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ロニー・ベイカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロニー・ベイカー Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Ronnie Baker
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競技 陸上競技短距離走
種目 60m, 100m
大学 テキサスクリスチャン大学
生年月日 (1993-10-15) 1993年10月15日(31歳)
出身地 ケンタッキー州ルイビル
身長 180cm[1]
体重 79kg[1]
成績
国内大会決勝 全米選手権
100m:2位(2018年)
全米室内選手権
60m:優勝(2017年)
自己ベスト
60m 6秒40(2018年)
100m 9秒83(2021年)
9秒78w(2018年)
200m 20秒55(2018年)
20秒06w(2017年)
400m 46秒18(2013年)
獲得メダル
陸上競技
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
世界リレー
2017 ナッソー 4x100mR
世界室内選手権
2018 バーミンガム 60m
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ロニー・ベイカー(Ronnie Baker、1993年10月15日 - )は、アメリカ合衆国ルイビル出身の陸上競技選手。専門は短距離走60mの自己ベストは室内世界歴代3位の6秒40。100mでは9秒83の自己ベストを持つ。2017年世界リレー男子4×100mの金メダリストである。

経歴

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高校時代まで

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ケンタッキー州ルイビルに生まれたが、3歳の時にアラスカ州アンカレッジに移住。そこでクロスカントリー走を経験し、12歳の時に再びルイビルに戻ってからは短距離に取り組むようになった[2][3]

バラード高校(Ballard High School)に進学するとバスケットボールを始め、陸上競技はバスケットボールのシーズンが終わってから取り組んでいた[3]。陸上競技では2年連続(2011年・2012年)で100mと400mのケンタッキー州タイトル獲得、ケンタッキー州最優秀男子陸上競技選手賞を受賞した[4]

大学時代

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2014年まで

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陸上競技の奨学金を得てテキサスクリスチャン大学に進学。1年目から4×100mリレーと4×400mリレーの主力になり、2013年の全米学生選手権(NCAA選手権)にも両種目で出場を果たした(結果はともに7位)。個人種目では全米学生選手権に出場することはできなかったが、室内と屋外のビッグ12カンファレンス選手権(Big12選手権)男子400mでは表彰台に迫るなど(それぞれ5位と4位)、主に400mで活躍した。2年目の2014年はビッグ12カンファレンス選手権男子400mで3位、全米学生選手権男子100mと男子200mの出場権を獲得するなどオールラウンドに活躍した。リレー種目では室内と屋外の全米学生選手権に出場を果たすも表彰台に上ることはできなかった[5][6]

2015年

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3月14日の全米学生室内選手権男子60m決勝を6秒52の自己ベスト(当時)で制し、キム・コリンズが保持していた大学記録(6秒53)を14年ぶりに更新して全米学生タイトルを獲得した[7]。6月の全米学生選手権男子4×100mリレーは38秒59(3走)の2位で優勝を逃した。同月の全米選手権男子100mは予選で9秒94(+2.1)、準決勝で9秒94(+3.0)と追い風参考記録ながら2レース連続で9秒台をマークして決勝に進出したが、決勝は10秒19(0.0)とタイムを落とし7位に終わった[8]。7月の光州ユニバーシアードで初の国際大会デビューを果たすと、男子100mは決勝に進出するも10秒17(0.0)で4位に終わり、3位とは0秒01の僅差でメダルを逃した[9]。男子4×100mリレーは予選で途中棄権(2走)に終わり、男子4×400mリレーは決勝で3分06秒56(2走)の2位に入るも失格に終わった[10]

2016年

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連覇のかかった3月の全米学生室内選手権男子60mには今季室内全米学生最高記録保持者(6秒51)として臨むと、11日の予選は自己ベストタイ(当時)の6秒51をマークし、キャメロン・バレル(6秒50)に次ぐ全体2位で決勝に進出した。迎えた翌日の決勝では予選のタイムを更新する6秒47をマークし、キャメロン・バレルを0秒01抑えて連覇を達成した。この記録は予選でキャメロン・バレルがマークした6秒50を更新する大会新記録(当時)であり、レオナード・マイルズ=ミルズ(6秒45)、マーカス・ブランソン(6秒46)に次ぐ室内全米学生歴代3位(当時)の記録だった[11]

