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レアシルヴィア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レアシルヴィア
Rheasilvia
ベスタの南半球
ベスタの南半球。半球の窪み全体がレアシルヴィアである。
種類 クレーター
天体 ベスタ
場所 南半球
座標 南緯75度 東経301度 / 南緯75度 東経301度 / -75; 301[1]座標: 南緯75度 東経301度 / 南緯75度 東経301度 / -75; 301[1]
直径 505 km
発見者 ハッブル宇宙望遠鏡
名の由来 ローマ神話レア・シルウィア

レアシルヴィア (Rheasilvia) は、ベスタの表面で最も大きな構造であり、衝突クレーターであると信じられている。

概要

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ベスタ南半球の地形図。レアシルヴィアが南半球の大部分を覆っている。

直径は505kmで、ベスタ自体の直径の90%を占め[2]太陽系の天体の最も大きなクレーターの1つとなっている。南緯75°に位置し、南半球の大部分を覆っている。このクレーターは、部分的に直径395kmの別のクレーターであるベネネイアを覆っている[3]。1997年にハッブル宇宙望遠鏡の画像で発見されたが[4]、命名されたのは、2011年にドーンが到着してからで、神話上のローマ建国者の母レア・シルウィアに因んで名付けられた[1]

レアシルヴィアは、外周の一部に沿って、周辺より4から12km標高が高い断崖がある。クレーターの床は、周辺より13km程度低い。この盆地の中心は盛り上がっており、直径は約200km、ふもとからの標高は22km[5] と太陽系の中で既知の最も高い山である。ハッブル宇宙望遠鏡の画像の分光学的分析により、このクレーターは地殻のいくつかの異なる地層を貫いていることが示されており、かんらん石のスペクトルの特徴が出ていることから恐らくはマントルまで達している[6]

ベスタは、レアシルヴィアと同心の赤道領域に一連の谷を持つが、これらは衝突に起因する大規模構造であると信じられている。最大のDivalia Fossaは、幅約22km、長さ約465kmに達する。

この衝突は、ベスタの体積の約1%を掘り起こすほどのものだったと推測されており、ベスタ族V型小惑星による衝突だったと考えられている。もしそうであれば、10kmもの破片が現在まで残っているという事実は、クレーターがたかだか約10億歳であることを示す[7]。またこれはHED隕石の起源である。既知のV型小惑星は、噴出体積の6%を占め、破片の残りは恐らく小さすぎて見えないか、ヤルコフスキー効果または放射圧によって3:1のカークウッドの空隙に達して小惑星帯から除去されていると考えられている。

出典

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  1. ^ a b "Rheasilvia". Gazetteer of Planetary Nomenclature. USGS Astrogeology Research Program.(NASA coordinates)
  2. ^ It is 95% the mean diameter of Vesta, 529 km. However, the mean is affected by the crater itself. It is 89% the mean equatorial diameter of 569 km.
  3. ^ 'Vesta seems more planet than asteroid', Science News, 2012 Mar 22
  4. ^ Hubble Reveals Huge Crater on the Surface of the Asteroid Vesta
  5. ^ Vega, P. (2011年10月11日). “New View of Vesta Mountain From NASA's Dawn Mission”. Jet Propulsion Lab's Dawn mission web site. NASA. 2011年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月29日閲覧。
  6. ^ Thomas, P. C.; et al. (1997). “Vesta: Spin Pole, Size, and Shape from HST Images”. Icarus 128 (1): 88. Bibcode1997Icar..128...88T. doi:10.1006/icar.1997.5736. 
  7. ^ Binzel, R. P.; et al. (1997). “Geologic Mapping of Vesta from 1994 Hubble Space Telescope Images”. Icarus 128 (1): 95. Bibcode1997Icar..128...95B. doi:10.1006/icar.1997.5734. 

関連項目

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