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ミミセンザンコウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミミセンザンコウ
ミミセンザンコウ
ミミセンザンコウ Manis pentadactyla
保全状況評価[1][2][3]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 鱗甲目 Pholidota
: センザンコウ科 Manidae
: センザンコウ属 Manis
: ミミセンザンコウ
M. pentadactyla
学名
Manis pentadactyla
Linnaeus, 1758[3][4]
和名
ミミセンザンコウ[5]
英名
Chinese pangolin[3][4]

ミミセンザンコウ (Manis pentadactyla) は、哺乳綱鱗甲目センザンコウ科センザンコウ属に分類される哺乳類。センザンコウ属の模式種[4]

分布

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インド北部および北東部、タイ王国北西部、中華人民共和国台湾香港ネパールバングラデシュ北東部および北西部・南西部、ベトナム北部、ブータン南部、ミャンマー北部および西部、ラオス北部[3]

模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は、台湾[4]

特徴

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体長54 - 80cm程で、体重は2 - 7kgとなる。前肢は力強く、鋭いを持つ。また、は筋肉質であり、巻き付けて物を掴むことができる。頭部から背面、尾の先端にかけて茶 - 黄色の鱗で覆われている。

分類

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以下の亜種の分類は、Schlitter(2005)に従う[4]

  • Manis pentadactyla pentadactyla Linnaeus, 1758
  • Manis pentadactyla auritus Hodgson, 1836
  • Manis pentadactyla pusilla Allen, 1906

生態

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熱帯林・広葉樹林・針葉樹林・竹林・草原・農耕地など、様々な環境に生息する[3]。夜行性であり、単独で行動する。生活圏は地上及び樹上。動きは機敏で、巧みに樹に登る。力強い前肢と尾は樹上生活に適応した結果である。また、前肢は土を掘る事にも適応し、これで主食のアリシロアリを探す。そして、長い舌を使ってこれらの昆虫を舐めとることができる。外的に襲われた際は身体を丸めて身を守る。

妊娠期間は140日ほど。1 - 2頭の幼獣を出産する。

人間との関係

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中華人民共和国やベトナムでは食用とされたり、鱗が皮膚病・乳の出が良くなる・癌などに効能がある漢方薬になると信じられている[3]

食用や薬用の乱獲により、生息数が激減している[3]。採掘・水力発電用のダムや道路建設による生息地の破壊、交通事故、イヌによる捕食による影響も懸念されている[3]。中華人民共和国では1960 - 1990年代にかけて、生息数の88 - 94 %が減少したと推定されている[3]。1975年のワシントン条約発効時には(1995年からはセンザンコウ属単位で)ワシントン条約附属書II、2017年にワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]

出典

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  1. ^ I, II and III (valid from 28 August 2020)<https://cites.org/eng> [Accessed 13/02/2021]
  2. ^ a b UNEP (2020). Manis pentadactyla. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. [Accessed 13/02/2021]
  3. ^ a b c d e f g h i Challender, D., Wu, S., Kaspal, P., Khatiwada, A., Ghose, A., Ching-Min Sun, N., Mohapatra, R.K. & Laxmi Suwal, T. 2019. Manis pentadactyla (errata version published in 2020). The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T12764A168392151. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T12764A168392151.en. Downloaded on 13 February 2021.
  4. ^ a b c d e Duane A. Schlitter, "Order Pholidota," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Page 530 - 531.
  5. ^ 川田伸一郎, 岩佐真宏, 福井大, 新宅勇太, 天野雅男, 下稲葉さやか, 樽創, 姉崎智子, 横畑泰志世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1 - 53頁。
  • ジュリエット・クラットン・ブロック 著、渡辺健太郎 訳『世界哺乳類図鑑』新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年、135頁頁。ISBN 4-7875-8533-9 

関連項目

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