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モノメチルアウリスタチンF

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モノメチルアウリスタチンF
識別情報
略称 MMAF
CAS登録番号 745017-94-1 チェック
PubChem 10395173
ChemSpider 8570614
UNII 1Z1AI9IW5L チェック
特性
化学式 C39H65N5O8
モル質量 731.96 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

モノメチルアウリスタチンF(Monomethyl auristatin F;MMAF)は、合成抗悪性腫瘍剤である[1]多発性骨髄腫治療薬のベランタマブ マホドチン英語版や、ボルセツズマブ マホドチン英語版デニンツズマブ マホドチン英語版等一部の実験的抗がん抗体薬物複合体の一部をなす。MMAF-MAB-複合体の国際一般名では、MMAFに抗体との結合構造(下記参照)を加えたものをマホドチン(mafodotin)という[2]

作用機序

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モノメチルアウリスタチンFは、微小管の重合阻害により細胞分裂を抑制する抗有糸分裂薬英語版である。がん細胞上の構造に親和性の高い抗体と結合し、MMAFをがん細胞内に蓄積させる[3]

化学的特徴

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MMAFとモノクローナル抗体(MAB)の結合構造の例。この例では結合基はマレイミドカプロン酸からなる。この構造はマホドチンと呼ばれる。

MMAFは実際にはデスメチルアウリスタチンFである。即ち、N末端のアミノ基(構造式左側)は、アウリスタチンFでは2つのメチル基で置換されているが、MMAFでは1つのメチル基でしか置換されていない[3]

関連項目

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参考資料

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  1. ^ Tai, Y. T.; Mayes, P. A.; Acharya, C; Zhong, M. Y.; Cea, M; Cagnetta, A; Craigen, J; Yates, J et al. (2014). “Novel afucosylated anti-B cell maturation antigen-monomethyl auristatin F antibody-drug conjugate (GSK2857916) induces potent and selective anti-multiple myeloma activity”. Blood 123 (20): 3128–38. doi:10.1182/blood-2013-10-535088. PMC 4023420. PMID 24569262. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4023420/. 
  2. ^ Statement on a nonproprietary name adopted by the USAN Council: Mafodotin
  3. ^ a b Dosio, F.; Brusa, P.; Cattel, L. (2011). “Immunotoxins and Anticancer Drug Conjugate Assemblies: The Role of the Linkage between Components”. Toxins 3 (12): 848–883. doi:10.3390/toxins3070848. PMC 3202854. PMID 22069744. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3202854/.