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ルクソール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルクソルから転送)
ルクソール
الأقصر
Luxor
エジプトの旗
位置
の位置図
位置
ルクソールの位置(エジプト内)
ルクソール
ルクソール
ルクソール (エジプト)
ルクソールの位置(中東内)
ルクソール
ルクソール
ルクソール (中東)
ルクソールの位置(アフリカ内)
ルクソール
ルクソール
ルクソール (アフリカ)
座標 : 北緯25度41分 東経32度39分 / 北緯25.683度 東経32.650度 / 25.683; 32.650
行政
 エジプト
  ルクソール県
 市 ルクソール
地理
面積  
  市域 416 km2
人口
人口 (2010年現在)
  市域 487,896人
その他
等時帯 東ヨーロッパ時間 (UTC+2)
公式ウェブサイト : http://www.luxor.gov.eg

ルクソールアラビア語: الأقصرl-aqṣur、Luxor)は、エジプトの都市で、ルクソール県の県都。古代エジプトの都テーベがあった場所で、現在も数多くの遺跡が残っている。市域はナイル川によって分断されている。

日が昇る方角であるナイル川の東岸には、カルナック神殿ルクソール神殿など生を象徴する建物が、日が沈む方向のナイル川西岸には死を象徴する、王家の谷王妃の谷などがある。王家の谷にはツタンカーメン王の墓がある。

市内にある遺跡の多くが、古代都市テーベとその墓地遺跡 として世界遺産に登録されている。

歴史

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ルクソールは、エジプト新王国の時代、太陽神アメン=ラー(Amon-Ra)の都市テーベだった。

第11王朝時代に重要な都市となり、華麗さだけでなく、知、芸術、宗教、政治の中心地として繁栄した。第1中間期の混乱の後、エジプトを統一したメントゥホテプ2世英語版が、周辺地域に安定をもたらし、その結果都市が発展した。新王国のファラオが、クシュ(現在のスーダン北部)やカナンフェニキア、シリアに遠征し、テーベが世界規模でも有数の富を有し、知名度も高いことが分かる。テーベは上エジプトからのヒクソス軍の侵略を退ける役割を果たし、第18王朝の時代から第20王朝の時代まで、テーベは古代エジプトで政治的、宗教的、軍事的に主要な都となった。

街にはバビロニア人、ミタンニ人、ヒッタイト人(現在のトルコ)、ウガリットのカナン人、ビブロスのフェニキア人、ティルス人、クレタ島ミノア人なども流入し、アナトリアのヒッタイトの王子が、ツタンカーメン王の未亡人アンケセナーメンと結婚するまでに至った。しかし、政治的中心が北部エジプトの、ブバスティスサイス、そして最終的にアレキサンドリアに移ると、街の政治的、軍事的な重要性は、次第に薄れていった。しかし、アメン神の都市としてテーベは、古代ギリシア時代に至るまで、宗教的な中心地であり続けた。

その後、街はアッシリアアッシュールバニパル王の攻撃を受けた。テーベの街は廃墟となり、その重要性も失われた。しかし、アレクサンドロス大王がカルナックのアメン神殿に到着し、宗教的な祭りであるオペトの祝祭英語版の間に、王の像を移設した。テーベの偉大さは、今日でも、崇高な場所であり続けており、ローマ帝国の時代には、多くのキリスト教の修道僧がやって来て、多くの古代のモニュメントの場所に修道院を設立させた。その中にはハトシェプスト女王葬祭殿にあり「北の修道院」の意味を持つデル・エル・バハリ英語版も含まれている。

ルクソール特有の遺物として葬送用コーンがある。

1997年外国人観光客を狙ったテロ事件が発生し、日本人観光客10名を含む63名が犠牲となった。

2013年に観光用の熱気球が飛行中に火災になり、日本人観光客4名を含む19名が犠牲となった[1]

2018年にはルクソールで観光用の気球が墜落し、1人が死亡、12人が負傷した[2]

経済

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エジプトの多くの都市と同様に、観光業に大きく依存している。多くの住民が農業、特にサトウキビの栽培を行っている。カイロと比べると街は大変貧しく、貧困層が多い。 1997年、61名の観光客を含む63名が殺害されたエジプト史上最大のテロであるルクソール事件が起き、観光業に依存している街の経済は大打撃を受けたが、その後観光客数は回復している。 収入の不足分を補うため、住民の多くは自給自足の生活を送っている。例として山羊のチーズ、鳩の肉、自家栽培のトマトなどが挙げられる。

