムカセット[2] T-48113 欧米版とは内容が大幅に異なる
11 Arcade's Greatest Hits: The Atari Collection 2 アメリカ合衆国 199804051998年4月5日
ヨーロッパ 199804171998年4月17日
PlayStation Digital Eclipse アメリカ合衆国 ミッドウェイゲームズ
ヨーロッパ GT Interactive
CD-ROM アメリカ合衆国 SLUS-00449
ヨーロッパ SLES-00712
12 Arcade's Greatest Hits: The Atari Collection 2 アメリカ合衆国 199901011999年1月1日
Windows Digital Eclipse ミッドウェイゲームズ CD-ROM -
13 Marble Madness アメリカ合衆国 1999121999年12月
ヨーロッパ 200003132000年3月13日
ゲームボーイカラー ミッドウェイゲームズ ミッドウェイゲームズ ロムカセット アメリカ合衆国 CGB-ANNE-USA
ヨーロッパ CGB-ANNP-EUR
14 MIDWAY ARCADE TREASURES アメリカ合衆国 200311182003年11月18日
ヨーロッパ 200402062004年2月6日
日本 200609212006年9月21日
PlayStation 2 Digital Eclipse 日本 サクセス
アメリカ合衆国 ミッドウェイゲームズ
ヨーロッパ ZOO Digital Publishing
DVD-ROM 日本 SLPM-66467
アメリカ合衆国 SLUS-20801
ヨーロッパ SLES-51927
アーケード版の移植
15 MIDWAY ARCADE TREASURES アメリカ合衆国 200311182003年11月18日
ニンテンドーゲームキューブ Digital Eclipse ミッドウェイゲームズ 8センチ光ディスク DOL-GAKE-USA アーケード版の移植
16 MIDWAY ARCADE TREASURES アメリカ合衆国 200311242003年11月24日
ヨーロッパ 200402062004年2月6日
Xbox Digital Eclipse アメリカ合衆国 ミッドウェイゲームズ
ヨーロッパ ZOO Digital Publishing
DVD-ROM - アーケード版の移植
17 Marble Madness アメリカ合衆国 2004092004年9月
携帯電話 ダウンロード -
18 Midway Arcade Treasures アメリカ合衆国 200408272004年8月27日
ヨーロッパ 200411232004年11月23日
Windows Digital Eclipse アメリカ合衆国 ミッドウェイゲームズ
ヨーロッパ ZOO Digital Publishing
CD-ROM -
19 Games in One! Marble Madness + Klax アメリカ合衆国 200508162005年8月16日
ヨーロッパ 200509162005年9月16日
ゲームボーイアドバンス DSI Games DSI Games ロムカセット アメリカ合衆国 AGB-B68E-USA
ヨーロッパ AGB-B68P-EUR
クラックスとのセット商品
20 Midway Arcade Treasures Extended Play アメリカ合衆国 200512132005年12月13日
ヨーロッパ 200602242006年2月24日
PlayStation Portable Backbone Entertainment アメリカ合衆国 ミッドウェイゲームズ
ヨーロッパ ワーナーブラザーズ
UMD アメリカ合衆国 ULUS-10059
ヨーロッパ ULES-00180
21 Marble Madness アメリカ合衆国 200911122009年11月12日
BlackBerry EA Mobile EA Mobile ダウンロード -
22 Marble Madness アメリカ合衆国 201002012010年2月1日
Windows Mobile - - ダウンロード -
23 Marble Madness アメリカ合衆国 201004232010年4月23日
iPhone
iPod touch
(iOS)
ダウンロード -
FM TOWNS版、X68000版、PC-9801版
ホームデータより発売。X68000付属のマウスはトラックボールとしても使用可能だったことから、マウスまたはトラックボールで操作する仕様となっている。9801版については高速なCPUを搭載したマシンでないと、かなりストレスが溜まるゲームであった。
メガドライブ版
移植はテンゲンで日本国内のみで発売された。メガドライブ用マウス「セガマウス」を裏返してトラックボールとして使用した唯一のゲームであり、ほぼアーケード版を再現した移植度だった。尚、海外用メガドライブのセガジェネシスでは、テンゲン版よりも先行して1991年にエレクトロニック・アーツより発売されているが、移植内容はテンゲン版とは大幅に異なる。
PlayStation 2版
ゲーセンUSA ミッドウェイアーケードトレジャーズ』に収録。
PCエンジン版 - 未発売
前述のメガドライブ版を製作した、当時テンゲンに在住のプログラマーがPCエンジンへ移植作業を行っていたものの、製造原価やROM容量の不足等の諸事情により、完成直前の80パーセントほどまで製作が進んでいたが結果的には発売中止となった。これらの製作中の経緯は、メガドライブ版のマニュアルに開発者の手記として詳細が記述されている。
2016年に製作者本人が動画投稿サイトにPCエンジン実機で動作している動画をアップしており、開発途中のバージョンではあるがプレイ動画の閲覧は可能である。
日本国外版
日本国外ではファミリーコンピュータ(NES)、マスターシステムゲームボーイゲームボーイカラー等の家庭用ゲーム機、コモドール64Amigaなどのホビーパソコン等の数多くの機種に移植された。
尚、ゲームボーイ版は6面が削除されていたり、BGMのテンポが1面以外おかしかったりなど、NES版マーブルマッドネスを無理に移植したように見受けられる。

