ムラサキヤハズカズラ
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ムラサキヤハズカズラ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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ムラサキヤハズカズラの花
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Thunbergia affinis S.Moore | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Bush Clockvine |
ムラサキヤハズカズラ(学名:Thunbergia affinis)はキツネノマゴ科ヤハズカズラ属の常緑低木。
ムラサキヤハズカズラとコダチヤハズカズラ
[編集]沖縄県内では萼長や葉形等が異なる2つの型がみられ、同様の形態を示す種をコダチヤハズカズラとしている例があるが[1]、本項ではT. affinisの原記載論文[2]中の記述”calycis lobis elongatis””margine undulata vel fere omnino integra”(萼は長く伸びる、葉縁は波打ち全縁)及び林・名嘉(2022)の記述[3]に従い、長い萼と全縁の葉をもつ種をムラサキヤハズカズラに充てる。両種はヤハズカズラ属内でも遺伝子レベルで近縁とされる[4]。
特徴
[編集]ムラサキヤハズカズラは高さ0.5–1.5 m、葉は楕円形で長さ3–8 cm、葉縁は波打つが鋸歯はない。花は漏斗状の形態で直径7 cmほど、筒部の外側は白く、5弁に分かれた先端部はコダチヤハズカズラより濃い紫色で、中心は黄色を呈する。萼は長い[2][5][3]。
分布と生育環境、利用
[編集]熱帯アフリカ西部原産で、昭和10年頃に日本へ入ったとされる[6]。環境適応力に優れ、土質、陽光地、日陰を問わず良く生育する。庭木や公園樹に向き、萌芽力が強く、刈込用生垣に利用される。半日陰では徒長枝が3 m以上に伸びることがあり、樹形を保つには剪定を要する。挿木で繁殖可能。病虫害は少ない[5][3]。
脚注
[編集]- ^ (大川 & 林 2016, p. 418)
- ^ a b (Moore 1880, p. 5)
- ^ a b c (林 & 名嘉 2022, p. 272)
- ^ (Borg, McDate & Schönenberger 2008, p. 4)
- ^ a b (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 29)
- ^ (最新園芸大辞典編集委員会 1983, p. 112–113)
参考文献
[編集]- 米倉浩司・梶田忠 (2003年). “ムラサキヤハズカズラ Thunbergia affinis S.Moore”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). http://ylist.info/. 2024年6月14日閲覧。
- 最新園芸大辞典編集委員会『最新園芸大辞典』誠文堂新光社、東京都千代田区、1983年。ISBN 4416483074。
- 海洋博記念公園管理財団『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732。 ※ ツンベルギア(別名ムラサキヤハズカズラ)と表記、挿絵の葉形(鋸歯状突起の有無)がコダチヤハズカズラと逆になっている
- 林将之; 名嘉初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350。
- 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。 ※ コダチヤハズカズラと記述
- Moore, S (1880), “Alabastra Diversa”, Journal of botany, British and foreign. (London) 18: 1–42
- Borg, Agneta Julia; McDate, Lucinda A; Schönenberger, Jürg (2008), “Molecular phylogenetics and morphological evolution of Thunbergioideae (Acanthaceae)”, Taxon 57 (3): 1–12