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メルセデス・ベンツ・W114

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メルセデス・ベンツ・W114/W115
セダン
クーペ
概要
販売期間 1968年 - 1976年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
2ドアクーペ
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 2.0L,2.2L,2.3L直列4気筒
2.3L,2.5L,2.8L直列6気筒
2.2L,2.4L直列4気筒ディーゼル
3.0L直列5気筒ディーゼル
車両寸法
ホイールベース 2,750 mm - 3,400mm
全長 4,680 mm - 5,340 mm
全幅 1,770 mm -1,790 mm
全高 1,395 mm - 1,440 mm
車両重量 1,360 kg - 1,555 kg
系譜
先代 メルセデス・ベンツ・W110
後継 メルセデス・ベンツ・W123
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メルセデス・ベンツ・W114Mercedes Benz W114 )は、ドイツの自動車メーカーであるダイムラー・ベンツメルセデス・ベンツブランドで展開していた自動車である。W114は6気筒ガソリン車で、W115は4気筒ガソリン車、4気筒ディーゼル車及び5気筒ディーゼル車であった。

W110の後継として1968年から販売され、1976年にW123にバトンタッチする。

概要

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W114/W115は1968年に発売されたことからstroke8とも呼ばれたが、一般的にはコンパクトという呼称で、上位モデルSクラスと区別された。「Sクラスより小型で扱いやすい」との意。次モデルのW123も、より小型の190クラス(W201)が登場するまでは「コンパクト」と呼ばれた。

世界初の5気筒ディーゼルエンジンを採用している。モデル240D 3.0、300D

1973年にはマイナーチェンジを行い、外観・内装の変更及びエンジンの改良が行われた。これは同年発表されたSクラス(W116)に準じた改良で、当時の安全実験車ESFでの研究成果を採り入れたものである。より高い位置に上げられたフロントバンパー、雨天走行時の窓汚れを低減するAピラーとリアウインドウのレインチャンネル、ヘッドライトワイパー、泥などの汚れが付着しにくい凹凸形状のリアコンビネーションランプ、大きなセンターパッドをもつ衝撃吸収式ステアリング・ハンドル、フロント三角窓の廃止、猫の耳のような形状のヘッドレストなど。

クーペモデルはピラーレスハードトップで、モデル表記では、数字の次にCが付く。250C(2.5Lキャブレター)、250CE(2.8L燃料噴射)と280CE(2.8L燃料噴射ツインカム)がラインナップされた。ダイムラー・ベンツは1950年代からガソリンエンジンの燃料噴射技術に積極的に取り組んでおり、300SLRなどのレース専用モデルのみならず、市販型300SLなどの高価なスーパースポーツモデルにも採用してきた。1969年、250CEにダイムラー・ベンツの汎用乗用車として初めて電子制御式燃料噴射システム、Dジェトロニック採用した。以後、ボッシュ製K-ジェトロニック燃料噴射システムを採用するまでは、Dジェトロニックを採用。

モデル

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W114

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シャーシコード 製造年 モデル エンジン
排気量 モデル タイプ
W114 1968年–1972年 230.6 2.3 L M180 直列6気筒
W114 1968年–1972年 250 2.5 L M114 直列6気筒
W114 1969年–1972年 250/8 2.5 L M130 直列6気筒
W114 1969年–1972年 250C 2.5 L M130 直列6気筒
W114 1972年–1976年 280 2.8 L M110 直列6気筒
W114 1973年–1976年 280C 2.8 L M110 直列6気筒

W115

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シャーシコード 製造年 モデル エンジン
排気量 モデル タイプ
W115 1968年–1973年 200 2.0 L M121 直列4気筒
W115 1973年–1976年 200 2.0 L M115 直列4気筒
W115 1968年–1973年 220 2.2 L M115 直列4気筒
W115 1968年–1974年 220D 2.2 L OM615 ディーゼル 直列4気筒
W115 1973年–1976年 230.4 2.3 L M115 直列4気筒
W115 1973年–1976年 240D 2.4 L OM616 ディーゼル 直列4気筒
W115 1975年–1976年 300D 3.0 L OM617 ディーゼル 直列5気筒

走行記録

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ギリシャテッサロニキタクシー運転手グレゴリオス・サキニディスは1981年、1台の1976年式W115「240D」を、5年落ち22万km走行の中古車として西ドイツ本国で中古購入した。サキニディスはこれをギリシャ本国へ自力回送してタクシー営業に投入、エンジンはオーバーホール用のスペア分を用意して11回の換装を繰り返しながら、23年間走らせ続けた。新車から2004年7月までの累計走行距離は460万kmとなり、1台の乗用車としては他にほとんど例のない数値である[1]

2004年、ドイツ・シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ・ミュージアムはサキニディスに要請して該当のW115の寄贈を受け、同車はベンツ・ミュージアムに保存されている。ドイツまで自走してきたサキニディスには当時最新型のCクラスセダン(W203)が寄贈され、彼はこれに乗ってギリシャへ帰った[2]

関連項目

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  1. ^ ただしタクシー営業での酷使という商用条件を考慮する必要がある。ギネス世界記録ではオーナーカーにおいてこれを上回る482万km以上の累計走行記録が、2013年にアメリカ人アーヴ・ゴードンと彼の所有する1966年式ボルボ・P1800Sによって達成されている。
  2. ^ 走行460万kmのメルセデスベンツ!! 博物館に寄贈(レスポンス)