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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハングル字母
基本字母
合成字母
古字母

は、ハングルを構成する子音字母のひとつ。を重ねて作った合成字母。サンシオッ쌍시옷、二つのシオッ、韓国)またはトェンシウッ된시읏、硬いシウッ、北朝鮮)と呼ばれる。硬音を表す。

訓民正音』当時の濃音も含めた場合の配列順は、最初の「ㄱ」から17番目であった。

音声

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舌端を歯茎近くに近づけて、その隙間を呼気が通ることによっておこる歯茎摩擦音の一種を表す。朝鮮語の歯茎摩擦音には喉頭緊張(テンス)を伴うかそうでないかによって二系統が存在する。この字母は喉頭緊張を伴う硬音を表している。音素記号は/s'/などで表記される。

初声では無声歯茎摩擦音の硬音[s']として現れる。ただし母音//[i])や二重母音/, , , , , /[j]系の半母音)の前では口蓋化して無声歯茎硬口蓋摩擦音[ɕ']となり、母音//[o]//[u])や二重母音/, , , , , /[w]系の半母音)の前では円唇化して[sʷ']となる。*

また休止の前や無声子音の前の終声では舌端を歯茎に密着させて出す内破音[t̚]となる。これは//の終声と同じ音である。母音の前では初声化するので無声歯茎摩擦音の硬音[s']などが現れる。

終声にこの字母が使われるのは、存在詞の , 未来形を表す語尾 , 過去形を表す語尾 았/었である。

外来語の表記では、日本語の「つ」を表記する際、[t͡s]の発音が朝鮮語には存在しないため、近似音としてこの子音字母を用い、「」とするのが国立国語院告示の正式な表記である(「」や「」が使われることもある)。中国語の表記ではsにこの字母を使い(例:四川/Sichuan→쓰촨)、ㅅはshに使われる(例:上海/Shanghai→상하이)。また、英語などの[s]は通常「ㅅ」を使うが、稀にこの字母になることがある(例:sun→썬)。

*国際音声字母には硬音を表す記号がないためここでは便宜上「'」を用いて表記した。

音価 終声字 複合終声字
, ,
, , , , , ,    
, (),
, , , , ()  
,  
 
   

訓民正音

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訓民正音初声体系では全濁歯音に分類されており、訓民正音の世宗序では「ㅅ齒音如戌字初發聲 竝書如邪字初發聲」と規定されている。『訓民正音解例』制字解に全清を並書すると全濁となるとある。ここでいう全濁は濁音(有声音)ではなく、当時においても硬音であったと推測されている。この各字並書(同じ字母を並べたもの)のはもっぱら漢字音の濁音表記にも用いられた。一方で固有語の語頭にもが用いられてきたが、これは合用並書(異なる字母を並べたもの)であるとする意見がある。それは系の合用並書が硬音を表すための符号であったという説があるためである。

サンシオッという名称は1933年朝鮮語綴字法統一案によって名付けられた。

漢字音表記

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当時の中国語の歯音には朝鮮語にない歯頭音(舌尖と上歯茎で調音される歯音)と正歯音(舌尖を下歯茎につけたまま盛り上げた舌端と上歯茎で調音される歯音)の区別があった。『訓民正音』ではこれを表記するために、歯頭音(邪母)には左払いが長い「」、正歯音(禅母)には右払いが長い「」のような字形を用意している。

ラテン文字転写

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文化観光部2000年式マッキューン=ライシャワー式共に初声の場合ss、終声の場合tと表記される。

文字コード

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Unicodeにおける文字コード
名称 用途 コード HTML実体参照コード 表示
HANGUL LETTER SSANGSIOS 単体 U+3146 ㅆ
HANGUL CHOSEONG SSANGSIOS 初声用 U+110B ᄊ
HANGUL JONGSEONG SSANGSIOS 終声用 U+11BC ᆻ
  • 歯頭音
名称 用途 コード HTML実体参照コード 表示
HANGUL CHOSEONG CHITUEUMSSANGSIOS 初声用 U+113D ᄽ
  • 正歯音
名称 用途 コード HTML実体参照コード 表示
HANGUL CHOSEONG CEONGCHIEUMSSANGSIOS 初声用 U+113F ᄿ