モチーフのL関数
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数学の (モチーフのえるかんすう、英: motivic L-functions)とは、ハッセ・ヴェイユの L 関数を大域体上の一般のモチーフへと一般化したものである。有限素点 v における局所 L 因子はモチーフの v 進実現における v での惰性群で不変な空間に作用する v におけるフロベニウス元の固有多項式によって与えられる。無限素点については、ジャン=ピエール・セールが論文 (Serre 1970) にていわゆるガンマ因子のレシピをモチーフのホッジ実現の言葉で与えた。他の L 関数同様、モチーフの L 関数も複素平面全体へ有理型関数に解析接続でき、モチーフ M の L 関数 L(s, M) をモチーフ M の双対 M∨ の L 関数 L(1 − s, M∨) と関係づける関数等式があるだろうと予想されている[注釈 1]。
諸例
[編集]アルティン L 関数やハッセ・ヴェイユ L 関数が基本的な例である。また、例えば (Scholl 1990) によって新形式(原始的なカスプ形式のこと)に付随するモチーフが構成されているので、これの L 関数もモチーフの L 関数である。
予想
[編集]モチーフの L 関数について様々な予想が立てられている。モチーフの L 関数はすべて保型 L 関数として生じ[1]、したがってセルバーグクラスの L 関数であろうと信じられている。これらの L 関数の整数での値に関する予想としては、ドリーニュ予想、ベイリンソン予想、ブロック・加藤(の L 関数の特殊値についての)予想などがある。これらはリーマンゼータ関数については知られていることの一般化である。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 関数等式が s における値と w + 1 − s における値を関係付けるような正規化もよく用いられる。ここで w はモチーフの重さ(weight)である。
出典
[編集]参考文献
[編集]- Deligne, Pierre (1979), “Valeurs de fonctions L et périodes d'intégrales”, in Borel, Armand; Casselman, William (French), Automorphic Forms, Representations, and L-Functions, Proceedings of the Symposium in Pure Mathematics, 33, Providence, RI: AMS, pp. 313–346, ISBN 0-8218-1437-0, MR0546622, Zbl 0449.10022
- Langlands, Robert P. (1980), “L-functions and automorphic representations”, Proceedings of the International Congress of Mathematicians (Helsinki, 1978), 1, Helsinki: Academia Scientiarum Fennica, pp. 165–175, MR0562605, オリジナルの2016-03-03時点におけるアーカイブ。 2011年5月11日閲覧。 alternate URL
- Scholl, Anthony (1990), “Motives for modular forms”, Inventiones Mathematicae 100 (2): 419–430, Bibcode: 1990InMat.100..419S, doi:10.1007/BF01231194, MR1047142
- Serre, Jean-Pierre (1970), “Facteurs locaux des fonctions zêta des variétés algébriques (définitions et conjectures)”, Séminaire Delange-Pisot-Poitou 11 (2 (1969–1970) exp. 19): 1–15
- 『L関数の特殊値とその周辺』《第4回C班》〈琵琶湖若手数学者勉強会〉2010年 。