ヤング・レディース
ヤング・レディースは、日本における女性向けの漫画のジャンル。大人の若年(20代を中心とする)女性の生活や恋愛を描いていたが、2020年時点の読者は30代以上が中心となっている[1][2]。「大人女子マンガ」とも言われる。レディースコミックとは一線を画し、過激なポルノ表現は控えめな傾向である[3]。
近似する年代の女性読者を対象とする少女漫画誌(『月刊flowers』、『MELODY』など)と執筆者が重複することが多い。
歴史
[編集]ヤング・レディース雑誌の成立には大きく分けて『女学生の友』『セブンティーン』といったティーンズ向けの総合情報誌から漫画版として独立したものと、先行するレディース誌を母体として生まれたもの(多くは母体誌に「ヤング」がつけられた誌名であった)の2種類がある。
このジャンルの先駆者として講談社から『mimi』が1975年に創刊された。その当時は少女・女性向け漫画の年齢戦略が現在ほど細分化しておらず、ハイティーンより上の年代を読者層として想定していた。1977年に小学館から『プチセブン』の漫画版として創刊された『プチコミック』も同様である。
1980年代中盤には女性漫画(レディースコミック)が隆盛し、次いでレディース誌と少女誌の隙間とされた年代をターゲットにした雑誌が続々と創刊され、ヤング・レディースというジャンルが確立した。
1990年代後半、女性漫画のブームが落ち着くと共に淘汰が進み、大手出版社以外はこの分野からほぼ撤退している。「ヤング」付きの誌名を持つ雑誌は『FEEL YOUNG』一誌を残すのみとなった。
2010年代、レディースコミックの読者層が上がるに伴って (例えばBE・LOVEやオフィスユーでは40代以上が中心となっている[4][2]) 、ヤング・レディース雑誌の読者層も上がっている。例えば2020年時点の講談社の広報資料によれば『Kiss』の読者構成は35歳以上の読者が約半数となっており、30代以上の読者が全体の約72%となっている[1]。また、集英社の広報資料によれば『Cocohana』の読者構成も35歳以上の読者が約半数となっており、30歳以上の読者が全体の約72%となっている[2]。また、2016年に日本雑誌協会が発行した『マガジンデータ2017』では『FEEL YOUNG』編集長が自身の雑誌について「おしゃれなアラサー女子に人気の執筆陣が連載」していると述べている[5][6]。
2015年の元『Cocohana』編集者 (当時マーガレットの編集長) へのインタビューによれば、Cocohanaの読者層は30代のため、Cocohanaでは「人生に寄り添うような」話を担当作家にお願いしていたと述べている[7]。
ヤング・レディースコミック雑誌
[編集]休廃刊
[編集]代表的な作家
[編集]- 有間しのぶ
- 一条ゆかり
- 伊藤理佐
- 羽海野チカ
- 小川彌生
- 小沢真理
- おかざき真里
- 桜沢エリカ
- 谷川史子
- 稚野鳥子
- 魚喃キリコ
- 西村しのぶ
- 二ノ宮知子
- ねむようこ
- 東村アキコ
- 三原ミツカズ
- 榛野なな恵
- ヤマシタトモコ
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ a b Kiss|講談社AD STATION (2020年時点のキャッシュ) 講談社
- ^ a b c 集英社 MEDIA GUIDE 2020 広告媒体資料 p.30 集英社 2020年
- ^ “女子が性表現の消費者になることの意味―「第7回青少年の性行動全国調査」データから” (PDF). 守如子(関西大学) (2017年9月27日). 2024年2月1日閲覧。
- ^ BE・LOVE|講談社AD STATION (2020年時点のキャッシュ) 講談社
- ^ ポプテピピック作者の「ショート新連載」が本当にショートすぎる KAI-YOU 2017年2月8日
- ^ 『マガジンデータ2017』 日本雑誌協会 2016年12月21日
- ^ マーガレットコミックス特集 ~あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言~ 番外編 マーガレット&別冊マーガレット編集長インタビュー (2/3) ナタリー 2015年