ヴァスダーラー
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ヴァスダーラー(梵: Vasudhārā) は、サンスクリットで「富、財宝を持てる者」という意味の女性名詞であり、日本では持世菩薩とされる、仏教における富・繁栄・豊穣を象徴する菩薩。
概要
[編集]尊容には、左手には豊穣の象徴の稲穂や宝瓶、右手には与願印を結ぶなどの特徴がある。
日本以外の多くの仏教国では一般的で、伝説や仏教美術の題材となっている。起源はインドの菩薩であるが、民衆に親しく信仰され、南方の仏教国にも広まった。ネパールでは最も一般的に信仰され、カトマンズの谷に住むネワール人仏教徒の中に熱烈な支持者を持ち、ネワール仏教における信仰対象の中心である[1]。ラホール・スピティでは富の女神(Shiskar Apa)とされている。
なお、名前の似た大地母神ヴァスンダラー(Vasundharā)が存在し、しばしば両尊は混同されているが、ネパール仏教の研究者で、現・種智院大学のスダン・シャキャ講師によれば全く別起源である[2][3][4]。
脚注
[編集]- ^ Pratapaditya, Pal. [1985] Art of Nepal. p.32
- ^ Sudan SHAKYA, VasundharaとVasudhara」『印度學佛教學研究』 2010-2011年 59巻 2号 p.995-990, 日本印度学仏教学会, doi:10.4259/ibk.59.2_995, NAID 110008609430
- ^ Sudan SHAKYA,「ヴァスダーラー(Vasudhara)女尊の関連文献について」『密教学研究』43号 p.23-40 2013.03, 日本密教学会事務局, NAID 40018909688
- ^ 「ネパール仏教文化史の総合的研究」