ロビンフッド (企業)
種類 | 公開会社 |
---|---|
市場情報 | NASDAQ: HOOD |
本社所在地 |
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 メンローパーク |
設立 | 2013年4月18日 |
業種 | 証券業 |
事業内容 |
株式仲介業 電子取引プラットフォーム |
代表者 |
ウラジミール・テネフ バイジュ・バット(共同経営責任者) |
外部リンク |
robinhood |
ロビンフッド(英語: Robinhood Markets Inc.)は、アメリカ合衆国のフィンテック企業、および同社が提供する証券取引アプリの名称。証券取引手数料なしで売買を行える点が最大の特徴[1][2][3]。金利収入、高頻度取引業者から受け取るリベート(ペイメント・フォー・オーダーフロー)[4][5]、アプリのプレミアム会員から徴収する手数料が主な収益源となっている[6]。
2021年3月末のロビンフッドの口座数は17.7百万、預かり額が809億ドル(内訳は、株式75%、オプション2%、暗号資産13%、現金9%)となっている[7]。
概要
[編集]バイジュ・バットとウラジミール・テネフは、2011年に起きた「ウォール街を占拠せよ」運動に影響を受け、「収入に関わらず誰もが利用できる金融サービス」を目指し、スタンフォード大学の卒業後、取引アルゴリズムと投資銀行ソフトウェアのスタートアップ会社勤めを経て、2013年に「ロビンフッド」が設立された[2][3]。
バットとテネフは、株の動向を確認したり、手数料無料で株取引を行えるiOSアプリを開発する。当時、イー・トレード、スコットトレードといった株取引を行うオンライン取引サービスは存在していたが、取引毎に7ドルから10ドル程度の手数料が徴収されていた[3]。
2013年、Index Venturesとアンドリーセン・ホロウィッツから300万ドルの資金調達を行い、アメリカ証券取引委員会からの承認を受けた[3]。
2014年2月に、サービス開始までの予約表を公開したところ、同年9月までには1300万ドルの資金調達と50万人のサービス利用予約の登録者が発生した[3]。同年12月のベータ版提供を経て、2015年3月には正式ローンチした[3]。
2018年にはビットコインなどの仮想通貨取引も手掛けるようになっており、こちらの取引手数料も無料である[2]。
2018年末、ロビンフッドは当座預金と普通預金のサービスの開始を発表すると共に、どちらの預金にも3%の金利を提供すると発表している。発表当時のアメリカ合衆国における普通預金の平均金利は0.1%である。なお、ロビンフッドの預金口座は連邦預金保険公社による保証対象外となるが、証券投資者保護公社によって25万ドルまでは保証される[6]。
2020年12月17日、ロビンフッド収入源のほぼ半分がペイメント・フォー・オーダーフロー(高頻度取引業者から受け取るリベート)であるにもかかわらず、その事を隠していたとして、制裁金6500万ドルの支払いを命じた[5][4]。これは、取引手数料を無料にする代わりに、成行注文などの約定価格を悪化させ、その悪化した差額を、高頻度取引業者からキックバックさせて会社の売上を立てていたことを意味する。
2021年7月29日、スマートフォン証券の「ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)」がNASDAQ市場へ新規上場[8]。株価は一時、公開価格に比べて12%安い33ドル35セントまで下げる場面があった。初日の終値は8%安い34ドル82セントで、時価総額は約290億ドル(約3兆2000億円)となった。
株式市場への影響
[編集]米国では、新型コロナウイルス感染症対策の給付金などの影響で、ミレニアル世代を中心に、ロビンフッドを介して株式投資を始める個人投資家が増加している。彼らはロビンフッダーと呼ばれ、個別銘柄の値動きに大きな影響を及ぼすこともある[9][10]。
出典
[編集]- ^ “米フィンテック企業、今年上半期3社がユニコーンに”. フォーブス・ジャパン (2017年8月14日). 2019年2月20日閲覧。
- ^ a b c “無料株取引アプリの米ロビンフッド、評価額56億ドルに”. ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (2018年3月16日). 2019年2月20日閲覧。
- ^ a b c d e f “手数料ゼロの株取引アプリRobinhoodがNEAから5000万ドルを調達し、グローバル展開へ”. TechCrunch (2015年5月8日). 2019年2月20日閲覧。
- ^ a b 「フラッシュ・ボーイズ」恐れていたロビンフッド-収入源開示せず - Bloomberg
- ^ a b In the matter of ROBINHOOD FINANCIAL, LLC, Respond
- ^ a b “フィンテック界のユニーコーンRobinhood「金利3%」の太っ腹戦略”. フォーブス・ジャパン (2018年12月29日). 2019年2月20日閲覧。
- ^ “SBI証券 スマートフォンサイト|―口座開設ページ:ネット証券最大手の証券会社。オンライントレードでの投資をしっかりサポート―”. s.sbisec.co.jp. 2023年5月5日閲覧。
- ^ “米ロビンフッド上場、初日は8%安 個人買い不発(写真=ロイター)”. 日本経済新聞 (2021年7月30日). 2021年8月28日閲覧。
- ^ 投資アプリ「Robinhood(ロビンフッド)」は何がスゴい? 熱狂的な若者を生んだ仕組み |FinTech Journal
- ^ ゲーム感覚で株売買。ロビンフッド族が呼ぶ怪現象 | ギズモード・ジャパン
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- ロビンフッド - Crunchbase
- 米ロビンフッド、貧者助けたのか 無料投資アプリ追及 - 朝日新聞デジタル(2021年2月19日)
- 米ロビンフッドがナスダックに上場、どんな会社なのか?【馬医金満のマネー通信】 - J-CASTニュース (2021年08月11日)