レトルタモナス目
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レトルタモナス目 | ||||||||||||||||||
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レトルタモナス(左)の模式図
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Retortamonadida Grassé, 1952 | ||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||
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レトルタモナス目 (レトルタモナスもく、Retortamonadida) は動物の腸管に棲息する単細胞の鞭毛虫から成る分類群である。有判鞭毛虫、ハラヒゲムシ類とも。これまでに2属50種近くが知られている。ヒトの腸から見付かるメニール鞭毛虫が代表的であるが、これを含め特に病原性を示すものは知られていない。
形態
[編集]細胞の大きさは5μmから20μm。2本または4本の鞭毛を持ち、そのうち1本は腹側の細胞口と関係した後曳鞭毛 (recurrent flagellum) でひれ状の突起が付いている。典型的なミトコンドリアを欠いており、これまでのところマイトソームも確認されていない。ゴルジ体もないとされる。
生態
[編集]ほとんどが寄生性で、昆虫や脊椎動物の腸や総排泄腔に棲息し、腸内細菌を捕食している。耐久性のあるシストを作り、これによって次の宿主へ伝播すると考えられている。自由生活性のものも報告されている。
分類
[編集]レトルタモナス目は、古典的な分類体系では動物性鞭毛虫綱に含めていたが、分子系統解析によればエクスカバータのうちフォルニカータに属している。
1科2属を含む。
- レトルタモナス科 Retortamonadidae
- レトルタモナス Retortamonas - 鞭毛が2本。ヒトの盲腸などに棲息するメニール鞭毛虫 Chilomastix mesnili や腸レトルタモナス Retortamonas intestinalis が知られているが、現在のところ病原性はないと考えられている。
- キロマスティクス Chilomastix - 鞭毛が4本。
参考文献
[編集]- Brugerolle, G. and Lee, J. J. ORDER RETORTAMONADIDA, GRASSÉ In Lee, J. J., Leedale, G. F., Bradbury, P. (eds.) The Illustrated Guide to The Protozoa, 2nd ed., vol. 2, Society of Protozoologists, Lawrence, Kansas, 2003, pp. 1250-1254. ISBN 1-891276-22-0
- Adl SM et al. (2005). “The New Higher Level Classification of Eukaryotes with Emphasis on the Taxonomy of Protists”. J. Eukaryot. Microbiol 52 (5): 399-451.