プロ時代

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2017年

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2月10日の世界室内ツアー (en・コペルニクスカップ (en男子60mで室内世界歴代12位(当時)の記録となる6秒46をマークすると[12]、3月5日の全米室内選手権男子60m決勝では室内世界歴代6位タイ(当時)の記録となる6秒45をマークし、高地記録ながら好タイムで初優勝を飾った[13]。4月15日のマウント・サック・リレー (en男子100mでは10秒の壁を突破する9秒99(+0.1)をマーク。過去に9秒台は4回マークしていたものの全て追い風参考記録であり、今回が公認記録で初の9秒台となった[14]。1週間後の22日には世界リレー男子4×100mでシニア世界大会デビューを果たすと、予選と決勝でアメリカチームの3走を務め金メダル獲得に貢献した[15]。5月20日のジャマイカ国際招待男子100mで自己ベストを0秒01更新する9秒98(+0.4)をマークすると[16]、同月27日のダイヤモンドリーグ・プレフォンテーンクラシック (en男子100mでは追い風参考記録ながら9秒86(+2.4)をマークし、6位までが9秒台という高速レースを制しダイヤモンドリーグ初優勝を果たした[17]。6月の全米選手権男子100mは予選を10秒02(+1.5)で突破するも、準決勝は全体12位の10秒26(-1.4)で敗退した[18]

2018年

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2月18日の全米室内選手権男子60m決勝で室内世界歴代3位の6秒40をマーク[19]。3月3日のバーミンガム世界室内選手権男子60m決勝ではクリスチャン・コールマン(6秒37)、蘇炳添(6秒42)に次ぐ6秒44で銅メダルを獲得した[20]

2021年

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2021年6月20日、全米オリンピック選考会男子100m決勝で自己ベストとなる9.85(+0.8)をマークして2位に入り、100m代表入りを果たした。(なおこのときのレースでは5人までが9秒台だった。) 2021年8月1日、2020年東京オリンピック男子100m準決勝で9.83(+0.9)の自己ベストをマークし全体トップタイで決勝に臨んだが、結果は9秒95で5位入賞となりメダル獲得とはならなかった。

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 9秒83(+0.9) 2021年8月1日 日本の旗 東京
9秒78w(+2.4) 2018年5月26日 アメリカ合衆国の旗 ユージーン 追い風参考記録
200m 20秒55(+1.6) 2018年3月31日 アメリカ合衆国の旗 オースティン
20秒06w(+4.3) 2017年4月29日 アメリカ合衆国の旗 オースティン 追い風参考記録
400m 46秒18 2013年5月5日 アメリカ合衆国の旗 ウェーコ
室内
60m 6秒40 2018年2月18日 アメリカ合衆国の旗 アルバカーキ 室内世界歴代3位
200m 20秒60 2016年1月30日 アメリカ合衆国の旗 アルバカーキ
400m 46秒95 2013年2月9日 アメリカ合衆国の旗 カレッジステーション

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2015 ユニバーシアード (en 大韓民国の旗 光州 100m 4位 10秒17 (0.0)
4x100mR 予選 DNF (2走)
4x400mR 決勝 DQ (2走)
2017 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x100mR 優勝 38秒43 (3走)
2018 世界室内選手権 イギリスの旗 バーミンガム 60m 3位 6秒44

ダイヤモンドリーグ

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優勝したダイヤモンドリーグの大会を記載(個人種目のみ)。金色の背景はポイント対象レースを意味する。

