ロータス・エキシージ

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エキシージExige)は、イギリス自動車メーカーであるロータス・カーズがかつて販売していたスポーツカーである。

概要[編集]

2000年2001年イギリスを中心として開催された、ロータス・エリーゼによるワンメイクレース用に開発されたスポーツエリーゼをベースとして、クーペとしたものである。スポーツエリーゼは完全なレースカーであり、市販はしないとコメントされていたが、ファンの熱烈なラブコールに応えるかたちとして、突然スポーツエリーゼの市販モデルであるエキシージ(MK-1)が2000年に発表された。公道走行のための法規に合致させるため、チンスポイラーの小型化や後部視界を得るために後部に変更を受けたが、スタイルはほぼスポーツエリーゼのそれであった。

初代(2000年 - 2002年)[編集]

ロータス・エキシージ
ボディ
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 MR
パワートレイン
エンジン ローバー 18K型:1,796cc 直4 DOHC
最高出力 132.5kW(178PS)/7,800rpm
最大トルク 172N·m(17.4kgf·m)/6,750rpm
変速機 5速MT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン
ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,300mm
全長 3,761mm
全幅 1,720mm
全高 1,201mm
車両重量 725kg
その他
先代 ロータス・スポーツエリーゼ
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エリーゼとの違いは、フロントとリアのトレッドを拡大し、タイヤはインチアップされ、カウルはクローズドボディ化されており、外見は通常のエリーゼよりもかなりアグレッシブに変わっており、スポーツエリーゼ(ワンメイク・レーシングカー)に近いルックスとなっている。

エンジンもK-シリーズのハイカム177HPにチューンされている。

このMK-1は、604台が限定の形で生産された。

なお、スポーツエリーゼ、エキシージ(MK-1)ともに、ロータスカーズとは別会社でかつてのF1チームであるロータス・スポーツによって別ラインで生産された。

2代目(2004年 - 2011年)[編集]

ロータス・エキシージ
エキシージS
エキシージS (リア)
ボディ
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 MR
パワートレイン
エンジン 2ZZ-GE型:1,795cc 直4 DOHC VVTL-i
最高出力 エキシージ
141kw(192PS)/7,800rpm
エキシージ S
162kW(220PS)/7,800rpm
エキシージ S PP
179kW(243PS)/8,000rpm
最大トルク エキシージ
181N·m(18.5kgf·m)/6,800rpm
エキシージ S
210N·m(21.4kgf·m)/5,500rpm
エキシージ S PP
230N·m(23.5kgf·m)/5,500rpm
変速機 6速MT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン
ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,300mm
全長 3,805mm
全幅 1,725mm
全高 1,160mm
車両重量 930kg
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2001年にエリーゼのMK-2が発売されたことに伴い、2004年にエキシージもMK-2が発表された。しかし変化は外見的なものが中心で、トレッドやエンジンには特に手が入れられておらず、MK-1と比べるとスペシャル度には乏しい。

エリーゼ同様、MK-2からエンジンがトヨタ自動車製に変更されており、信頼性が向上している。

エキシージ S(2006-2007)

2006年2月、2ZZ-GEエンジンにスーパーチャージャーを搭載したエキシージ Sを発表。スーパーチャージャーの追加により最高出力163kW(221PS)/7,800rpm、最大トルク215N·m/5,500rpm(ただし2,000rpm超で、その80%を発生)となる。この仕様変更により、MK-2に変更された時に巻き起こった『重量増による動力性能の劣化』というマイナスファクターを一蹴するきっかけを得た。

エキシージSの基本動力性能は、車両重量935kgという超軽量車体に組み合わされ、0-100km/h加速に要するタイムは4.3秒、0-160km/h加速は9.98秒であり、最高速は160mph(≒256km/h)とアナウンスされている。この数値は、2005年当時の量産車としては世界最高レベルにある。

エキシージSの日本におけるデリバリーは2006年5月から開始された。

  • エキシージ S 240(2008年-2011年)
  • エキシージ S 260(2009年-2011年)
  • エキシージ 265E(未発売)
  • エキシージ スカラ/ステルス(2009年)
  • エキシージS RGB スペシャル・エディション(2010年)- 2010年いっぱいで、2ZZ-GEが欧州の排ガス規制(ユーロ5)に対応できなくなったため、エキシージの販売は一旦終了する。
  • エキシージ マットブラック スペシャル・エディション(2011年)- 北米市場向け25台限定車。
  • エキシージ S 260 ファイナル ・エディション(2011年)- 北米市場向け30台限定車。

3代目(2012年 - 2021年)[編集]

ロータス・エキシージ
Exige S V6
ボディ
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドアクーペ
ロードスター
駆動方式 MR
パワートレイン
エンジン 2GR-FE型:3,456cc V型6気筒 DOHC VVT-i
最高出力 エキシージ S
257kW(350PS)/7,000rpm
最大トルク エキシージ S 400N·m(40.79kgf·m)/4,500rpm
変速機 6速MT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン
ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,370mm
全長 4,080mm
全幅 1,800mm
全高 1,130mm
車両重量 1180kg
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2011年のフランクフルトモーターショーで、2012年モデルとして発表。

エンジンはエヴォーラ Sと同じトヨタ・2GR-FE V6 3.5LにHarrop製スーパーチャージャーを組み合わせたものとなった。V6エンジンを搭載するため、車体は従来型に比べて全長が25cm、全幅が5cm拡大されており、リア・サブフレームは新規に作り直されている。DPM(ダイナミック・パフォーマンス・マネジメント)スイッチにより、ドライバーはツーリング、スポーツ、DPMオフの3つのドライビングモードに切り替えることが可能である。

2015年モデルよりS V6が主にストリート向けの「Sport」へと名称変更、同時にV6 Cupがモータースポーツ向けの「Cup」になり、V6がモデル形式から消えると同時に、モデル形式の後ろの数字が英馬力を示すようになっている。

「Sport」モデルではハードトップの代わりにエリーゼのソフトトップを装着した「エキシージロードスター」も選択可能だった。元々エリーゼのシャーシをベースにしているため、クーペモデルも小改造でエリーゼの屋根を装着可能にすることは出来るが、車検的には違反となるために注意が必要である。またこのエキシージロードスターはオートマチックトランスミッション仕様も存在した。

2021年にSport390/420 Final EditionとCup430 Final Editionを発表し販売終了。後者のCup430 Final EditionはLCIによる正規輸入こそ無かったが、数台が個人による並行輸入で日本に上陸している。

バリエーション
  • S V6(2012-2015)
  • S V6ロードスター(2012-2015)
  • V6Cup(2013-2016)
  • V6Cup R(2013-2016)
  • Sport350(2015-2019)
  • Sport350ロードスター(2015-2021)
  • Sport380(2016-2021)
  • Sport410(2018-2021)
  • CUP380(2016-2021)
  • CUP430(2017-2021)- 当初日本輸入予定は無いとされていたが、限定10台で正式輸入された。なおイギリス本国ではカタログモデルだったため、限定数を証明するシリアルナンバーの類は刻印されていない。
  • 360 Cup - 2015年8月発表。50台限定。後のグレードとは異なり、本車のみ英馬力の後ろにカップが付くのが正式名称である。
Exige Sport 410
Exige V6 Cup-R

関連項目[編集]

外部リンク[編集]