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レンバチニブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レンバチニブ
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
法的規制
  • (Prescription only)
識別
CAS番号
417716-92-8 ×
ATCコード none
PubChem CID: 9823820
ChemSpider 7999567 チェック
UNII EE083865G2 チェック
KEGG D09919
ChEBI CHEBI:816009en:Template:ebicite
ChEMBL CHEMBL1289601en:Template:ebicite
化学的データ
化学式C21H19ClN4O4
分子量426.853 g/mol
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レンバチニブ(Lenvatinib)は、エーザイが開発したマルチキナーゼ阻害薬であり、様々ながんの治療に用いられ得る。VEGFR2英語版キナーゼおよびVEGFR3英語版キナーゼを阻害する[1]。商品名レンビマ。開発コードE7080。

放射性ヨウ素による治療に抵抗性の甲状腺癌の治療薬として希少疾病用医薬品に指定されている(日米で2012年、欧州で2013年)[2]

効能・効果

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根治切除不能な甲状腺癌

臨床試験

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レンバチニブは2006年に第I相臨床試験で有効性が示された後[3]肝細胞癌[4]甲状腺髄様癌[5]など、いくつかの第II相臨床試験が実施された。放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺癌に対する第III相国際共同臨床試験(SELECT試験)が実施され、無増悪生存期間(括弧内は中央値)の有意な延長(レンバチニブ群:18.3か月 vs.偽薬群:3.6か月)が確認された[6][7]。この結果に基づいて日本で2018年6月[8]に、米国・欧州で2014年8月[9]に承認申請された。日本では2015年1月[10]に薬食審に承認了承された後、2015年3月に厚労省に承認された[11]。米国では2015年2月[12]に承認された。

扁平上皮細胞癌を除く非小細胞肺癌を対象とした第II相臨床試験(703試験)の結果、登録患者の67%に全生存イベントが発生した際に実施された主要解析結果では偽薬を対象として有意差を示すことができなかった(全生存中央値 レ群:38.4週、偽群:24.1週、p=0.065)が、登録患者の90%にイベントが発生した際に実施された探索的解析では有意差がついた(p=0.029)[13]

副作用

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治験時に見られた主な有害事象は、高血圧、下痢、食欲減退、体重減少、嘔気であった。

出典

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  1. ^ Matsui, J.; Funahashi, Y.; Uenaka, T.; Watanabe, T.; Tsuruoka, A.; Asada, M. (2008). “Multi-Kinase Inhibitor E7080 Suppresses Lymph Node and Lung Metastases of Human Mammary Breast Tumor MDA-MB-231 via Inhibition of Vascular Endothelial Growth Factor-Receptor (VEGF-R) 2 and VEGF-R3 Kinase”. Clinical Cancer Research 14 (17): 5459–65. doi:10.1158/1078-0432.CCR-07-5270. PMID 18765537. 
  2. ^ “Phae III trial shows lenvatinib meets primary endpoint of progression free surival benefit in treatment of radioiodine-refactory differentiated thyroid cancer”. Eisai. (3 February 2014). http://www.eisai.com/news/enews201407pdf.pdf 
  3. ^ Glen, H; D. Boss; T. R. Evans; M. Roelvink; J. M. Saro; P. Bezodis; W. Copalu; A. Das et al. (2007). “A phase I dose finding study of E7080 in patients (pts) with advanced malignancies”. Journal of Clinical Oncology, ASCO Annual Meeting Proceedings Part I 25 (18S): 14073. http://www.asco.org/ASCOv2/Meetings/Abstracts?&vmview=abst_detail_view&confID=47&abstractID=32665. 
  4. ^ 臨床試験番号 NCT00946153 研究名 "Study of E7080 in Patients With Advanced Hepatocellular Carcinoma (HCC)" - ClinicalTrials.gov
  5. ^ A phase II trial of the multitargeted kinase inhibitor lenvatinib (E7080) in advanced medullary thyroid cancer (MTC).”. ASCO. 2015年1月26日閲覧。
  6. ^ 抗がん剤「レンバチニブ」が放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんを対象とした臨床第III相試験において無増悪生存期間を指標とする主要評価項目を達成”. エーザイ (2014年2月3日). 2015年1月26日閲覧。
  7. ^ 抗がん剤「レンバチニブ」が放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんを対象とした臨床第III相試験において無増悪生存期間を顕著に改善”. エーザイ (2014年5月31日). 2015年1月26日閲覧。
  8. ^ 日本において、抗がん剤「レンバチニブ」の新薬承認申請を世界に先駆けて提出”. エーザイ (2014年6月26日). 2015年1月26日閲覧。
  9. ^ 抗がん剤「レンバチニブ」米国・欧州において新薬承認を同時申請”. エーザイ (2014年8月18日). 2015年1月26日閲覧。
  10. ^ 薬食審・第二部会 新薬4製品を審議、承認了承 エーザイの新規抗がん剤など”. ミクス (2015年1月22日). 2015年1月26日閲覧。
  11. ^ 新薬18製品が承認 経口C型肝炎薬ソバルディ、週1回DPP-4阻害薬ザファテックなど”. ミクス (2015年3月27日). 2015年3月27日閲覧。
  12. ^ 【エーザイ】抗がん剤「レンバチニブ」を米承認‐20年には売上10億ドル”. 薬事日報 (2015年2月19日). 2015年2月20日閲覧。
  13. ^ lenvatinibの肺癌対象フェーズ2の最新探索的追加解析でOSの延長が示唆”. 日経メディカル (2015年2月25日). 2015年2月28日閲覧。