大会 場所 種目 記録 備考
2017 プレフォンテーンクラシック アメリカ合衆国の旗 ユージーン 100m 9秒86(+2.4)
2018 プレフォンテーンクラシック アメリカ合衆国の旗 ユージーン 100m 9秒78(+2.4)
ゴールデンガラ イタリアの旗 ローマ 100m 9秒93(-0.4)
ミーティングアレヴァ フランスの旗 パリ 100m 9秒88(+0.8)
ロンドングランプリ イギリスの旗 ロンドン 100m 9秒90 (+0.1)

全米タイトル

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優勝した全米大会を記載

大会 場所 種目 記録 備考
2014 全米学生室内選手権 フェイエットビル 60m 6秒52 自己ベスト
2015 全米学生室内選手権 バーミングハム 60m 6秒47 大会新記録
室内全米学生歴代3位
2017 全米室内選手権 アルバカーキ 60m 6秒45 室内世界歴代10位タイ

脚注

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  1. ^ a b Ronnie Baker”. facebook (2017年5月30日). 2017年5月30日閲覧。
  2. ^ Ballard grad Baker headed to U.S. Olympic Trials”. USA Today High School Sports (2016年6月24日). 2017年5月29日閲覧。
  3. ^ a b longer an unknown After indoor success,‘newbie’ Baker is no”. 国際陸上競技連盟 (2017年2月22日). 2017年5月29日閲覧。
  4. ^ Kentucky Boys Track AOY: Ronnie Baker”. ESPN (2012年6月21日). 2017年5月29日閲覧。
  5. ^ Ronnie Baker”. TFRRS (2017年5月29日). 2017年5月29日閲覧。
  6. ^ Ronnie Baker”. GoFrogs.com (2017年5月29日). 2017年5月29日閲覧。
  7. ^ Ronnie Baker: NCAA 60 Meters Champion”. GoFrogs.com (2015年3月15日). 2017年5月29日閲覧。
  8. ^ Baker Places Seventh at USA Championships”. GoFrogs.com (2015年6月26日). 2017年5月29日閲覧。
  9. ^ Baker Grabs Fourth at World University Games”. GoFrogs.com (2015年7月9日). 2017年5月29日閲覧。
  10. ^ Final day of Track competition puts USA on the Medal Podium”. wugusa.com (2015年7月12日). 2017年5月29日閲覧。
  11. ^ What A Race! Men Turn In A Historic 60-Meter NCAA Final”. USTFCCCA (2016年3月12日). 2017年5月29日閲覧。
  12. ^ Ballard grad Ronnie Baker sprints to career-best mark in 60 meter dash”. courier-journal.com (2017年2月11日). 2017年5月29日閲覧。
  13. ^ Baker speeds to world-leading 6.45 to win US indoor 60m title”. 国際陸上競技連盟 (2017年3月6日). 2017年5月29日閲覧。
  14. ^ Baker Hits Sub 10 Second Milestone”. GoFrogs.com (2017年4月15日). 2017年5月29日閲覧。
  15. ^ Men's 4x100m final – IAAF/BTC World Relays Bahamas 2017”. 国際陸上競技連盟 (2017年4月22日). 2017年5月30日閲覧。
  16. ^ JAM – Thompson and Mcmaster Impress in Kingston”. 北中米カリブ陸上競技連盟 (2017年5月21日). 2017年5月30日閲覧。
  17. ^ 男子100メートルで好記録続出 追い風参考ながら6人が9秒台!”. スポーツニッポン (2017年5月29日). 2017年5月30日閲覧。
  18. ^ 2017年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年6月28日). 2017年6月28日閲覧。
  19. ^ Coleman destroys WR; AR for Nelvis at USATF Indoors”. 全米陸上競技連盟 (2018年2月18日). 2018年2月19日閲覧。
  20. ^ Report: men’s 60m final - IAAF World Indoor Championships Birmingham 2018”. 国際陸上競技連盟 (2018年3月3日). 2018年3月4日閲覧。

外部リンク

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