スタッフ

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  • デザイナー、グラフィック・プログラマー:マーク・サーニー
  • ゲーム・プログラマー:ボブ・フラナガン
  • アニメーター:サム・コムストック
  • サウンド・デザイン:ハル・カノン、ブラッド・フラー
  • ハードウェア・デザイン:サム・リー、ジェド・マーゴリン、ドン・パァウ、ダグ・スナイダー
  • システム・サポート:クリス・ダウンエンド、M.ホフ、J.リッター
  • ソフトウェア・サポート:マイク・オルボー、M.マハール、リッチ・モーア
  • ハードウェア・サポート:ジュアン・カスティリョ、エリック・ダーフィー、パトリック・マッカーシー、ミン・グエン

評価

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評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム4/5stars (AC)[3]
2/5stars (GBC)[4]
Computer and Video Games85/100点 (NES)[5]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー22/40点 (GEN)[6]
ファミ通25/40点 (MD)[7]
Nintendo Power3.1/5点 (GB)[8]
ASM9.33/10点 (Amiga)[9]
9/12点 (GB)[8]
7/12点 (GEN)[6]
8/12点 (SMS)[10]
Atari ST User8/10点 (ST)[11]
Commodore Force31/100点 (C64)[12]
Mean Machines88/100点 (GEN)[6]
メガドライブFAN20.5/30点 (MD)[13]
メガドライブ大全肯定的 (MD)[14]
アーケード版
  • 1998年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「演出とゲーム性がマッチしたユニークな敵ばかりだ」、「ミスった時の演出も非常に面白い」、「1プレイは5分程度だが、何ゲームも続けてプレイするとかなり疲れるゲームである」、「ゲーム性はもちろん、グラフィック、サウンドも素晴らしく、非常に完成度の高い名作だ」と紹介されている[15]
  • IGNの今井晋は、アーケード版を1984年のベストゲームに挙げており、操作体系がデジタル世界に直接手を入れるようなものだと述べ、現在(2018年1月15日)で言うところのVRゲームとさえ言えると評価している。さらに今井は、ビデオゲームとしては初めてとなるC言語FM音源の使用についても歴史に残るものだと述べている[16]
メガドライブ(日本)版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・5・6・7の合計25点(満40点)となっている[7]
  • ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り20.5点(満30点)となっている[13]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.3 3.2 3.4 3.3 3.6 3.7 20.5
  • ゲーム本『メガドライブ大全』(2004年太田出版)では、「メガドラへの移植にあたり、(中略)パッドでも、手の平で転がす繊細なコントロールは再現」、「無機質なCGやすぐれたサウンドもばっちり、これは最高の移植だ」と評している[14]

関連作品

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影響を受けたと見られる作品

脚注

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  1. ^ 【GDC2011】天才ゲームプロデューサー、マーク・サニーが語る彼のゲームデザイン手法の基礎 / GameBusiness.jp
  2. ^ 前田尋之「Chapter 2 メガドライブソフトオールカタログ 1993年」『G-MOOK145 メガドライブパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2018年6月29日、114 - 139頁。ISBN 9784862977779 
  3. ^ Marble Madness for Arcade (1984) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  4. ^ Marble Madness for Game Boy Color (1999) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  5. ^ Marble Madness for NES (1989) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  6. ^ a b c Marble Madness for Genesis (1999) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  7. ^ a b マーブルマッドネス まとめ [メガドライブ]/ ファミ通.com”. KADOKAWA CORPORATION. 2016年3月21日閲覧。
  8. ^ a b Marble Madness for Game Boy (1991) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  9. ^ Marble Madness for Amiga (1986) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  10. ^ Marble Madness for SEGA Master System (1992) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  11. ^ Marble Madness for Atari ST (1986) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  12. ^ Marble Madness for Commodore 64 (1986) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月30日閲覧。
  13. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、879頁、雑誌26556-4/15。 
  14. ^ a b 「Chapter 02 1989年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』太田出版、2004年9月29日、181頁。ISBN 9784872338805 
  15. ^ 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、93頁、ISBN 9784881994290 
  16. ^ あの頃のゲーム、僕らのGOTY――ロシアが史上最高のパズルゲームを世に送りだした1984年の個人ベストゲームは?”. IGN (2018年1月15日). 2019年3月10日閲覧。

外部リンク

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