気候

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ルクソールでは雨がほとんど降らない。月あたりわずか0.0から6.0mmの雨しか降っておらず、年の平均降水量は2.3mm(月の平均は0.09mm)である。 夏季の間、温度は頻繁に50度を超える。王家の谷の近郊で、かつて57度に達したことがある。街にはナイル川が流れているが、川によって冷やされるのはほんのわずかである。

ルクソールの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 32.9
(91.2)
38.5
(101.3)
42.2
(108)
46.2
(115.2)
50.0
(122)
48.5
(119.3)
47.8
(118)
47.0
(116.6)
46.0
(114.8)
43.0
(109.4)
38.2
(100.8)
34.8
(94.6)
50.0
(122)
平均最高気温 °C°F 23.0
(73.4)
25.4
(77.7)
27.4
(81.3)
35.0
(95)
39.2
(102.6)
41.4
(106.5)
41.1
(106)
40.4
(104.7)
38.8
(101.8)
35.3
(95.5)
28.9
(84)
24.4
(75.9)
33.4
(92.1)
日平均気温 °C°F 13.8
(56.8)
15.9
(60.6)
20.2
(68.4)
25.6
(78.1)
29.6
(85.3)
32.2
(90)
32.3
(90.1)
31.8
(89.2)
29.7
(85.5)
25.9
(78.6)
20.0
(68)
15.1
(59.2)
24.3
(75.7)
平均最低気温 °C°F 5.4
(41.7)
7.1
(44.8)
10.4
(50.7)
16.0
(60.8)
20.2
(68.4)
22.6
(72.7)
23.6
(74.5)
23.2
(73.8)
21.3
(70.3)
17.3
(63.1)
11.6
(52.9)
7.1
(44.8)
15.5
(59.9)
最低気温記録 °C°F −0.3
(31.5)
−1.0
(30.2)
0.0
(32)
6.5
(43.7)
12.5
(54.5)
16.0
(60.8)
19.2
(66.6)
19.2
(66.6)
15.8
(60.4)
9.8
(49.6)
3.7
(38.7)
0.7
(33.3)
−1.0
(30.2)
降水量 mm (inch) 0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
1
(0.04)
0
(0)
0
(0)
1
(0.04)
平均降水日数 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0 1.0 1.9
湿度 55 47 39 31 29 27 30 33 37 43 51 57 39.9
平均日照時間 9 10 10 10 11 12 12 12 11 10 10 9 10.5
出典1:NOAA[3]
出典2:Weather2Travel (日照)[4]

交通

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  • 航空
  • 列車
    • 一日数本の列車がある。朝方と夜行の列車はルクソール神殿から約400mの場所にある駅から乗降することができる。カイロアスワンなど国内の主要な都市を結んでいる。
  • 市内
    • ルクソールの中心部から、ナイル川の数キロメートル上流部分に、1998年にナイル川の東岸、西岸を結ぶ橋が開設された。橋の開設以前から、川を渡る手段として多くのフェリーが運航されていたが、開設後も営業を続けている。フェリーは多くの旅行者も利用しているが、利用者のほとんどは地元民である。東岸と西岸の距離は意外と遠い。主に旅行者用にモーターボートもあるが、料金は高額である。
    • ナイル川東岸の市内には多くの路線バスが運航しており、主に地元民に利用されている。旅行者用には「calèches」と呼ばれる馬車もある。タクシーの数も多く、料金も手頃である。20年以上前、エジプト政府はタクシーの許可証の再認可を不要とする決定をしたことが、その理由でもある。エアコンの付いた新しいタクシーも多い。近年は交通量の増加に対応するため、新しい道路が多く建設されている。

観光地

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ナイル川とテーベ
ハトシェプスト女王葬祭殿
ルクソール神殿

姉妹都市

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脚注

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  1. ^ エジプトで気球墜落、日本人4人含む19人死亡-ルクソール近く afpbbnews
  2. ^ “エジプト・ルクソールで気球墜落 1人死亡12人負傷”. 朝日新聞社. (2018年1月5日). https://www.asahi.com/articles/ASL155R28L15UHBI01N.html 2020年10月20日閲覧。 
  3. ^ Luxor Climate Normals 1961–1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. January 25, 2015閲覧。
  4. ^ Luxor Climate and Weather Averages, Egypt”. Weather2Travel. 15 August 2013閲覧。

関連項目

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外部リンク

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