レインボー・コネクション
「レインボー・コネクション」 | ||||||||
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カーミット(ジム・ヘンソン) の シングル | ||||||||
初出アルバム『The Muppet Movie: Original Soundtrack Recording』 | ||||||||
B面 | I Hope That Somethin' Better Comes Along | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||
録音 |
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ジャンル | ポップ | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | ||||||||
作詞・作曲 | ||||||||
プロデュース |
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チャート最高順位 | ||||||||
後述を参照 | ||||||||
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「レインボー・コネクション[注 1]」(Rainbow Connection)は、1979年に公開された映画『マペットの夢みるハリウッド』の劇中歌である。作詞・作曲はポール・ウィリアムズとケニー・アスチャーが担当[1]。本作は、映画の劇中でカーミット(ジム・ヘンソン)によって演奏される。1979年11月にBillboard Hot 100で最高位25位を記録し、7週にわたって上位40位以内にチャートインした。ウィリアムズとアッシャーは、第52回アカデミー賞のアカデミー歌曲賞にノミネートされた[2]。
2021年にアメリカ議会図書館によって「文化的、歴史的、もしくは芸術的に重要」と見なされ、全米録音資料登録簿に登録された[3][4]。
制作
[編集]1976年に公開された映画『スター誕生』で複数の楽曲を共同制作したウィリアムズとアッシャーは、『マペットの夢みるハリウッド』の劇中歌を手がけることとなった。「レインボー・コネクション」は、ヘンソンから「オープニングのシーンでは、カーミットが1人でバンジョーを弾きながら歌うんだ」という指示を受けて書かれた。すぐに2人は、ウィリアムズの自宅で曲の大部分を書き上げたが、コーラスの歌詞を考えているうちに行きづまってしまったが、最終的に「the rainbow connection」というフレーズになった。ウィリアムズの妻であるケイト・クリントンを交えて食事をしながら、「the rainbow connection」というフレーズで困っていることをクリントンに説明しているうちに、このフレーズがしっくりくることに気づいたという[5]。ウィリアムズとアッシャーは、1940年に公開されたディズニー映画『ピノキオ』の主題歌「星に願いを」から曲のインスピレーションを得た[6]。
ウィリアムズは、本作で1番好きな歌詞として「Who said that every wish / Would be heard and answer / When wished on the morning star? / Somebody thought of that / And someone believed it / Look what it's done so far」というフレーズを挙げていて、その理由として「思考には力がある」ということを暗示しているからだと語っている[5]。歌詞は、カーミットの話し方を念頭に置いて書かれたもの[7]。
評価
[編集]『オールミュージック』は、「レインボー・コネクション」を「ありそうでなかったラジオ・ヒット」とし、「蛙のカーミットがジュディ・ガーランドみたく夢見るような物悲しさを歌っている」「『オズの魔法使い』で『虹の彼方に』が果たした役割とほぼ同等の役割を、この映画で果たしている」と評している[8]。また、「レインボー・コネクション」を、映画の「"I Want" song」とする声も存在している[9]。
アッシャーとウィリアムズは、第52回アカデミー賞において『マペットの夢みるハリウッド』で手がけたスコアでアカデミー作曲賞、「レインボー・コネクション」でアカデミー歌曲賞にノミネートされた[10]。
文化的影響など
[編集]本作のタイトルは、メイク・ア・ウィッシュに似た児童のためのチャリティー[11]、重い病気を患った児童のためのサマーキャンプ[12]、障害者のための乗馬キャンプ[13]など、多数のチャリティー団体で使用されている。
アメリカン・フィルム・インスティチュートは、『アメリカ映画主題歌ベスト100』の74曲目に「レインボー・コネクション」を選曲した[14]。
1996年にニュージーランドのワンガヌイで、21歳の男性がラジオ局「Star FM」に乱入してマネージャーを人質に取り、「『レインボー・コネクション』を聴け」と要求する事件が発生した[15]。
2020年4月25日、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、本作の新たな演奏(マット・ヴォーゲルによる録音)をソーシャルメディアを通して公開した[16]。
チャート成績
[編集]チャート (1979年 - 1980年) | 最高位 |
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オーストラリア (Kent Music Report)[17] | 14 |
ニュージーランド (Recorded Music NZ)[18] | 29 |
US Billboard Hot 100[19] | 25 |
チャート (2011年) | 最高位 |
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US Billboard Hot 100[20] | 7 |
カバー・バージョン
[編集]- ジュディ・コリンズ - 1980年に発売のアルバム『Running for My Life』に収録[21]。
- カーペンターズ - リズムやメロディを一部変更してレコーディングを行なったが、カレン・カーペンターがその出来を気に入らず、一度お蔵入りとなる。その後、1999年にリチャード・カーペンターによって仕上げられ、2001年に発売の『レインボウ・コネクション〜アズ・タイム・ゴーズ・バイ』に収録された[22]。
- 柳原幼一郎 - 1995年に発売のアルバム『ドライブ・スルー・アメリカ』で、独自の日本語詞をつけてカバー。このカバーを聴いたウィリアムズが好意的な評価をしたというエピソードが残っている[23]。
- ウィリー・ネルソン - 2001年に発売の同名のアルバムに収録[24]。
- 松たか子 - 2009年に発売のアルバム『Time for music』に収録[25]。
