ンブシー
表示
ンブシーは、水分の多い野菜等の食材を蒸し煮する沖縄料理の調理方法、及び、その調理方法で作った料理。チャンプルー、イリチーと並び、沖縄料理の3大調理法のひとつとされる[1]。ウブシー、ウブサー、ンブサーなどとも呼ばれ、表記は一定しない[2][3]。
元来は、水分を多く含む食材を、水を加えずに食材の水分で蒸し煮する調理法で、豚肉又はランチョンミート(方言名:ポーク)と豆腐を加えて、味噌で味付けすることが多い。また、近年はだし汁を加えることも一般に行われている[4][5][6][7]。代表的なものは、ヘチマ(方言名:ナーベラー)の未熟果を使ったナーベラーンブシーである[5]。
沖縄方言(首里方言)では、「蒸す」を「ンブシュン」といい[8][9]、「ンブシー」には「蒸したもの」という意味がある。つまり、「ンブシー」という語自体には味噌煮という意味合いはなく、醤油味や塩味のンブシーもある[2]。なお、沸騰させた湯の上にセイロを載せて蒸す調理法は、沖縄では「アガラス」(蒸し上げるの意)と表現され、この製法で作られる蒸しパンは「アガラサー」と呼ばれる[10]。
種類
[編集]- ナーベラーンブシー
- シブインブシー - トウガン(方言名:シブイ)のンブシー[7][11]。
- ゴーヤーンブシー - ゴーヤーのンブシー[2][7]
- チブルウブサー - ユウガオの実(方言名:チブル)のンブシー[7]
- ンスナバーンブシー - フダンソウ(方言名:ンスナバー)のンブシー[2][1]
- パパイヤンブシー - パパイヤの未熟果のンブシー[2]
- グンボーンブシー - ゴボウ(方言名:グンボー)のンブシー[2]
- 豆腐ンブサー[12]
脚注
[編集]- ^ a b “琉球料理担い手育成講座 受講生教本” (PDF). 沖縄県文化観光スポーツ部文化振興課. p. 53 (2020年3月31日). 2021年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ a b c d e f “ンブシー”. 日本の食べ物用語辞典. 2021年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ “ンブサー”. 日本の食べ物用語辞典. 2021年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ “ンブシーとは”. コトバンク. 2021年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ “ナーベーラーンブシー (へちまのみそ煮)”. 公益社団法人 沖縄県栄養士会. 2021年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ a b c d “ンブシー(煮物)”. 崎浜キヌの季節に応じた食事. 2021年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ “沖縄語辞典”. 国立国語研究所. 2021年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ “ンブシュン(んぶしゅん)とは”. 沖縄方言辞典 あじまぁ. 2021年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ “アラガサー(あらがさー)とは”. 沖縄方言辞典 あじまぁ. 2021年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ “だれでもうちなークッキング シブインブシー”. 美ら島物語. 日本トランスオーシャン航空. 2018年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
- ^ 小泉武夫 (2018年8月30日). “琉球の酒と食を愛でる <19>「豚肉」と「豆腐」から見る琉球料理の底力”. 沖縄タイムス. オリジナルの2018年8月30日時点におけるアーカイブ。
外部リンク
[編集]- ンブシー 日本の食べ物用語辞典