モルドバ軍
モルドバ軍 Armata Națională a Republicii Moldova | |
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創設 | 1992年9月2日 |
派生組織 |
モルドバ陸軍 モルドバ空軍 |
本部 | キシナウ |
指揮官 | |
最高司令官 | マイア・サンドゥ大統領 |
国防大臣 | アナトリー・ノサティ |
参謀長 | イゴール・ゴーガン |
総人員 | |
徴兵制度 |
リスト
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財政 | |
予算 | 4550万ドル(2022年) |
モルドバ軍(モルドバぐん、ルーマニア語: Armata Națională a Republicii Moldova)は、モルドバの国軍である。
概要
[編集]国防予算は4550万米ドル(2022年)[1]。総人員数は現役5,150名(陸軍3,250名、空軍600名、兵站支援1,300名)、予備役58,000名[1]。また、準軍事部隊(内務省)900名も有する[1]。
モルドバは、旧ソビエト連邦に関連する すべての軍備管理義務を受け入れている。同国は1992年10月30日、ヨーロッパにおける通常戦力条約を批准。この条約は、従来の軍事装備の主要カテゴリーにおいて包括的な制限を設け、それらの制限を超える兵器の破棄を規定するものとなっている。
また、1994年3月16日には北大西洋条約機構の平和のためのパートナーシップに加盟。同年10月にはワシントンDCで核不拡散条約に加盟している。
なお、同国軍は核兵器ならび化学兵器・生物兵器を常備しない軍隊である。
歴史
[編集]1990年11月2日、モルドバ国家の形成に先立って、MSSRの最高会議は、軍事化された政府機関として「共和国親衛隊」(モルドバ語: Garda Republicană)の創設を指令する。
この部隊はのちに1991年9月3日に「共和国軍」へ編成され、その後、ソ連崩壊による「モルドバ共和国」としての絶対的な独立時に現在のモルドバ軍となった。
当初は12,000 - 15,000人の志願兵への移行が計画されていたが、1991年に同国内の紛争が勃発すると18歳~40歳の男性が徴兵・動員され、軍組織が一時的に拡大された。
2021年11月、モルドバ議会はモルドバ軍の国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)への参加を承認。2022年8月から派遣が行われている[2]。
機構
[編集]同国軍の参謀は現在、以下の形で構成されている。
- 参謀本部(所在地はキシナウ)
- 陸軍司令部
- 空軍司令部
- 人事局
- 参謀司令部
- 兵站総局
- 戦略計画局
- 通信情報システム総局
- 教育・訓練および教義総局
- 計画・財務・監視局
- 法務部門
- 医療部門
- 参謀連隊「ニコラエ・ペトリカ准将」(Generalul de brigadă Nicolae Petrică)
組織・編制
[編集]装備
[編集]陸軍
[編集]装甲戦闘車両
[編集]対戦車兵器
[編集]- 9K111 ファゴット 対戦車ミサイル[1]
- 9K111-1 コンクールス 対戦車ミサイル[1]
- SPG-9 無反動砲[1]
- MT-12 100mm対戦車砲 ×31門[1]
火砲・ロケット砲
[編集]- M-30 122mm榴弾砲 ×16門[1]
- 2A36 ギアツィント-B 152mmカノン砲 ×20門[1]
- D-20 152mm榴弾砲 ×31門[1]
- 9P140 ウラガン 自走多連装ロケット砲 ×11両[1]
- 2S9 ノーナ-S 120mm自走迫撃砲 ×9両[1]
- BM-37 82mm迫撃砲 ×75門[1]
- M-1989 120mm迫撃砲 ×50門[1]
- PM-38 120mm迫撃砲 ×7門[1]
対空兵器
[編集]その他
[編集]2014年11月12日、米国がモルドバ国軍の平和維持活動大隊へ「モルドバの平和維持の能力を高める為」としてハンヴィーを寄贈ならび寄附している[3]。
空軍
[編集]「モルドバ空軍」を参照
その他
[編集]- モルドバ東部にはモルドバから事実上の独立を宣言している「沿ドニエストル共和国」が存在し[4][5]、独自の軍隊(沿ドニエストル共和国軍)を有している[6]。また、同地にはロシア軍が駐留している(在モルドバ共和国沿ドニエストル地域ロシア軍作戦集団)[6][7]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. pp. 181-182. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ “Moldova joins UNIFIL”. janes.com (2022年8月24日). 2024年9月12日閲覧。
- ^ "2014 – Embassy of the United States Chișinău, Moldova".
- ^ “モルドバはどんな国? 沿ドニエストルとは? ロシア介入の可能性は”. 朝日新聞社 (2022年4月29日). 2024年9月11日閲覧。
- ^ “【解説】モルドバの親ロシア派支配地域「沿ドニエストル共和国」”. AFP通信 (2022年5月3日). 2024年9月11日閲覧。
- ^ a b “写真で見る… モルドバの親ロシア派支配地域「トランスニストリア」を訪ねてみた”. businessinsider.jp (2022年1月3日). 2024年9月11日閲覧。
- ^ “東欧最大の弾薬庫を抱えるモルドバにロシアが不穏な言動 「侵攻の恐れ」と分析するメディアも”. 東京新聞社 (2023年3月6日). 2024年9月11日閲覧。
関連項目
[編集]- カラビニエリ - モルドバの準軍事組織であり国家憲兵隊(国内軍)の役割を担っている。管轄は同国の内務省で1992年1月に創設された。国外での通称は「カラビナ軍」
- 第1自動車化歩兵旅団「モルドバ」
- 第86親衛戦闘航空連隊 - ソ連空軍の戦闘航空連隊であったが、1989年にソ連海軍航空隊へ移管。ソ連崩壊後は基地の所在地であったモルドバ空軍の指揮下に入る。