リバーミード行動記憶検査
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リバーミード行動記憶検査(リバーミードこうどうきおくけんさ、Rivermead Behavioural Memory Test、RBMT)は、記憶障害の診断に1985年にen:Barbara Wilsonらにより開発された。名称は、イギリス・オックスフォード大学のリバーミードリハビリテーションセンターで開発されたことによる。1999年に拡張版、2003年に第2版が発売され、現在の最新版は2008年発売の第3版(Third Edition)。
概要
[編集]検査時間は30分程度。従来の検査と比較して、より日常生活に近い状況をシミュレートして日常記憶の診断ができることが特徴である。医師の診断のみならず、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士、理学療法士などの専門職を援助できる内容になっている。
質問内容
[編集]- 姓名の記憶
- 顔写真を2枚見せ、それぞれ姓名を記憶させる。時間を置いてから顔写真のみで姓名を答えさせる。
- 持ち物の記憶
- 被験者の持ち物を一つ(または二つ)預り、隠す。他の検査終了後に思い出させて返却を要求させる。
- 約束の記憶
- 最初に約束事と答えを決める。20分後にアラームが鳴るようにセットし、鳴ったら決められた質問をする。
- 絵の記憶
- 絵を見せ、時間を置いてから内容を質問する。
- 物語の記憶
- 短い物語を聞かせ、直後と時間経過後に2回物語の内容を再生させる。
- 顔写真の記憶
- 顔写真を見せ、あとからどれが正しい顔写真か答えさせる。
- 道順の記憶
- 部屋の中で施験者が道順をたどって見せ、時間を置いて被験者が正しい道順をたどれるかを見る。
- 用件の記憶
- 7.の途中で、他の用事を直後と時間を置いて2回行わせる。
- 見当識
- 日付、場所、知事名を質問する。
診断
[編集]スクリーニング点(SS、最高12点)と標準プロフィール点(SPS、最高24点)で診断する。スクリーニング点は記憶障害全般、標準プロフィール点は日常生活における障害の度合いを見る。下記が診断の目安だが、年齢毎のカットオフ値(病態識別値)が設定されており、高齢者ではボーダーラインが低くなる。
標準プロフィール点
[編集]- 0 - 9点 重度記憶障害。自立困難、介助者必須
- 0 - 6点 病院や自宅でも迷う危険性がある。
- 7 - 9点 慣れれば院内で迷うことはなくなる。
- 10 - 16点 中等度記憶障害
- 11 - 14点 病識はあるが記憶にムラがあるため自己認識が不十分であり、家族やグループでのフォローが適当。
- 15点 一人での通院・通学が可能になる。
- 16 - 17点 みずからノートを見返し、指摘されたことを積み重ねて記憶することが容易になる。
- 17 - 21点 ボーダーライン/軽度記憶障害
- 17点 一人で計画的に買い物できる。
- 18点 復職を検討する。
- 22 - 24点 正常
カットオフ値
[編集]- 39歳以下
- SS7/8、SPS19/20
- 40 - 59歳
- SS7/8、SPS16/17
- 60歳以上
- SS5/6、SPS15/16
関連項目
[編集]- 長谷川式認知症スケール (HDS-R)
- ミニメンタルステート検査 (MMSE)
- ウェクスラー成人知能検査 (WAIS)
- ウェクスラー記憶検査 (WMS-R)
- 高次脳機能障害
- 脳卒中
- 脳梗塞
- アルツハイマー病
- 外傷性脳損傷