ヤマムグラ
ヤマムグラ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Galium pogonanthum Franch. et Sav. (1878)[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ヤマムグラ(山葎)[3] |
ヤマムグラ(山葎、学名:Galium pogonanthum)は、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草[3][4][5]。
特徴
[編集]根茎は短く、節からひげ根を出す。根茎およびひげ根ともに橙色。茎は下部で枝分かれして束生し、直立して、長さは10-40cmになる。茎は細く暗緑色で光沢があり、ふつう毛はない。葉は4個が輪生し、各輪が隔たって茎につく。葉身は長さ1-2cm、幅2-4mm、広線形または狭倒披針形で、先は円頭、基部はしだいに狭まり、縁に上向きの短毛が生える。葉の表面は無毛で、裏面の中央葉脈に上向きの短毛が生える。輪生する4個の葉は1対ずつに大きさや形が異なる。これらの輪生する葉は、対生する本来の2個の葉と、残りの2個の、葉と同形の托葉となり、本来の葉の方が托葉となる葉より長い[3][4][5]。
花期は5-6月。枝先から細い花序を出し、数個の小さな花をつける。花柄は長さ3-10mmで細い。萼筒は鐘形。花冠は杯形で、径1.5mm、淡緑色で先は4裂し、裂片は卵形で先端はとがり、外側に微細な刺毛が生える。花冠はよく似るヒメヨツバムグラ G. gracilensよりは大きい。雄蕊は4個あり、子房は2室に分かれ、各室に1個の胚珠がある。果実は2個の分果からなり、各分果に1個の種子がある。分果はやや楕円形で、表面には上向きに曲がった短毛がやや密に生える[3][4][5]。
分布と生育環境
[編集]日本では、本州、四国、九州に分布し、山地のやや乾いた林内に生育する[3][4][5]。世界では、朝鮮半島に分布する[4][5]。
名前の由来
[編集]和名ヤマムグラは「山葎」の意[3]。山地生のヨツバムグラ G. trachyspermum の類の意味[3]。ムグラ(葎)は、草むら、藪の意味がある[6]。
種小名(種形容語)pogonanthum は、「ひげのある花の」の意味[7]。
ギャラリー
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花冠は杯形で淡緑色、先は4裂し、裂片は卵形で先端はとがり、外側に微細な刺毛が生える。
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輪生する4個の葉は1対ずつに大きさや形が異なる。
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茎は細く、下部で分枝して這い上がる。
下位分類
[編集]- ケナシヤマムグラ Galium pogonanthum Franch. et Sav. f. nudiflorum (Makino) Ohwi (1953)[8] - 花冠裂片の外側に毛のないものを品種としている[4][5]。
- オオヤマムグラ Galium pogonanthum Franch. et Sav. var. trichopetalum (Nakai) H.Hara (1950)[9] - 茎に開出毛が生え、葉に毛が多いものを変種としている。本州の近畿地方以西、四国に分布し、山地に生育する[4][5]。別名、オヤマムグラ[9]。
- ヤクシマヤマムグラ Galium pogonanthum Franch. et Sav. var. yakumontanum T.Yamaz. (1991)[10] - 屋久島に固有の変種。基本種と比べ、全体に軟弱で、丈が低く、葉が広く小さい。花冠に毛がない[11]。
脚注
[編集]- ^ ヤマムグラ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ヤマムグラ(シノニム)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f g 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.390
- ^ a b c d e f g 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』p.275
- ^ a b c d e f g 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.972
- ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 春』pp.324-325
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1508
- ^ ケナシヤマムグラ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b オオヤマムグラ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ヤクシマムグラ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ 山崎敬「アジア産ヤエムグラ属数種の分類学的検討」, The Journal of Japanese Botany 『植物研究雑誌』Vol.66, No.1, pp51-52. (1991)
参考文献
[編集]- 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 春』、2002年、山と溪谷社
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 4』、2017年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 山崎敬「アジア産ヤエムグラ属数種の分類学的検討」, The Journal of Japanese Botany 『植物研究雑誌』Vol.66, No.1, pp51-52. (1991)
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)