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メチルマロニルCoAムターゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メチルマロニルCoAムターゼ
メチルマロニルCoAムターゼ
識別子
EC番号 5.4.99.2
CAS登録番号 9023-90-9
データベース
IntEnz IntEnz view
BRENDA BRENDA entry
ExPASy NiceZyme view
KEGG KEGG entry
MetaCyc metabolic pathway
PRIAM profile
PDB構造 RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum
遺伝子オントロジー AmiGO / QuickGO
検索
PMC articles
PubMed articles
NCBI proteins
テンプレートを表示

メチルマロニルCoAムターゼ(英: Methylmalonyl Coenzyme A mutase)は、メチルマロニルCoAスクシニルCoAへの異性化触媒する酵素であり、主要な代謝経路に含まれている。これが機能するためには、ビタミンB12誘導体補因子であるアデノシルコバラミンが必要である。

機能

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メチルマロニルCoAムターゼの基質であるイソロイシンバリンスレオニンメチオニンチミンコレステロール奇数鎖脂肪酸の代謝と消化により形作られるプロピオニルCoAメチルマロニルCoAの主な原料である。この酵素の産生物であるスクシニルCoAは、クエン酸回路の主要な分子である。MCMはミトコンドリア内に所在し、メチオニン、スレオニン、チミン、奇数鎖脂肪酸と同様に分岐鎖アミノ酸であるイソロイシンやバリンを含む多数の物質も同様にミトコンドリア内に存在し、これらの物質はメチルマロン酸セミアルデヒド(MMISA)やプロピオニルCoAを経て普通の化合物であるメチルマロニルCoAに代謝される。

遺伝子

[編集]
MMUT
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

2XIJ, 2XIQ, 3BIC

識別子
記号MMUT, MCM, methylmalonyl-CoA mutase, Methylmalonyl Coenzyme-A mutase, MUT
外部IDOMIM: 609058 MGI: 97239 HomoloGene: 20097 GeneCards: MMUT
遺伝子の位置 (ヒト)
6番染色体 (ヒト)
染色体6番染色体 (ヒト)[1]
6番染色体 (ヒト)
MMUT遺伝子の位置
MMUT遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点49,430,360 bp[1]
終点49,463,253 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
17番染色体 (マウス)
染色体17番染色体 (マウス)[2]
17番染色体 (マウス)
MMUT遺伝子の位置
MMUT遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点41,245,576 bp[2]
終点41,272,879 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 modified amino acid binding
isomerase activity
触媒活性
金属イオン結合
intramolecular transferase activity
methylmalonyl-CoA mutase activity
GTPase activity
血漿タンパク結合
cobalamin binding
identical protein binding
protein homodimerization activity
細胞の構成要素 ミトコンドリアマトリックス
ミトコンドリア
生物学的プロセス cobalamin metabolic process
homocysteine metabolic process
代謝
post-embryonic development
positive regulation of GTPase activity
short-chain fatty acid catabolic process
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_000255

NM_008650

RefSeq
(タンパク質)

NP_000246
NP_000246.2

NP_032676

場所
(UCSC)
Chr 6: 49.43 – 49.46 MbChr 6: 41.25 – 41.27 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス

ヒトにおいてこの酵素の遺伝子はMUTとして知られている[5]

病理学

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この酵素の欠乏は、メチルマロン酸血症の原因である代謝遺伝病であるメチルマロニルCoAムターゼ欠乏症によって起こる。

メカニズム

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MUTの反応メカニズムは、アデノシルコバラミンのC-Co(III)結合の均一開裂で始まり、CとCoの原子とも電子を受け取り、電子対結合の開裂を形成する。Coイオンは、Co(III)とCo(II)の間の酸化状態を変動している。この2つの状況は分光測色法で判別が可能であり、Co(III)は赤色で反磁性不対電子なし)でCo(II)は黄色で常磁性(不対電子あり)である。それゆえ、触媒反応でのビタミンB12の役割は、可逆の自由ラジカルを生成することである。C-Co(III)結合が元々弱く(解離エネルギー=109 kJ/mol)、酵素の立体的相互作用により結合力がさらに弱くなっているためC-Co(III)結合はこのメカニズムに大変適している。均一開裂反応は生化学では普通ではなく、ほとんどの生化学的な結合の開裂反応は異種開裂(開裂反応を形成する電子対は分離した原子のひとつにより十分に獲得できる。)を経て起こる。

 ---> 
メチルマロン酸         コハク酸

MUT's reaction mechanismMUT's reaction mechanism

脚注

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  1. ^ a b c GRCh38: Ensembl release 89: ENSG00000146085 - Ensembl, May 2017
  2. ^ a b c GRCm38: Ensembl release 89: ENSMUSG00000023921 - Ensembl, May 2017
  3. ^ Human PubMed Reference:
  4. ^ Mouse PubMed Reference:
  5. ^ Entrez Gene: MUT methylmalonyl Coenzyme A mutase”. 2010年10月31日閲覧。

参考

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