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ヴァスンダラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

梵名ヴァスンダラー(वसुन्धरा [Vasundharā])はサンスクリットで「地」を表すため、日本では持地菩薩とされているが、ネパールでは女神[1]、また『仏母大孔雀明王経』では七十三大羅刹女のうちの一人の「持地羅刹女」のことである[2]

例えば、インドでは、マンダラの制作時に, まずマンダラを地面に描く許可をヴァスンダラーに請願する作法が残っているが、このことは大地の女神としてのヴァスンダラーの基本性格を示している[3]

ネパール仏教の研究者で、現・種智院大学のスダン・シャキャ講師によれば、このヴァスンダラーと混同されているものに、「法界語自在曼荼羅」と関連する福徳財宝の女神ヴァスダーラー(Vasudhārā持世菩薩)があるが、後者は仏教以外にもヒンドゥー教ジャイナ教でも崇敬を集める汎インド亜大陸的女神であり、両尊は全く別起源であり異なる役割を有するものである[1]

脚注

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  1. ^ a b Shakya Sudan「VasundharaとVasudhara」『印度學佛教學研究』第59巻第2号、日本印度学仏教学会、2011年、995-990頁、doi:10.4259/ibk.59.2_995ISSN 0019-4344NAID 110008609430 
  2. ^ 「國訳佛母大孔雀明王経」『國訳密教儀軌第五』p.249所収
  3. ^ 森雅秀「インド密教における成就法と儀礼」『高野山大学論叢』第35号、高野山大学、2000年2月、23-43頁、ISSN 04526333NAID 40001267303