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ヨコハマメリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヨコハマメリー
監督 中村高寛
製作 白尾一博
片岡希
出演者 永登元次郎
五大路子
杉山義法
清水節子
広岡敬一
団鬼六
山崎洋子
大野慶人
福寿祁久雄
松葉好市
森日出夫
音楽 SINCE
(コモエスタ八重樫+福原まり)
主題歌 渚ようこ
伊勢佐木町ブルース
撮影 中澤健介
山本直史
編集 白尾一博
制作会社 人人FILMS
配給 ナインエンタテインメント
公開 日本の旗 2006年4月15日
上映時間 92分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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ヨコハマメリー』は、日本のドキュメンタリー映画

中村高寛の初監督作品。2005年制作、2006年4月15日公開。カラー/スタンダード/1時間32分。

作品概要

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白塗りの厚化粧をしてドレスに身を包み、街角に出没して横浜の風景の一部となっていたホームレスの老嬢メリーさん1995年の初冬、人知れず姿を消した彼女の半生を、若きスタッフたちは多くの関係者の証言をもとに追いかける。5年の歳月をかけた地道な作業の積み重ねの中からメリーさんの実像が次第に浮かび上がるとともに、証言者たちそれぞれの戦後史もまた浮き彫りにされていくのだった。それは横浜という街の、そして日本という国の歴史の一断面でもある。

出演

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ほか

スタッフ

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  • 監督・構成:中村高寛
  • 企画・制作:人人FILMS
  • プロデューサー:白尾一博、片岡希
  • 撮影:中澤健介、山本直史
  • 編集:白尾一博
  • MA:濱田豊、prestage
  • 音響効果:斎木琢磨
  • 音楽:SINCE(コモエスタ八重樫+福原まり)
  • 写真:森日出夫
  • 宣伝美術:鈴木一誌
  • イラスト:宇野亜喜良
  • 提供:レントラックジャパン、ナインエンタテインメント
  • 配給:ナインエンタテインメント
  • 配給協力・宣伝:アルゴ・ピクチャーズ

主題歌

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作詞:川内康範/作曲:鈴木庸一/編曲:コモエスタ八重樫、福原まり

評価

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映画評論家の高崎俊夫は、本作品は「先鋭的な方法論も、奇を衒ったアプローチも使わずに、対象にまっすぐ素手で触れるような親密さにあふれたドキュメンタリー」であり、大島渚のドキュメンタリーの定義を満たした作品になっていると賛辞を送っている[1]

また批評家のチャック・スティーブンスは、本作品が現代人の直面する疎外という状況とそこに暗示的に含まれる存在と不在のダイナミズムに関する興味深い考察であると述べたうえで、メリーさんが自らの存在を周りの人に良く見せようとする一方、その自己呈示を超えて、最終的に感動的な存在として姿を現すように、この作品もまた自己呈示の枠を超え、頑なに終焉を拒む生が死さえもおびやかし、(一時的とはいえ)敗北に追い込んでいく様を描く感動的な映画になっていると評している[2]

受賞

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参考文献

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  • 『天使はブルースを歌う』 - 作家・山崎洋子のノンフィクション
  • 『消えた横浜娼婦たち』 - 作家・檀原照和のノンフィクション

関連項目

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  • 横浜ニューテアトル - メリーさんがしばしば目撃された横浜・伊勢佐木町の映画館。本作公開時には長蛇の列ができ[3]、2018年6月1日の閉館イベントでも上映された[4]
  • 不思議な少年 (漫画) - メリーさんをモデルにしたストーリーが収録されている(第二十九話「ヨコハマ・リリイ」)。

脚注

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  1. ^ 高崎俊夫. “傑作といわれる定義を満たしたドキュメンタリー”. キネマ旬報 (キネマ旬報社) No. 1455 (2006 5月上旬号): 61-62. 
  2. ^ Chuck Stephens (January/February 2007), Rayns Clouds Over Vancouver, Film Comment, 43, Film at Lincoln Center, pp. 69 
  3. ^ 映画館「横浜ニューテアトル」が閉館 46年の歴史に幕 - タウンニュース 2018年5月17日
  4. ^ 『ヨコハマメリー』が再び伊勢佐木町に。横浜ニューテアトル、最後のイベントが決定 - はまれぽ.com 2018年5月20日

外部リンク

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