ラリー・メキシコ
ラリー・メキシコ | |
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状況 | 平常 |
種類 | 世界ラリー選手権 |
頻度 | 毎年 |
開催国 | メキシコ |
初回開催 | 1979年 |
ラリー・メキシコ(Rally Mexico、旧称ラリー・アメリカ)はメキシコのグアナフアト州で開催される世界ラリー選手権 (WRC) の一戦。コロナビールが冠スポンサーを務める。
特徴
[編集]1979年に「ラリー・アメリカ」としてスタート。2002年から名称を変更し、2004年よりWRCに昇格した。ターマックのモンテカルロ、雪のスウェーデンに続いて行なわれる、WRCシーズン最初のグラベルラリーとして定着している。グラベルラリーの中では高速タイプで、乾燥したラフな路面は砂埃が多い。
首都メキシコシティから北西400kmに位置する、グアナフアト州最大の都市レオン周辺で開催される。世界遺産に指定されているグアナフアト市街地で行なわれるスーパーSSでは、かつて栄えた銀鉱山の地下道も走行する。
メキシコ中央高原の標高2,000m以上、最高で2,700mを超える山地や平野がステージとなる。高低差500mを一気に駆け下りるステージもあり、大手ブレーキメーカーのブレンボの技術者によると2016年の全14戦中最もブレーキに厳しいイベントであったという[1]。また高地ゆえにエンジンへの吸気が薄く、1.6リッターターボではおよそ1/4のパフォーマンスが失われ、高地順応セッティングが必要となる[2]。
凍てつくモンテカルロ、スウェーデンの2戦から一転して、3月のメキシコは気温30度前後の暑さとの戦いにもなる。マシンのオーバーヒート対策はもちろん、ドライバーの体力も求められるタフなイベントである。
総走行距離に占めるSSの割合が高く、2016年にはWRCでは1986年のツール・ド・コルス以来となる50マイル (約80km) の超ロングステージが用意された[3]。サービスパークの屋内設置、コンパクトなルート設定といったラリー運営のトレンドの先駆けとなった。2020年は新型コロナウイルスの影響により、最終日のSSを全て中止となった[4]。
出来事
[編集]- 2015年のイベント初日、オィット・タナックが運転したフォード・フィエスタ RS WRCがコースオフして湖へ転落し、クルーの脱出後まもなく完全に水没した[5]。所属チームのMスポーツは水深5mから引き上げられた車体を回収し、サービスパークで規定の3時間以内に修復し、翌日にはラリー2規定での再出走を果たした[6]。この車体はタイタニック号になぞらえて「タイタナック (TiTanak)」と呼ばれた。コ・ドライバーのライゴ・モルダーは水に濡れたペースノートをホテルで一枚一枚乾かした。最終日まで完走したタナックは、フィニッシュポディウムに水中ゴーグルとシュノーケルをつけて登場した[6]。
- 2017年はクリス・ミークが運転したシトロエン・C3 WRCが最終SSでコースアウトし、観客用駐車場を迷走した末にコースに復帰し、辛うじて首位を守り切るというドラマを演じた[7]。
歴代勝者(2004年以降)
[編集]年 | 優勝者 | 車輌 | |
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ドライバー | コ・ドライバー | ||
2004年 | マルコ・マルティン | マイケル・パーク | フォード・フォーカスWRC |
2005年 | ペター・ソルベルグ | フィル・ミルズ | スバル・インプレッサWRC |
2006年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・クサラWRC |
2007年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・C4WRC |
2008年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・C4WRC |
2010年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・C4 WRC |
2011年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・DS3 WRC |
2012年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・DS3 WRC |
2013年 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | フォルクスワーゲン・ポロ R WRC |
2014年 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | フォルクスワーゲン・ポロR WRC |
2015年 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | フォルクスワーゲン・ポロR WRC |
2016年 | ヤリ=マティ・ラトバラ | ミイカ・アンティラ | フォルクスワーゲン・ポロR WRC |
2017年 | クリス・ミーク | ポール・ネーグル | シトロエン・C3 WRC |
2018年 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | フォード・フィエスタ WRC |
2019年 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | シトロエン・C3 WRC |
2020年 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | トヨタ・ヤリスWRC |
2023年 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア |
- 2009年はローテーション制によりWRCカレンダーから外れ、代わりに「インターナショナル・ラリー・オブ・ネーションズ」が開催された。
脚注
[編集]- ^ WRC世界ラリー選手権の厳しさに挑むブレンボ製ブレーキ:レースによる違い
- ^ "WRC、フォルクスワーゲンがメキシコ用高地順応セッティングと改良を実施". レスポンス.(2013年3月8日)2013年12月13日閲覧。
- ^ "ラリー・メキシコで30年ぶりに80キロSSが復活へ". AUTOSPORT.web.(2015年12月16日)2017年2月23日閲覧。
- ^ ラリー・メキシコ、日曜日のステージをキャンセル - RallyX.net 2020年3月15日
- ^ "【動画】WRCメキシコ初日、WRカー水没の瞬間". AUTOSPORT.web.(2015年3月7日)2017年2月23日閲覧。
- ^ a b "WRCメキシコ:“タイタナック”修復の一部始終". Rallyplus.net.(2015年3月9日)2017年2月23日閲覧。
- ^ “WRCメキシコ:最終ステージでコースオフも、シトロエンのミークが劇的勝利【動画】”. Rallyplus.net. (2017年3月13日) 2017年3月18日閲覧。
外部リンク
[編集]- Corona Rally México - Sitio web oficial
- ラリー・メキシコ (RallyMexico) - Facebook
- ラリー・メキシコ (@RallyMexico) - X(旧Twitter)