- エド・シーラン - 2015年にNBCの「レッド・ノーズ・デイ」の一環でカーミットとともに歌唱[26]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 英表記については冠詞付きの「The Rainbow Connection」、邦題については「レインボウ・コネクション」などバラつきがある。
出典
[編集]- ^ “Watch Muppets Sing 'Rainbow Connection' at Hollywood Bowl Concert”. Rolling Stone 2018年9月22日閲覧。
- ^ Kiefer, Halle. “Ryan Murphy Is Still Haunted by The Muppet Movie’s Best Song Oscar Loss” (英語). Vulture 2018年9月22日閲覧。
- ^ Schuessler, Jennifer (2021年3月24日). “Janet Jackson and Kermit the Frog Added to National Recording Registry”. The New York Times 2021年4月18日閲覧。
- ^ “ジャクソン・ブラウン、ジャネット・ジャクソンらのアルバム、米議会図書館が永久保存”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2021年3月26日). 2021年4月18日閲覧。
- ^ a b "Paul Williams interview". namm.org (Interview). National Association of Music Merchants (NAMM). 12 June 2013. 2021年10月26日閲覧。
- ^ Liebenson, Donald (2019年6月21日). “A Frog, a Banjo, and an Indelible Message: Making "The Rainbow Connection"”. Vanity Fair (Condé Nast Publications) 2021年10月26日閲覧。
- ^ Story Behind the Song: 'The Rainbow Connection'. The Tennessean. 14 October 2016. 2021年10月26日閲覧。
- ^ Cater, Darryl. The Muppet Movie [Original Motion Picture Soundtrack] - The Muppets - オールミュージック. 2021年10月26日閲覧。
- ^ Liebenson, Donald (2019年6月21日). “A Frog, a Banjo, and an Indelible Message: Making "The Rainbow Connection"”. Vanity Fair (Condé Nast Publications) 2021年10月26日閲覧。
- ^ “The 52nd Academy Awards (1980)”. Oscars.org. Academy of Motion Picture Arts and Sciences Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2021年10月26日閲覧。
- ^ “Rainbow Wish Connection”. Rainbow Wish Connection (2010年9月11日). 2021年10月26日閲覧。
- ^ “RC Camp”. RC Camp. 2021年10月26日閲覧。
- ^ Carlisle Graphics - Jeff Carlisle - www.carlislegraphics.com (2012年11月3日). “The Rainbow Connection.org”. The Rainbow Connection.org. 2021年10月26日閲覧。
- ^ “The Top Movie Songs of All Time”. American Film Institute (2004年). 2004年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月26日閲覧。
- ^ “Muppet fan seizes hostage at radio station”. CNN. (1996年5月27日) 2021年10月26日閲覧。
- ^ Hughes, William (2020年4月25日). “Kermit singing "The Rainbow Connection" might be the best celebrity singalong yet”. The A.V. Club. G/O Media. 2021年10月26日閲覧。
- ^ Kent, David (1993). Australian Chart Book 1970-1992 (illustrated ed.). St Ives, N.S.W.: Australian Chart Book. p. 165. ISBN 0-646-11917-6
- ^ “charts.nz - The Muppets feat. Kermit - Rainbow Connection”. Hung Medien. 2021年4月18日閲覧。
- ^ “Hot 100 Chart”. Billboard (1979年11月24日). 2021年4月18日閲覧。
- ^ “Hot 100 Chart”. Billboard (2011年12月10日). 2021年4月18日閲覧。
- ^ Ruhlmann, William. Running for My Life - Judy Collins | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年11月6日閲覧。
- ^ Schmidt, Randy L. (2011). Little Girl Blue: The Life of Karen Carpenter. Chicago Review Press. p. 235. ISBN 1-5697-6818-8
- ^ 湯浅学『ドライブ・スルー・アメリカ』(ライナーノーツ)柳原幼一郎、イーストワールド、2012年。
- ^ Rainbow Connection - Willie Nelson | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年11月6日閲覧。
- ^ “松たか子「RAINBOW CONNECTION」の楽曲(シングル)・歌詞ページ”. レコチョク. 2021年11月6日閲覧。
- ^ Begley, Sarah (2015年5月22日). “Red Nose Day: Kermit the Frog and Ed Sheeran Sing Rainbow Connection”. Time (Time USA) 2021年11月7日閲覧。